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異世界魔瞳探索記「あなたの世界は何色ですか?」~極彩色の光が見える魔眼を手に入れて、薬草採取から魔物討伐まで縦横無尽の大活躍~  作者: 一文字 心
第27巻 撫子に染まりゆく精霊の休息日

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ホワイトアウトⅢ

 ハリーは既に宝箱から手に入れていたアイテムを床に並べると、トニーはそれを移動させながら呟く。


「まずポーション系は関係ないっすね。食べ物も同様」

「他のアイテムとなると、ランタンと銀食器、それにマフラーですか。地面に何か干渉できそうな物とかはないんですか? シャベルやツルハシとか」


 勇輝が疑問を呈すると、ハリーは肩を竦めた。


「そういった物は見かけないな。一番床を破壊できそうな物だと、武器の類になるだろう。剣やハンマー、魔法用の杖が出たことも少なくないが、はっきり言って、一年に数個出るかどうかの代物だ。去年までに出た分を誰が持っているかなんて、全部は把握できていないな」

「クリアしてほしいなら、アイテムは大量に出す。でも、誰にでもクリアしてほしくないから、ある程度まで絞るとか考えてるんですかね?」

「ダンジョンの制作者の気持ちになって考えましょうってか? 勘弁してくれ」


 ハリーは一通り並べたアイテムを見ながら愚痴をこぼす。今日の宝箱の収穫は、どう見ても使えないものばかりと言わざるを得ないラインナップだ。


「これ、破壊するタイプじゃなくて、別のギミックを考えた方がいいかもしれないっすね。ほら、兄貴。前に行ったダンジョンに、重りを乗せておくと扉が開くってやつあったじゃないっすか。多分、そういうタイプなんすよ、きっと」


 ギミックにも謎解きタイプ、破壊タイプ、感知タイプと様々な種類がある。トニーはその中でも、三つ目の感知タイプであると主張した。

 謎解きタイプならば誰もが見れるように配置をするべきなのに、その問題自体が見つかっていない。破壊タイプならば、その破壊すべき対象が見つかっていない。どちらもダンジョンを探索して、勇輝たちが感じていることだ。


「俺の魔眼の反応がある場所は、むしろ破壊耐性がある。だけど、そもそも俺みたいな魔眼を持っていることが前提なダンジョンは明らかにおかしいですね」

「んにゃ、そうとも言えないっすよ。兄ちゃんみたいな、特殊な力を持つ人間を選別したいって、神様が作ったダンジョンもないわけじゃないんだなー、これが」


 ため息をつきながらトニーは並べたアイテムをハリーへと手渡していく。少なくとも、今の手持ちのアイテムでは解決できないだろうという判断だろう。


「他の部屋の魔眼で見えた場所。乗った瞬間に何か感じたか?」

「ないっすね。他のところにあった床と硬さも同じで違和感はなかったっすから」

「後は魔法関係か。赤い光と言ったが、火魔法に反応するか? あるいはその反対の水魔法とか」


 物理的に変化がないとなると、魔法的なギミックと言う考えもできる。


「確か、スノーマンに対しては水魔法は非効率的なんですよね?」

「あぁ、あいつらは水や氷に関する魔法が効きにくい。場合によっては、こっちの放った魔法の支配権を奪って返してきやがるからな」

「火魔法ならばスノーマンを倒す時に、偶然、気が付くことがある。水魔法なら、何かしらのヒントが無いと気付きにくい。今までここを攻略した人が少ないのは、どっちが原因か。それを考えると答えは火の方があり得そうです。一応聞きますけど、クリアした人ってトニーさんレベルで魔法が使えるような人だったんですか?」


 わざわざ部屋のど真ん中で、自分を危険に陥らせるような真似をする者は少ない。無詠唱で魔法を連発できるトニーならば、「試しにやってみる」こともできなくはないだろうが、一般人には遠い世界のことだ。

 そんな中、部屋の中から爆発音が響いて来た。驚く勇輝にトニーは両手をぶらぶらさせて、部屋の入り口の壁に背を預ける。


「――――残念だけど、どっちも不正解っぽいっすね。火魔法も水魔法も特に反応はなかったっすから」


 勇輝は咄嗟に赤い光があった床を見る。ちょうど火球が撃ち込まれた後の煙が漂っており、風で周囲に散らした雪がさらに吹き飛んでいた。

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