邂逅Ⅶ 地図に無い村‐4
ツキナがニニに案内された宿屋の一室は非常に質素な造りだった
ベッドが一つに窓と机がある以外は何もない3メートル四方の狭い部屋だ
大半をベッドが占めているものだからなおさら狭く感じられた
ある程度の魔術的な細工がなされているらしく、傷みが目立つ木製の壁のわりには防音や防寒などに優れているらしい、しかしそれを考慮してもここに二人というのはどうなのだろうとツキナは思った
部屋の隅に荷物を置くと、ローブの中からごそごそと玉を取り出す
金色をした金属の球体だ
「うーん……、床に置くのは良くないよね、多分」
これを渡してきた獅子の事を思い出すと雑に扱うのが躊躇われた
とりあえず球体をベッドに丁寧に置いたあと、壁にある杭にローブを脱いで引っかける
ツキナはそのままベッドの脇にしゃがみ込んで球を見つめた。自分の目の流れを視るピントを感覚的に変化させながら観察してみる
「んんー。……やっぱり何もわからないなぁ」
ユウスケ達の話を聞いてみてジャガージャックの子供なのではと考えたが、改めてみてみるとこれから生命体としての流れはまったく感じない
たまに鼓動のようなものを感じた気がしたのだが、おかしいなぁと首をかしげる
もっとも自分は機族というものを見たことがないし、わからないのも仕方ないないか、と結論するとツキナは球を膝に乗せてベッドに座った。よしよしと球を優しく撫でる
「まぁあれだけ大事にされてたんだから、返すまでは大事にしないとね」
ひとしきり撫で続けた後、ツキナは荷物の中からニニに借りた本を取り出してベッドに寝転んだ
ツキナはチラリと球に視線を向ける
意味があるのかどうかまったくわからなかったが少女は話しかけてみた
「……アンタも読んでみる?」
少し待ってみるがやはり反応はない、我ながら「何をしているんだろう」とツキナは思った
そもそもこの金属の球は、こういうのも変な話だが、既に産まれた後なのだろうか?
それとも産まれる前なのだろうか?
なんとなく思ったに過ぎない疑問だったが重要な問題な気がしてツキナは思案した
これが生きているとすれば、この外見から連想するものは卵だった、つまりこれから産まれる可能性が高いということに思える
逆に既に産まれていてなんらかの理由でこうなっているなら、少なくとも意思疎通する気がないということなのではないだろうか?
可能性で言えば寝てるだけなどもあり得る気がしたがそもそも機族は寝るのだろうか?
「……やっぱりわからないことが多すぎね」
ツンツンとつついてみるがまるで反応はない
「まぁいっか」
ツキナは球を隣に引き寄せると、本を読み聞かせるようにしながら読み始めた
◆◆◆
バックと酒場で別れてしばらくした後、ユウスケは宿屋に向かった
一階は軽い飲食ができる空間になっており、奥にある階段から上が宿になっている
ユウスケが店主に手で挨拶をすると何故か渋い眼を向けられた
気にせずに階段に向かったところでユウスケはその視線の理由を理解する
ニニが二階へ上がる階段の途中に座り込み、退屈そうに壁にもたれている
ハッキリ言ってしまうと通行の邪魔だ
「よ」
「あ、兄ちゃんおせーよ」
「悪いな。そんなとこで何してんだ」
「兄ちゃんが任せるって言ったんだろ?宿に連れてって放置ってわけにもいかないじゃん」
「ああ、見張っててくれたのか、ありがとな」
そんなことまで頼んだ覚えはないんだけどな、と思いながらも駄賃がわりの金貨を渡そうとすると、いらないとばかりにニニは手を振った
「いらないのか?」
「うん」
「珍しいな」
「たまにはそういうときもあるよ」
「そうか?」
無理に押し付けることもできず、ユウスケは金貨をポケットにしまった
代わりにニニが布で包んだ荷物を渡してくる
「いつものか」
「そうだよ、採れたてだぜ~?」
「いつも悪いな。というか、無理に渡さなくても良いんだぞ」
