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異世界魔瞳探索記「あなたの世界は何色ですか?」~極彩色の光が見える魔眼を手に入れて、薬草採取から魔物討伐まで縦横無尽の大活躍~  作者: 一文字 心
第25巻 常盤緑、白雪に消ゆ

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1944/2383

彭侯狩りⅠ

 彭侯が逃げた樹木の周りに張り巡らされた結界は、相当な数になった。

 各樹木の保護に百近くのお札を使い、さらに詠唱をせずにゆっくりと確実に作り上げた立方体の結界に囲まれる。立方体の外に、また別の立方体が展開され、その数は五つも存在していた。


「各樹木の担当に半数、この空間内から逃げないように半数の巫女見習いが分担して動いています。私は、緊急時に対応するために待機ですが」


 光子がぼやくと桜が彼女の目の前に浮き上がって両手を広げた。


「仕方ないよ。みっちゃんの力量があれば、切り札にしておきたいもの」

「切り札ね……。私は彼の方がよほど切り札に見えるわよ」


 光子は軽く息を吐いて、勇輝の方へと視線を向けた。

 彼女自身も勇輝と共に妖に変じそうになっていた一人の女性を捕えるために、共同戦線を張っていたことがある。結界を張る防御的な能力よりも剣術やガンドといった攻撃的な能力の方が決め手になるのは、誰にでもわかることだ。


「閉じ込めるまでは出来ても、そこからの決定打が結界にはない。その点、彼は手段がいくつもありそう。さっちゃんもそう思うでしょう?」

「うーん。物は使いようって言うし、結界も頑張れば攻撃に使えるんじゃないかな? ほら、みっちゃんの結界は弱い魔物なら触れただけで消し飛んじゃうから」

「自分から結界に触れるような魔物なら苦労はしないから……」


 桜の提案に光子は手を膝に着き、首を横に振った。

 巫女の役目は結界を張る拠点防衛が基本。それを今回わざわざ現地に派遣しているのは、新しい戦術方法の模索であるという話もあったが、そう簡単に戦術が産まれるはずもない。


「でも、勇輝さんは、常に結界を張って移動してるけど……」

「――――それ、本当に規格外よ。僧も陰陽師も簡易的な結界はお守りみたいな魔道具で張り続けられるけど、あれだけ強力なものになると相当な技術が必要。一体どうやってるのか、今でも気になるわ」

「あれ、ファンメル王国の契約の羊皮紙に、何か書いたら出来るようになったみたいだよ? あっちの国の教授も驚いてたけど。教授にならないかって言われてたくらいだし」


 そこまで話した桜は、目が点になってる光子に気が付いたようだった。

 反応がないことに戸惑い、顔の正面に高度を合わせて両手を振るが反応がない。距離を一度とって、首を傾げていると、光子が少し震えていることに気付いた。


「え? 王都にある魔法学院の教授職ってことは、巫女で言うと有力な神社の総本山でまとめ役するくらい? ただでさえ、戦闘技術があるのに結界でもその水準? どんだけ能力高いの?」


 光子が自分の世界に入ってしまい、ずっとぶつぶつ呟いていると、勇輝とフェイが話しながらやって来た。


「二人とも、とりあえず巫女さんたちの準備が終わるまで待機だって。何か、手伝えることがあったら――――」

「ちょっと、よろしいですか?」

「うぇっ!?」


 勇輝は急に接近して下から覗き込まれてしまい、思わず仰け反ってしまう。そんな驚くべき速度で近づいた光子の目は真剣そのものであった。


「前々から気になっていましたけど、あなたの結界。相当な強度で、ずっとあなたの周りに展開されてますけど、どうやって、やっているんですか?」

「どうやって、って言われても……」


 事情を知っている桜に視線を向けるが、彼女は両手を合わせて申し訳なさそうに上下するだけ。勇輝の周囲に展開されている黄金結界を、何かしらの形で話したことだけは理解できた。

 黄金結界の内容に関しては話すことはできずとも、どうして展開されるようになったかの経緯くらいは教えてもいいだろうと考える。勇輝は正直に契約の羊皮紙に書き込んだことと契約の女神がそれを喜んでいたことを伝えてみることにした。

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