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異世界魔瞳探索記「あなたの世界は何色ですか?」~極彩色の光が見える魔眼を手に入れて、薬草採取から魔物討伐まで縦横無尽の大活躍~  作者: 一文字 心
第27巻 撫子に染まりゆく精霊の休息日

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ホワイトアウトⅡ

 トニーは勇輝の指示で、魔眼で赤い正方形が見えていた所に行くと、風の魔法で雪を吹き飛ばし始めた。


「どうだ? なにか変なところはあるか?」

「ないっすね。岩の槍でも使えば話は変わるかもしれないんすけどね」

「ばーか。それで出るんだったら苦労は――――いや、確かギミックがある場合は、魔法による変化が起こらないんだよな? やってみる価値はあるか?」


 ハリーが顎に手を当てて、真剣に考え始める。


「――――まぁ、何とかなるだろ。規模は控えめにな」


 その言葉を合図にトニーが魔力を練り上げ、地面へと流し始める。しかし、勇輝の魔眼にはそれがいつまで経っても、地下に行き渡らないのが見えていた。

 無詠唱で魔法を放つトニーでも無理となれば、勇輝のガンドも何かしらの方法で無効化している可能性がある。ダンジョンはクリアできるように作られている反面、ルール違反して進もうとするのは許さないだろう。再生する床や壁が、それを物語っている。


「ダメっすね、これ。全然、発動する気配がないや」

「なるほど、あそこに何かあるのはやはり確定だな。しかし、どうするか……」


 ハリーの呻く声を聞きながら、勇輝は唐突に問いかけた。


「ここって、明らかに誰かが何かしらの意図をもって作り出したダンジョンですよね?」

「そうだな。これが自然にできたものだとは、誰も思わないだろうよ。急にどうした?」


 勇輝は肩越しに振り返り、ハリーへと再び、問いを投げかけた。


「例えば、ハリーさんが長い時間をかけて、このダンジョンを作ったとします。本当は第二層もあるのに、誰も辿り着けないように難しいギミックを用意する、なんてことあります?」

「まぁ、俺にそんな趣味はないが、人が必死に動き回って苦しむのが好きな奴なら、それくらいのことはするだろう」

「では、意地が悪くない。善人であれば?」

「突破するための何かを用意するな」


 そこまで口にして、ハリーは目を見開く。


「まさか、宝箱か?」

「えぇ、宝箱の中身に現状を打破するアイテムがあるかもしれません。そうすれば、必ず誰であっても実力さえあれば、ギミックを解除できるかもしれませんから」

「トニー、戻って来い!」


 すぐにハリーは縄を引っ張ると、トニーが面倒そうな顔で戻って来る。


「どうしたんすか、急に」

「トニーさん。宝箱の中に、ギミックを解除したり、部屋の鍵が入っていたりすることとかってあり得ますか?」

「まぁ、ダンジョンの種類によるとしか。ここだとそもそも遺跡風のダンジョンだから、扉が付いている場所は少ない。謎解きはあるかもしれないが、今までにそう言ったアイテムが出たというのは聞いていないな」


 少なくとも、トニーは鍵の閉まった部屋の鍵を宝箱の中から見つけ出したことがあるという。それは勇輝の仮説をより真実に近付けていた。


「今の時点で考えられる方法は二つ。一つはホワイトアウト中にギミックが解除される。もう一つは、宝箱の中の物で解決する」

「できれば後者が良いな。ホワイトアウトの最中に飛びこむのは蛮勇って言うんだ」


 命の危険が伴う以上は、ホワイトアウト中における部屋の中の捜索を避ける。その点においては、三人の考えは一緒であった。


「とりあえず、ギミックに関わりそうな種類のアイテムやカテゴリーを片っ端から言ってみて、良い案が浮かぶなら、それを取りに地上へ引き返すって言うのはどうっすか?」

「それもありかもしれませんね。結局、雪をどかしても、床に変化が無かった以上、別のアプローチをする必要があります」


 ここまで大きな負傷もなくやって来たが、やはり疲労は溜まる。特にスノーマンを交互に処理している勇輝とトニーは魔力の残りも考えなくてはいけない。部屋の外で休憩がてら、三人は腰を下ろして宝箱から出現するアイテムについて話し始めた。

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