「いーよいーよ気にしないで。好きでやってることだからね。残りは送っとくよ」
受け取らないと駄々をこねることを知っていたので、少年は素直に受け取った
受け取ったあと、ニニが意味深な表情で自分を見つめていることに気づいてユウスケは尋ねた
「どうした?」
「……兄ちゃんさ、小耳に挟んだんだけど、随分いつもとやり方が違うんだね?」
「どのことだ」
「仕事のことだよ」
「……ああ」
ツキナに対しての接し方と、案内の仕方のことか、とユウスケは判断した
お喋りなツキナのことだ、ニニもどちらかと言えば口が軽いので、二人でいろいろと話したのだろうと容易に想像がつく
真面目な顔でニニは続けた。その雰囲気は外見が感じさせるものより遥かに大人びている
「そんなやり方で大丈夫なの?」
「……何が?」
「だからさぁ、兄ちゃんだってわかってんだろ?振り回され過ぎなんじゃないの?」
「……」
ストレートな言葉に、ユウスケは言葉に詰まった
「……あぁ、そうかもな」
ここに着く前にも考えていたことだが、今回の件は反省すべき点が多いのは事実だ
確かに依頼人であるツキナが大人しく言う事を聞いてくれないのが最大の問題ではある、しかし契約に違反した以上連れて行く必要も義理もないのだ
そんなツキナを案内すると勝手に決断したのは自分自身だ
だがそう思った自分がやったことはどうだったろうかと考えるとユウスケは非常に情けなくなる
依頼人の勝手な行動を止めるどころか助長し、事情に深入りし、何度か危ない場面も招いた
客観的に見れば依頼人を殺していたと言われても返す言葉もない体たらくだ
そして極めつけと言えば、振り回されていたと思っていた行動で結果的に良かったと思われる状態になってしまっていることだ
これではどちらが案内人なのかわからなくなる
ユウスケは自嘲気味な笑みを浮かべた。その様子を見てニニは呆れたように溜息を吐いた
「わかってるみたいだからこれ以上言わないけどさ、あんまり慣れてないことしない方が良いと思うよ」
「わかってるつもりではあるんだけどな」
「つもりじゃ困るよ」
ニニは唇をとがらせて言った。その口調から純粋に心配してくれていることが感じ取れる
ユウスケは一度視線を外した後、笑顔を作ってニニに向けた
「まぁ、なんとかするさ」
「なんとかって……」
「どっちにしろここまで来てやめるつもりは無いからな」
「それはそうだろうけど……俺、心配だよ」
「こんな辺境にいる半種族に心配されるとは……俺もおしまいだな」
芝居がかった口調で少年が言うと、ニニはますます唇を尖らせた
「ああーまたそうやってバカにして、言っとくけど俺の方が年上なんだぜ?」
「それを強調したいなら俺のことを兄ちゃんって呼ぶな」
「いや、それはほら、親しみが込められてるんだよ」
「都合の良いやつだな」
とはいえ実際「たはは」とはにかむこのエルフの事を年上だと思ったことなど、ユウスケは一度もなかった
「はぁ、まぁいいや。俺仕事後回しにしてたから、戻るね」
ユウスケが頷いて見せると、ニニは身軽な動作でぴょんと立ち上がって階段を降り、数歩歩いたところで振り返った
「……」
「?どうした?」
「……そう言えは、姉ちゃんに、もしかしたら俺余計なこと言っちゃったかも。ごめん!」
「??」
「そうだったらごめん!」
ニニはそれだけ言い残すと問いただす間もなく足早に走り去った
「なんなんだアイツは……。余計な事……?」
考えながら階段を上る
しかしニニにまで心配されるとは不甲斐ない、ここ数日を振り返ってみてもうまくいってない気がするし、もっとしっかりしないとな、と思い直して、割り当てられている部屋のドアを開ける
途端にしょぼい宿屋には似合わない甘い香りがユウスケの鼻腔を突く
左側にあるベッドに目を向けると、ツキナが仰向けに寝転んでいた。白が基調の赤い刺繍が入った高価そうなキャミソールを着ている。馬車でも見たことからどうやらこれが寝間着でもあるらしい
