炎極姫とかどこかのギャルゲーみたいな二つ名はやめて欲しい
パワーズのダンジョンは四つ配置されている。
南
初心者向けの朱雀の炎塔。
北
中級者向けの玄武の岩洞窟。
東
上級者向けの青龍の湖底窟。
西
玄人向けの白虎の密林塔。
と前世で言う四神とか四獣まんまだった。
うん、砂漠ネタどこ行った。
それぞれの入り口前は冒険者パーティーの待ち合わせや食事トイレ休憩出来るキャンプ村と屋台を合わせたような広場になっており。
地図屋やアイテム屋やダンジョン戦利品買取店、即席臨時仲間募集なんかもギルド以外だとここでする人達で溢れている。
もっとも、ギルドと違いぼったくられる可能性も高そうだ。
まぁその辺りは、観光地のドリンクや食べ物が妙に割高になるのと同じなのだろう。
無論、ガラの悪いのも混じっているが。
暗黙のルールが有るらしく、タチの悪い者やしつこい者は、ギルド警備の屈強なオジさま方にドナドナされる。
多分ギルド警備のオジさま方は、ダンジョンを攻略する冒険者と違い。
どちらかというと、定職に就いた上級冒険者か警察的自衛団的な組織なのだろう。
治安の悪そうな酒場や、裏通りのスラムや娼館周りにも巡回しているのをチラッと見かけた。
パワーズの周辺砂漠も多分巡回してそうだ。
流石に結界を破壊するレベルの魔物のスタンピードは滅多に出現しないだろうが、数ヶ月おきに発生する砂嵐や突然の豪雨などの方が脅威だったりする。
私とライラちゃんの2人パーティーで、初心者向けダンジョン・朱雀の炎塔へと入るのだった。
「いやぁ、ソロの予定だったから助かったよライラちゃん。」
「行き当たりばったりですと、初心者向けでも3階位までしかソロは厳しいですよ?」
「まぁストレス発散したかっただけだから、全制覇!とかまでは考えてなかったのよ、テヘヘ。」
呑気な会話であるが、神の加護持ちの2人のレベルで初心者向けは楽勝過ぎるのだとまだ気付いてなかったりする。
実際気付いたら各階層ボスを、先程からサクサク瞬殺。
初心者向けなので、ボスが居ないと思いこんでいた。
ボスは居ましたよ。
だいたいマップの色違い系上位が配置されてます。
ボスフロアが閉じ込められる中級者向けの以上と違い、マップ最奥に大概いるから複数湧くと判別しずらかったりするのも分からなかった原因かも知れない。
ギルドに踏破した階層の報告義務も特に無いし、他のパーティーメンバーも増やさなかったので、ますます初心者ダンジョンの常識を知らぬまま入り浸り。
後に、朱雀姫とか炎極姫とか言う二つ名をコッソリ付けられて、後で悶絶してしまうのだった。
「よーし!次行ってみよう〜!」
「お〜!」
ヒント:ク○ゲーオブ○イヤー




