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異世界魔瞳探索記「あなたの世界は何色ですか?」~極彩色の光が見える魔眼を手に入れて、薬草採取から魔物討伐まで縦横無尽の大活躍~  作者: 一文字 心
第28巻 愚者の斧と見掛け倒しの斧

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緊急調査隊募集Ⅵ

 アイリスとソフィには何かしらの譲れないものがある。対して、勇輝たちは休日にわざわざ危険に首を突っ込むのもどうかと考える。

 どちらにも言い分はあるが、少なくとも二人は今日に関してはダンジョンに突撃する気はないようだ。


「とりあえず、明日に行ってみたい」

「私もです。皆さん、協力していただけませんか?」


 勇輝たちは顔を見合わせる。


「確か、精霊の休息日の当日以降は、家族と過ごすのが基本なんだよな? 俺と桜は良いとして、マリーは伯爵家の屋敷の人たちと過ごすとかはあるのか?」

「いいや。むしろ、使用人は交代で休みを取って、自由に過ごしてくれって方針。父さんも母さんも国境を警戒してるから、こっちに来ることはないし、あたしの予定も全空きだ! むしろ、フランの心配をした方がいいんじゃないか? 休みは明日までなんだろ?」

「私は一緒に居られるだけで楽しいので、どちらでも大丈夫ですね。一日で帰って来られれば、ですけど」


 マリーは両手を広げて何でも受け入れるとでも言いたげだ。街で遊ぶも良し、ダンジョンに潜るも良しといったところだろう。

 そうなると、ダンジョン派二名、中立派二名、様子見派二名で多数決をしたとしても、どうにもならない。


「選択肢としてはいくつかある。ダンジョンに行かない。明日行くけど、メンバーにフランが入るかどうか。明日は遊んで、明後日以降にフラン以外で行くかってところか」

「ダンジョンの位置はどこらへんだったっけ?」


 勇輝の提案にマリーがアイリスへと問いかける。

 羊皮紙の内容をしっかり見ていただけあって、その答えはすぐに帰って来た。


「徒歩三十分のところにある、洞窟型ダンジョン」

「それって、山の方の?」

「ううん。街道を進んで、逸れたところにある丘」


 以前、街の外のダンジョンに行ったことがある勇輝だったが、知っている場所とは違うものだった。


「別名を『隠し階層ダンジョン』。発見されて数百年経つけど、未だに浅い階層でも、未発見のエリアが見つかる」

「……ってことは、その分、宝箱とかも?」

「期待はできる、って言われ続けて、みんながそこに向かう。落胆して帰って来る。でも、忘れた頃に良い物が出て、人がまた集まる」


 それを聞いて勇輝は、どこのギャンブル場だ、と呆れてしまう。

 ただ、依頼で討伐しなければいけない敵や採取する素材を目的に、ついでに探すというのならば夢のある話だとも思ってしまった。

 冒険者にも様々な種類の人間がいる。生活の為に日々コツコツと金を稼ぐ者。魔物を一匹でも減らして安全な地域にしようという者。そして、一獲千金を夢見てダンジョンに潜る者。数え上げればキリがない。


「因みに、今の人気は?」

「多分、普通か。ちょっと下火。しかも精霊の休息日だから、もっと少ない」

「もしかすると、人がいなければ、その分だけ発見する確率が増えると考えたのかもしれないですね。人間の欲って、わかりやすいですよね」


 アイリスとソフィの説明に勇輝は耳を傾ける。そして、一つ確信を得たことがあった。

 人が多ければ安全、という基準もあるのだろうが、今回のダンジョンは隠し階層ダンジョンという名称がついている。それは言い換えれば、何が起こるかわからない危険度を表したものでもあるはずだ。それを考えると、ちょっとした小金稼ぎついでに掘り出し物を見つけることを目的に冒険者が集う精霊の休息日限定の聖夜のダンジョンに対して、こちらは玄人向けの一攫千金が狙えるダンジョン。集まる冒険者も自然とレベルが高い人が集まることが予想される。

 その冒険者たちに対しての、この負傷数は異常と言うべきだろう。


「魔法学園の生徒で、そのダンジョンに行く人っているの?」

「私たちの学年でも、半分より上の実力で最低四名。それなら行く人はいる。このメンバーなら、多分、行ける」


 アイリスの言葉に、勇輝は頭を掻きむしった。

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