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3-8

医療の現場では、やけどのことを熱傷という。



目を閉じ、学んだことを頭の中で思い描く。


熱傷は、熱、放射線、化学物質、電気が原因による皮膚の損傷。

ちなみに熱傷の損傷には、高温による傷害だけでなく、低温による凍傷もある。


今回の怪我は、高温による熱傷だよね。


熱傷の程度は、傷害の皮膚組織の深さで決まる。

 ・Ⅰ度熱傷:外見は紅斑(皮膚が赤くなる)を認め、損傷範囲は表皮までの深さ。

       症状としては、ヒリヒリとした痛みや熱感を伴う感覚かな。



・浅達性Ⅱ度熱傷:紅斑とともに水疱(水ぶくれ)が認められ、損傷範囲は真皮の浅層まで。

         症状としては、強い疼痛、灼熱感、知覚過敏を伴う。


フィナさんの熱傷は、この「浅達性Ⅱ度熱傷」に当てはまりそうだよね。




ちなみに熱傷の程度は、他にも2種類あり


・深達性Ⅱ度熱傷:水疱(水ぶくれ)やびらんが認められ、損傷範囲は真皮の浅層まで。

         症状としては、強い疼痛、灼熱感、知覚過敏を伴う。


・Ⅲ度熱傷:湿潤で黒や白っぽくなり、損傷範囲は皮下組織にまで及ぶ。

         症状としては、神経終末の損傷により痛みは鈍くなる。




熱傷のケアで習ったのは、

軽症では、局所治療や感染管理を行う。


中等症から重症では、局所管理だけじゃない。

熱傷により皮膚組織が損傷されるため、皮膚の保護機能が低下することで、細菌が体内に入りやすくなり、感染を起こす危険が高くなる。

また、体液の漏出により不感蒸泄(意識しないうちに皮膚から失われる水分)が増えることで、体の水分が急速に失われ、脱水状態になりやすくなる。

そのため、輸液療法や感染管理といった全身状態の管理が必要となるんだよね。


だから、中等症以上となると、私の想像力が追い付かなさそうだから魔法での対応は難しいだろ。。


——軽症は、以前と同じく擦過傷と同じ治癒過程のイメージで治せるだろう。

特に水疱は、表皮に水分がたまり水ぶくれになっているものなので、その水分を吸収されるイメージ。



よし!!このイメージなら魔法で治せるかも!



私は深く息を吸い込み、フィナさんに近づき、彼女の横に座り、腕の熱傷箇所を確認した。

そして、彼女の熱傷箇所に両手を当てて、そこに意識を集中させ、頭の中で治癒過程のイメージを行った。



参考引用:医学書院「病態生理学」「臨床看護総論 」より

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