君の一番近くに
「好きな人できると、何か自然と好きな子の近くに行きたくなるよね。」
幼馴染の君に言われて、少し首を傾げる。
「ん~・・・そう?」
「僕はそうだな。」
何で急に、こんな話をしてくるのだろう。
君にも、好きな人ができたの?
何も言う事が出来ず、聞きたいはずの事とは違うことを口にする。
「へぇ~・・・じゃあ、行ってこれば?」
「え、良いの!?」
なんだ。 そんなにあっさり行っちゃうんだ・・・
「・・・・・うん。」
「やった!」
そう言ったのに君は動かないし、とくに言うことも無く沈黙がおりて、何かわからない不安を誤魔化す為に手元にあったシャ-ペンを手に取る。
変わらず君は、なかなか動こうとしない。
「・・・どうしたの? 好きな子のところ、行かないの?」
そう聞くと、君は少し笑って、
「・・・だってもう、ここに居るから。」
って。
「え・・・」
「君が、僕の好きな子だから。」
ほんとに・・・
「・・・バカ。」
私も君が好きだよ。