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異世界魔瞳探索記「あなたの世界は何色ですか?」~極彩色の光が見える魔眼を手に入れて、薬草採取から魔物討伐まで縦横無尽の大活躍~  作者: 一文字 心
第27巻 撫子に染まりゆく精霊の休息日

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合流Ⅱ

 他にも気になるところは、いくつか存在する。

 出身が「不明」から「日ノ本国」に変更されている点や魔法適性が「可」から「優秀」になっている点だ。

 前者に関しては、日ノ本国のギルドで弄った覚えはないが、そちらで修正された可能性は大きい。何せ、桜たちと同じような見た目で、かつ血縁者である曾祖母が城に勤めているのだから、何も言わずともわかってしまうことになる。

 逆に後者に関しては不明なことが多い。まだ魔法を習得していなかったから可という評価で、習熟度が上がった結果、優秀と判断されている。そんな予想を勇輝はしていた。


「えっと、俺も色々と驚いていることがあるんですけど……。とりあえず、コルンさんからどうぞ」


 互いに困惑の表情で羊皮紙と顔を往復する中、勇輝がコルンへと会話の主導権を渡す。


「そうですね。とりあえず、ランクに関しては触れておかなければいけません。あちらでAランク相当の実績を上げたかどうかの確認をする必要があるので、依頼履歴を紹介させていただきます」

「あぁ、大丈夫です。ただ、他言無用でお願いしますね。色々と危ない話っぽいので……」


 勇輝は苦笑いを浮かべることしかできない。

 コルンは別の羊皮紙を水晶の下へと置き換え、手を翳す。すると、水晶の色がわずかに青く変化した。勇輝の情報を書き出したように、もう一枚の羊皮紙には日ノ本国での依頼履歴がどんどん書き出されていく。


「(あれ、ギルドで受けていない内容まで書かれている気がするんだけど……もしかして、事後承諾的に後で依頼が受諾と報告をされてる?)」


 依頼をギルドで出していないが、土蜘蛛のように何かを討伐した後で、その依頼を発注と同時に達成扱いで処理する。事務的な扱いとしては可能だろうし、突発的な事象に関しては、その方が融通が利く。

 実際に、勇輝が日ノ本国で初めてギルドを訪れた時には、ランクが上がることを受付に宣言された。


「――――かなり、ご活躍をされたみたい、ですね」


 コルンの頬が珍しく引き攣っている。

 それもそうだろう。何せ冒険者ギルドの入り口に掲げている言葉。「冒険の最中に冒険をするなかれ」を忠実に守ろうとしていた人物が、それを真っ向から否定する依頼履歴を並べているのだから。


「こちら基準だとオーガの上位種や変異種。それを少数での討伐となると、当然の評価ですね」

「因みに、これを変更は――――」

「流石に日ノ本国での評価を書き換えるわけにはいかないので、Cランクにしておくことは無理ですよ」

「ですよね……」


 何か面倒ごとに巻き込まれそうなので、ランク据え置きができないかと考えていたが、きっぱりと却下されてしまった。尤も、ランクの変動があろうがなかろうが、現在進行形で面倒ごとに巻き込まれている最中であるはずなのだが。


「この爵位に関しても、それに付随するものと考えれば正当な報酬と考えられますね。それと魔法適性の方は、この短期間によくここまで能力を高められたものです」

「やっぱり、魔法の習熟度とかで判定が変化するんですか?」

「いえ、魔力の経路である架空神経の発達度合いを評価したものになります。もちろん、一定以上から上は基準にしようにもできないくらい遥か高みにありますけどね。架空神経の発達は、魔法の習熟度だけでなく、魔力消費の効率化や魔力を溜め込める量と共に発達するものです。その為、ギルドではその評価を元に、長期の依頼に耐えられるかどうかの判断にも使わせてもらっています」


 特に魔法しか使えない者が、魔力切れで失敗してしまわないようにという保険なのだろう。特に魔法学園の生徒の場合は、杖のみで依頼へ挑むこともある。そんな生徒たちの身を守る為にある表記であるのだとか。

 つまり、この欄はあくまで学生程度の基準でしかなく、魔法を専門にする職業や軍人たちからすれば、全く役に立たない項目らしい。

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