それはまぁ良いのだが、その手に持っている本に視線が行き、ユウスケはすぐにニニの言葉の意味を理解した
逆さになっている橙色の瞳が動き、ツキナとユウスケの視線がぶつかる
「あ、お帰り、結構長かったね」
「……まぁな。そっちは風呂にでも入ったのか?」
「わかる?そうだよ、お婆ちゃんとこの貸してもらった、凄いよね、あんな便利な魔結晶もあるんだね」
ツキナが言っているのは水の浄化を行い、入浴に適した温度にすぐさま変える便利品の類の魔結晶のことだ
物によっては魔結晶自体がシャワーのようになる物もあるらしい
使用する際に簡単な魔術を使う必要があるので、ユウスケは持っていなかった
「婆はああ見えて綺麗好きだからな」
ユウスケはつかつかと歩くと壁に打ち出された杭にローブを引っかけて地べたに座った
少年が着こんでいる装備は革製の軽装のようだがそれは脱がないらしい
それじゃ寝ても疲れがとれなさそうだとツキナは思ったが、そういえばユウスケは寝ないのかと思い出す
「ねぇユウスケ」
「ん?」
「この本ユウスケが書いたんだって?」
「……、……けっこう前にな」
ツキナはベッドの上でくるりと寝返りをうつと、起き上がって言った
「魔術式って、私知らなかったんだよねー、さっき使ってみたら、超凄かったよ!」
「……、……、……お前、魔術式を知らないで魔術使ってたのか?」
「あーうん、まぁ」
「……まぁって」
独学だとは聞いていたが、そのレベルで独学だったのかと少年は頭を痛めた
てっきり本などで魔術式を読んで一人で練習していたのだと考えていたからだ
それがまさか魔術式その物を知らないで使っていたとは、どう突っ込めば良いのかわからず少年は軽く混乱してしまった。少しして我に返った少年は言った
「……相変わらずヒイヅキは常識が通じないな」
「えー、ユウスケの方が凄いと思うけど、こんな本を7歳のときに書けるなんて」
「……」
そのツキナの言葉を聞いて、ニニの奴どこまで喋ってるんだとユウスケは不安になった
ニニとユウスケの付き合いはそれなりに長い。と言っても3年にならない程度だが、ユウスケにとっては自分よりも自分を知っている人物の一人であり、ペラペラ喋られると気分がよろしくないことも多分に知っている相手だ
こうなってくるとニニに任せたのは良くなかったかもしれない
婆に遠慮したのが裏目に出たなと少年は舌打ちをする
それが自分に対しての反応だと思ったツキナは少し申し訳なさそうな表情を作った
「……やっぱり聞かない方が良かった?」
ツキナの言葉の意味を理解して、慌てて訂正を挟む
「ああ、いや、別に今のはヒイヅキにしたんじゃなくて、……そうだな、何か聞いたか?」
「まぁいろいろ、なんで机上の魔術師って呼ばれてるのかとか、それでこの本を教えて貰って」
「なるほどね」
何度かそう呼ばれていたところを見た筈なので気になったのかとユウスケは納得した
頷きながら少年は貰ったばかりのヴェグの枝に火をつける。好みに合わせて作られた特有の甘い匂いが部屋を満たす
多少の切り出しにくさを自覚しながら、内心で軽く決意すると、ユウスケは訊ねた
「記憶喪失の事は聞いたのか」
内心が伝わったのか、ツキナも少し緊張しているように答える
「ああ、うん……一応」
正確に言えばそのこと自体はニニに聞く前から知っていたのだが、それは言わなくていいかとツキナは頷いた
ユウスケはどう答えるべきか迷った
ツキナが馬車で自身の記憶喪失の話題を振ってきたときに、ユウスケは自分の記憶喪失の件を知って言ってきたのかと思った。しかし断定もできず、結局言わなかった
それは竹を割ったような性格をしているツキナへの接し方としては不誠実なように少年には思えていた
それとも彼女だから隠し事をしたような状態に負い目を感じていたのか
ユウスケがなんとなくツキナに目線を向けなおすと、凄く続きを聞きたそうにしているように見えた
