そこにダンジョンがあるのなら、踏破するのか異世界転生だよね?
遠き山…いや砂山と谷の海を空から眺める。
風が凪いでいれば日差しに、砂つぶがキラキラ反射し、風の通った後は同じ形にならない紋様を浮かべる。
水面とは違った風情だ。
だがひとたび太陽の光を浴びれば、大地に緑が無い分地熱が下がらず、素肌は火膨れを起こし、最悪死ぬだろう。
日が沈めば逆に氷点下になり凍える。
モニター越し、冷暖房の効いた部屋の窓ガラス越しであれは見とれる幻想的な景色も、その場に居たら過酷さしか無い。
それでもーーーーーーっ!
とその地に生きる者達は居た。
オアシス周りと魔法を知恵を絞って活用し、何とか生きている。
ダンジョン地下都市バワーズ。
そこは、オアシスを起点に。
古代のシーク達が寄り集まり、土魔法とダンジョンクリエイト能力者とで工夫を凝らし、火魔法で温度を調節し、水魔法と木魔法で森を作りオアシスと地下都市を囲み、大都市を作った。
天蓋から差し込む光は、魔法で抑えられ。
幾重にも重なった木々がそよぐ。
とても古い時代に、多分加護持ちたちが紛れ込んで協力したのかもしれない。
魔法は循環システムだとかで、この都市は攻撃さえ受けなければ、朽ちることの無い住みやすく頑丈な都市だった。
それ故、どんなに戦が起ころうとも。
このバワーズは戦争不可侵領域として存在し、さらに初心者冒険者用の管理されたダンジョンも存在していた。
しかし、太古。
この周辺は大戦が有ったとかで、歴史書こそ残っていないが、砂漠になった原因もその大戦だと口伝などで言われている。
マニは空から砂漠を眺めながら、ぼんやりとこの地域の知識を思い出していた。
いや、正確に言うと。
砂漠の黒薔薇シークシリーズと呼ばれる大人の女性向けロマンス小説の設定を思い出していた。
そう、パニマ様はこの世界に、ゲーム・アニメ・漫画・時代劇・小説・アプリ…などというオタク文化をぱく…取り込んでいた。
ぶっちゃけ国が違えば文化も変わるからイイよね?
って言う荒技で、色んな時代の細い国々のサンプルが可笑しい。
どんなけハマったんだ?
てか、日本の神様少しは怒ってもイイと思うの。
オリジナリティよりも、元日本人からすると、あれ?それ何かどっかできいたような…。
となる。
この地域の元ネタをなぞれば、イケメンシークをオアシス近辺で拝めるかもだが。
マニはと言えば、
「やっぱダンジョン踏破したいよね。
それに初心者向けだし、楽しめるかな?
ふふっ。」
イケメンの事はスルーである。
相当ダンジョンでストレス発散したい模様。
人目に付かないよう、オアシスから少し離れたところに着陸。
ノンビリとオアシスの方へと向かった。




