005(宴の主役は俺)
俺はゼニア姫を乗せて塔を目指す。塔の色はネイビーブルーで直径1000メートルはある。高さは判らないくらいだ。
街並みは中世と未来が入り雑じった感じ。古い建物の横にドーム型の建物が並んでる。スーパーマーケットや大きな工場みたいな建物もいくつかある、魔法車を生産してるようだ。
――俺達は塔に着き、魔法車を降りる。上を見上げると首を痛めそうなくらい高い塔だ。未来は凄い技術力だな。
すると、ガタイの良い老兵が駆け寄ってくる。
『姫様ー! 御無事で何よりです!』
『ジッパー騎士団長、心配を掛けたわね。このソウがテオブロにとどめを刺したわ』
『おお! 下級兵の身なりなのに魔法車を運転出来るのか。タダ者じゃないな』
『いや〜、まあね』
『部下のジャック・ストライフも活躍したようよ』
『ジャックはラークバロン公国一の剣士ですからね。ささっ、魔方陣の中へ。姫様、メンソ国王とフレーバ王妃に帰還の挨拶を』
『心配性のパパを安心させてあげなきゃね。ソウ、行くわよ』
『えっ、俺も?』
俺はゼニア姫に半ば強引に魔方陣の内側に連れて来られる。これが、ワープエレベーターか。
もう少し雪ドリしたかったな。レースで憂さ晴らしだ。
『行くわよ』
『どこに?』
『空中宮殿よ』
ブァーン……ヒュン。
光に包まれて、パッと視界が変わる。宮殿の中だ、レッドカーペットが敷かれ、先に冠を被った中世の王様らしき人とドレスを着た美魔女(若作りしてるのが判る)が椅子に座っていた。
『パパ! ママ! 只今、帰還しました』
ゼニア姫は走りだした。家族3人で泣きながら抱き合ってる。
『ところで、その男は誰だ? 身なりからして正規兵ではないな』
『パパ、このソウという男がテオブロにとどめを刺したのよ。しかも、魔法車を手足の様に操れるの』
『そうか、それはありがとう。褒美は何がよい?』
『メンソ国王、今夜は宴を開きましょう。主役はソウとやら、お前ですよ』
『酒は飲める? 褒美は後で考えるよ』
『好きなだけ飲みなさい。それより、まずは着替えて。部屋を1つ与えるわ』
――俺はシモベの老人に案内されて宮殿外枠の部屋に連れて来られる。城、宮殿は円盤状なのだろう。広い廊下には高そうな絵画、壺やセンターストライプにカラーリングされたスポーツカーなどが並んでいた。
『この車はいくらくらいなの?』
『5000万イースでしょうね。石油で動く自動車ですから。ソウ様、間違っても運転をしないように。メンソ国王の大切な品々です』
この国のカネの単位はイースね。