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2-3

自室にて、私は父の症状を思い返し、頭の中でアセスメントを始めた。


赤く腫れた足の親指の関節。発症は急で、外傷歴はなし——。

(これって……関節炎の一種だよね)


考えられる一般的な病気をひとつずつ考えていく。

ケガや骨折の可能性はない。あとで、考えられるのは、リウマチ、痛風。


レントゲンや採血による検査を行うと確定診断ができるんだけど、、この世界ではできないよね。今ある情報から推測するしかないんだけど。。。心当たりはある。


それは痛風だ。風が吹いても痛いということで、「痛風」と呼ばれており、「高尿酸血症」とも言う。

現代の医学なら、採血で尿酸値を測って確定診断するところだけど、この世界にはそんな検査はない。

今ある情報から推測するしかないけど、どう考えても症状が一致している。


しかも、原因にも心当たりがある。この家で生活して感じた食生活だ。

肉類や魚介類を中心とした、俗にいう洋食のような食事が中心。しかも、父や兄たちは、ビールなどのお酒を嗜んでいる。



痛風のメカニズムを思い出してみた。

肉類や魚介類、ビールに含まれるプリン体がある。このプリン体は分解され、尿酸となり本来であれば排出される。しかし、血液中に尿酸の濃度が高くなると「高尿酸血症」となる。この状態が続くと、関節に尿酸の決勝がたまるようになる。これを排除しようと生体防御反応が起こることで痛み——それが痛風発作の正体だ。


ちなみに、痛風は中年男性に発症しやすく、痛風でよく見られる症状の場所、今回父に見られた足親指の関節でもあるともいわれている。

この病気は、いったん治っても再発しやすい。


(私の魔法なら、結晶を消すように働かせることも……できるかも。でも……)

魔法で症状を一時的に和らげることはできても、根本の原因は食生活と代謝の問題にあるんだよね。


オレムとの約束が脳裏をよぎる。

「勝手に魔力を使わないこと。」


……やっぱり、今は動けない。けれど、放ってもおけないんだよね。できる範囲で、何かできるかなぁ。

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