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異世界魔瞳探索記「あなたの世界は何色ですか?」~極彩色の光が見える魔眼を手に入れて、薬草採取から魔物討伐まで縦横無尽の大活躍~  作者: 一文字 心
第27巻 撫子に染まりゆく精霊の休息日

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スノーマンⅤ

 より一層、この問題を早く解決しなければいけないと思った勇輝は、魔眼で部屋の中を覗き見る。スノーマンの数は、部屋が広いせいか多くない。離れたところにポツポツと点在している。

 雪は多めに積もっている場所もあって多少の起伏は存在するが、ある程度は見渡すことができる。

 そして、部屋の入口寄りの辺りに、またしても赤い正方形の光が輝いている。ただし、その大きさは今までの比ではなく、一辺が三メートル四方ほどあることがわかった。


「あの、ここにも赤い光が見えるんですけど、それも大きな」

「何かの罠か、それとも仕掛けか?」


 勇輝は場所を示すために、わずかな魔力でガンドを放つ。すると赤い光の近くの雪が吹き飛び、石畳が露になった。


「うーん、結構遠いっすね。ホワイトアウトが起きたら、何とか戻って来れるかどうか」

「床だけを調べるだけなら、そこまで時間はかからない。行くだけ行って見るか?」

「今日は止めた方が良いっす。やるなら、せめて命綱がないと……」

「それもそうだな。悪い、お前の言葉を疑っているわけではないが、まずは自分たちの命が最優先だ。今日は他を当たり、ここは明日以降にしたい。構わないな?」


 ハリーの問いに勇輝は頷く。


「えぇ、むしろ、俺の言葉を信じていただけていることに感謝します。では、他の所に――――」


 別の場所へ向かおうとした矢先、目の前の部屋の中から悲鳴が響き渡った。互いに視線を交わすと、どうすると言葉が出るよりも先に、トニーが部屋の中へと飛び込んで行った。


「馬鹿野郎が――――こうなったら、速攻で片付けるぞ。足に自信は?」

「任せてください!」


 答えるや否や勇輝もトニーの後を追って、中へと駆ける。身体強化に魔力を多めに回し、トニーを見失わないように追い縋った。


「――――マジか!?」


 目の前を走るトニーを見た勇輝は驚きの言葉を口にする。

 先程のスノーマンを駆逐した際と同じ二丁拳銃スタイルで左右正面、あらゆる方向のスノーマンの頭を火球で吹き飛ばしていく。だが、いくらまばらにいるとはいえ、奥に進めば進む程、スノーマンの数は多くなる。

 撃ち漏らしが発生するのを、勇輝がガンドでフォロー。氷の礫が完全に形成される前に撃破していくと、赤い正方形を越えた先――――スノーマンの残骸の影に二人の冒険者が倒れていた。


「大丈夫か!?」

「こいつが足をやられた。だけど、ここを早く抜けないとやべぇ! ここのスノーマンは何でか知らないけど、中に人がいても、すぐに出現しやがるんだ!」


 青年が真っ赤に染まった雪の中から、槍を手繰り寄せて呻いている。もう一人の青年も盾で彼を庇いながら、ポーションを必死でかけているが、なかなか血が止まらない。

 駆け付けたトニーに焦りながらも盾持ちが状況を説明する。それを聞いて、勇輝は通って来た道を振り返った。


 ――――ズボッ! ズボボッ!


 音を立てて、地面からスノーマンが生え始める。即座にガンドで迎撃しながらも、トニーへ勇輝は叫んだ。


「後方にスノーマン多数! 岩の槍で壁を!」

「任せろ!」


 右手を振り返りざまに薙ぐと、土の中級汎用魔法である岩の槍がハリーが追い付くと共に乱立する。遅れて、岩の槍の向こうで氷が砕け散る音が響いた。


「ひゅーっ! こいつぁヤバいな。ここにいたのが俺たちで良かった」

「そんなこと言ってる場合じゃないっすよ。こんな出現、今までなかったじゃないっすか。おたくら、何か知ってることは? 些細なことで良い。この部屋に入る前に何か無かったっすか?」


 トニーが自分のポーションを何も見ずに蓋を開けて、負傷者にかける。その動作と同時に、彼は盾持ちに問いかけた。


「わ、わからねえ。ただ、ホワイトアウトが止んだし、こんだけスノーマンの密度が少なければ行けるだろ、って入ったら、こんなことに――――」

「まさか、ホワイトアウト後はスノーマンの出現が普段と変化する……!?」


 特殊条件下で挙動が変わる。そのことを失念していた勇輝はもちろん、暗殺者ギルドの二人も表情を歪めた。

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