彼女の性格を考えると間違いなくそうだろうとユウスケには思える
さっきニニにも釘を刺されたばかりなのにこんなことで良いのかと思いながら少年は口を開いた
「……どこまで聞いたかわからないけど、俺は今まで14回記憶喪失している。部分健忘じゃなくて全健忘だ」
「全健忘って全部忘れちゃうってことだっけ?」
「ああ、正確に言うと、本当にゼロからになるから健忘っていうより全喪失って言った方が正しい」
当然だと頷くユウスケの仕草にツキナは困惑した
「え、じゃあ日常生活で必要なこともできなくなるってこと?」
「そうだよ、出来ることが何もない、言うなれば0歳児状態まで戻る」
「……」
ツキナは言葉を失った。自分の場合は自分が誰で何を出来るかはなんとなくではあるが覚えていたからだ。記憶喪失というのはそういうものだと思っていた
だがそこまで何もできなくなるというのは、何一つ覚えていることがないというのは、なんだかまるで
「それじゃあまるで人格の死亡みたいじゃない」
「……上手いこと言うな、強ち間違ってないよ。俺は14回死んでると言っても良いんじゃないか。まぁ本来は暴走して全分解まで行ったら消滅するのが普通だから、そういう意味じゃラッキーだけど」
あっけらかんとした態度で少年は説明した。ツキナには何がラッキーなのかまるで意味がわからなかった
それなら死んだのと同じだ
「……じゃあ魔素食いと戦ったとき、そうなるかもってわかっててやってたってこと?」
「ああ、可能性はあったな。まぁでも、暴走しても全分解しないようにする方法はあるからな」
「可能性はあったなって……」
そういえば何度も少年が「自分をアテにするな」と言っていたことをツキナは思い出した
アテにしたことなどなかったが、それで言っていたのかと思い当たった
ユウスケは助けにくるときにいつもそこまで深刻な雰囲気などみせていなかった
しかし昏睡から目が覚めたユウスケが全て忘れていたらと思うと、ツキナはぞっとした
そんなことになるとはこちらは微塵も思っていないのだ。知らない間にかなり危険なことをやらせていたということになる
ミリアから記憶喪失の件を聞いたときにもっと聞いておけばよかったと今更ながら後悔の念が沸いた
もっとも、当の本人はそう思っていないようなので複雑だが
「何もヒイヅキが深刻に考える必要はないぞ」
「か、考えるわよ、だってユウスケって簡単な魔術も使えないんでしょ?危なくなったら最後には使うってことじゃない」
「まぁそうだけど、そうならないようにいろいろしてるからな」
「……馬車で襲われたときも、もしかして使うつもりだったの?」
「最悪のときはそうするつもりだったな。というか他に方法がない」
「……ゆ、ユウスケって馬鹿なの?自分がどうなるかとか考えないの?」
「お前にだけは言われたくないランキング上位のセリフだな」
後先を考えていないことについては他者の追随を許さないであろう少女に言われるのはとんでもく心外だった
そんな少年の苦い顔をまるで気にした様子もなくツキナは続けた
「はぁ、ごめんね。知らなかったとは言え」
「やめろ、調子狂うだろ」
「え、そう?私けっこう謝ってると思うんだけど」
「それはだいたいお前が本当に悪いから良い、今回は別にお前が悪いわけじゃない」
ツキナはどういう意味?とばかりに眉を寄せていたが、それは本心だった
これは全て自分が勝手に行ったことで、彼女が責任を感じることではない
「まぁそう思うなら勝手な行動は控えてくれ」
「……なんでそこまで私に付き合ってくれるの?」
「付き合ってもらってるという自覚はあるんだな」
「ま、まぁ、そこそこね」
「そういう仕事だしな」
「でもほら、普通は言う事きかなかったら終わりって言ってたじゃん」
覚えていたか、と少年は眉を寄せた。
確かに最初はどうしてこんなことしてるんだろうという思いもあったが、今は特に感じなくなっている
