マニたんが好き過ぎて夜も眠れない。
パニマ神サイドの思い出はー。
です。
「お久しぶり〜、パニマたん。
元気だった?
あっそうそう、うちから分けた魂達、少しは役に立ってる?」
「お久しぶり〜、僕は元気だったよ。
うん、うちの世界はまだ新しいからさぁ。
僕の作った魂だけだとまだまだ足らないからさ、助かってるよ。」
日本と言う国の出雲に有る年に一度の神様会議に、創造神になってから参加するようになった僕は、仲良くなった他の世界の神々と交流して居る。
基本はドンチャンするパーティみたいな集まりだけど。
僕のような新人は、先輩神様からの世界の育成裏技とか。
失敗談とか、色々聞いたり。
自身の神力だけで賄えない新たな魂や生物の余剰を、ちょっとずつ分けてもらったりするので忙しい。
何せ800万は居る神々だ。
ちょっとずつでもたいした量になるんだよ。
だがしかし、酔っぱらいとして出来上がっちゃうと、意思疎通が難しい。
なので、短期決戦である。
うん、胃が痛くなりそうだよ。
でも異世界ファーブラの為に、僕は頑張らないとね。
お礼は新しい異世界の特産物位だが。
たいしたものじゃなくで、初期アイテムとしてのレア度があるとかで。
風景映像とかとセットで渡すと喜ばれる。
生真面目な神なら、足らない点や良い部分を教えてくれるので助かって居る。
そんな中、日本のゲームや漫画文化を教えられる。
この日本の人達は、 神の存在も異世界も魔法も、創造で柔軟に考えるのだそうだ。
魔法とか無い世界なのにな。
太古の時代には有ったらしいが。
魔法を司る古代神が滅んて。
魔法文化が消滅したんだとか。
だから、魔法を知らないはずなのに、魂が知って居て。
使える事に焦がれるのかもしれない。
ある程度やり取りすると、後はパーティの時間だが。
僕はそれ程飲めないから、暇になる。
「どーしようかなぁ?」
小さく呟くと、近くに居た地球の若い神が声を掛けてきた。
「暇になったのかい?」
「あ、うん。僕飲めるんだけど、余りお酒は嗜まない方だから。
ご馳走食べるのもお腹いっぱいだし。知り合いもまだ少ないからね。
どう時間潰したものかと思ってさ。」
ああ、と納得した様子で若い神が頷く。
「なら、日本観光して見る?
他の国まで行くと時間掛かるけど。
日本の中なら会議中にもどって来れると思うよ?
まあ、そういうプランは無いけれど。
観光目当てで出る連中も居るんだ。
どうする?
行くなら案内するよ?」
「面白そう!行く行く!」
そして僕は彼の案内で、異世界の日本に降り立った。
毎年それは続けられたんだ。
僕はその人とすっかり仲良しになった。
彼は僕よりかなり若いのに、とても強い神力の持ち主でとても面倒見が良く。
僕の仮の人間の身体を用意してくれた。
毎年行く場所は変えて貰ったけれど、何処も物珍しくて楽しかった。
そんなある日、彼が人だった頃の故郷に連れて行ってもらったんだ。
そこは、少し時空が可笑しな場所で。
そうなったのも、彼が受肉したためだったそうだ。
ふと、気配を感じて振り返る。
夕日に照らされた公園で、ブランコに乗る幼子を見つけた。
夕日に照らされた綺麗な横顔の、何処にでも居そうな可愛い女の子だった。
だが僕は、それどころじゃ無かったんだ。
器は確かに普通なんだ。
なのに、その魂が、とても綺麗で魅力的な。
例えるなら、星の銀河をその身に宿したような清廉で輝きに満ちた魂だった。
見惚れた僕は、そこから動けなくなった。
それに気付いて、一緒に居た彼は慌てた。
パニマが異世界の人に恋した。
問題は、彼が魔法の有る世界の者だったと言うことだ。
それから、彼は忠告してくれたのに。
僕は諦められず。
毎年彼女の側で会議期間は過ごしてしまったんだ。
彼女にとって、僕はじわじわと焼き焦がす猛毒な存在だって知って居たのに。
そして彼女が死んでしまった。
僕は慌てて日本の最高神に謝罪し、転生神に交渉した。
何度も頼み込んで、渋々彼女を渡してもらった。
舞い上がった僕は、バカな事に魂の彼女を半神にして、僕の妻に置く事を思い付かなかったんだ。
僕の近くで、ただ幸せになって欲しくて。
彼女の転生を見守る事にしたんだ。
まあ、色々しくじって酷い目に有った彼女と、あの馴れ馴れしい爬虫類を、どうしてもほおって置けなくなって。
僕は受肉して今マニの側に居る。
因みにあのクソ勇者は、本来龍子の運命の相手だ。
なので、龍子が死んでしまったから、1番のライバルが消えたはずだったのに。
なんでここに居るんだよ!
地球のお友達に聞いたら、目を逸らて。
「その男は、こちらの古い前世からの上位戦女神の加護があるとかで、勇者召喚に呼ばれたらしいよ。
確かゲーム色々参考にしたから。
魔王と勇者の闘い、ファンタジーベースな国とかも有るって前言ってたろ?
多分そこに召喚されたっポイぜ。」
がくりと膝を突く。
あぅ、上位な運命の戦女神加護とか、マジ勝てる気がしない。
ああでも。
僕の気持ちは変わらない。
愛してる気持ちは負ける気がしない。
先手必勝、少し奥手なマニ相手だから遠慮し過ぎて居たかもしれない。
構うものか。
「まあその、なんだ。
マニに嫌われないようにな?」
親友の飽きれた呟きは、パニマの耳に届きそうになかった。
「ふぎゃ⁉なんで?
セクハラ激しくなったんですけど?
やぁぁぁ!こっちくんな!
パニマもゼファーも大嫌い!」
結果、ドン引きされ、軽蔑されるまで過ぎたセクハラは続く。
回想は死亡フラグ。
ある意味ストーキングして、異世界と言う部屋に監禁誘拐に近いのですが。
パニマは神様なので、その辺り直情型ハデスさんに近いかも?
あれもくっついたからロマンスだけど。
幼女誘拐監禁だしな。
それでは又