具体的にどこからと言われるとわからないが
「なんていうか、お前は凄いやつだと思うよ」
ツキナは思ってもいなかった言葉に目をぱちくりさせた
ユウスケはそんな彼女の表情を眺めながら思う
この少女は何か持っている気がする
ハッキリそれを自覚したのはツキナがジャガージャックを怒鳴りつけていたときだ
タイミングというか、それとも流れが見えるという目でそれが見えているのか、さっぱりわからないが
能力的に見れば相手にもならない存在である筈のツキナの言葉に、ジャガージャックは耳を傾けていた
自分もそうだ。完全にツキナの行動に釘付けになっていた
そして最終的にジャガージャックの信頼を得たわけだから、おそらく信じさせる何かをツキナから感じたのだ
魔素食いの件もそうだ、そもそもツキナがミリアを助けに行ったことによって魔素食いが発見されたわけだから、偶然とは言え何か持っているような気がする
やることなす事が全て正しい方向へ向かうような奴だとユウスケは感じ始めていた
だからこそコイツが向かいたいというのであれば王国に連れて行くべきなのだろうと強く思いはじめている
しかしそれをストレートに言うのも面白くない
だいたい間違っていたら相当恥ずかしい考え方だ
「厚かましさが凄いやつだよお前は」
「ええっ!?そ、そうかな?」
「ああ、わりとな」
「そ、そうだったのかーまぁそうかも……」と項垂れているツキナをユウスケが眺めているとドアがノックされた
立ち上がってユウスケがドアを開けると、黒い外套に身を包んだバックが立っていた
「よ」
「何しに来たんだ……」
情報をまとめた資料である紙束をゆらゆらと見せながらバックは答えた
「急ぎで持ってきてやったのに随分な挨拶だな」
「置いとけばいいだろ、ドアの隙間からとか」
「そこはほら、乳くりあってたら面白いって思ってな」
まだ酒が抜けきっていないのか下卑た顔で笑うバックを殴りつける、しかし容易に受け止められた
「そっちの嬢ちゃんが例の依頼人か」
「ひ、ヒイヅキツキナっていいます、こんばんは」
「ああ、こんばんは。俺はバックって呼ばれてる。とりあえず入って良いか?」
手が離されたのでユウスケがベッドにまで戻って腰かけると、バックも入ってくる
「なんでヤリ部屋なんだ?」
「しらん。婆が用意したのがここだったんだ。防音も兼ねてるからなじゃないか」
「ヤリ部屋?」
「ヒイヅキは知らなくて良い」
「ええっ」
冷たい対応をされてショックを受けているツキナを見てバックは笑った
同時にユウスケが睨んでいることに気付き、紙束を渡す。ユウスケは素早く目を通した
「投影地図はないのか」
投影地図とは魔術的な細工がされたリアルタイムで更新される地図のことである
「ギリギリになるが間に合うと思うぜ」
それは何よりだと思いながら読んでいると見逃せない部分があることに気付く
「……かなり軍が進んできてるんだな」
「ああ、夜通しの行軍があれば明日中には西の平野部に展開するみたいだな」
「てっきり国境沿いに布陣してやるのかと思ってたよ」
「既に一度当たったらしい。どこまで本当かしらないが、それのほとんどは帝国の敗走兵らしいぞ」
「離散組にしちゃ数が多すぎないか?」
書かれている内容には約10万の帝国兵とある
「わからん、そういう作戦なのかもしれんし、帝国兵がそもそもやる気じゃなかったのかもしれん」
「これによるとその割には国境沿いには随時援軍が出されてるらしいじゃないか」
「俺は軍略家じゃないからな、知らねーよ。帝国も抜かれないように必死なんじゃねーの?」
まぁ監視塔からの攻撃を受け続ければ平野に着くころには半数以下になっているだろうが
これを放置しているということは王国側もみすみす通らせているということか?と思うとますます腑に落ちない
対応する軍もまだ出ていないようだし
その後しばらくユウスケとバックはルートについて話し合った




