夏の甲子園予選決勝、君たちの顔は大人に見える
※ 高校野球の予選決勝見て、胸が熱くなって一気に書きました。
※ 2025/6/21 勢い任せで書いたので少し修正しました。
(~_~;)
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今夏はパリオリンピックが開催しました。
バレーボール、バスケット、サッカー、体操、柔道、水泳等、スケートボードなど目移りするくらい。
この夏はスポーツ観戦好きな自分には、楽しみが増えました。
夏は競馬のG1がないので少々残念だけど。
オリンピックと高校野球で楽しみ、秋まで待ちましょう。
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先週から、甲子園の各地方予選のテレビ中継を見てる。
予選の決勝戦は感動しかない。
あと一歩で甲子園に届かなかった選手たち。
5年ぶり念願の甲子園切符を手にする選手たち。
サイレンが鳴り響き、戦った選手達同士で握手をする。
勝った高校は校歌を斉唱できる。
校歌斉唱は選手たちにとって大いなる栄誉の歌。
敗者は校歌を歌えない。
選手一同横並びになって歌う。
その歌う選手一人一人の表情がとても良い。
まだ十代なのに大人のような表情してる子もいる。
彼等は幼い頃から野球一筋の道は往く。
野球を通して、忍耐、訓練、我慢、上下関係と社会に出ると嫌でも分かる、大人への階段を確実に上るレールが待っている。
こんな現代に生きる若い少年たちが、昔ながらの世界に挑む。
そして甲子園を目指して、地獄の練習をして勝ち取った栄光。
先輩後輩の上下関係の中で耐えながら、仲間との熾烈なレギュラー争いも勝ち取って下剋上のサバイバル。
レギュラーになれば、監督に怒鳴られながら、打撃や守備練習を泥だらけになって夜遅くまで練習をする。
キャプテンに選ばれれば、特に強豪校になればなるほど、責任とプレッシャーもあるだろう。
チームの想いを背負って背負って1つの白球を追いかける。
いろんな葛藤や、しがらみや、いろんな理不尽の中でも目の前の白球を追いかける。
ひたむきに追いかける、そんな君たちの汗は余りにも尊い。
たった2年半の人生の中でも一番凝縮した時期。
まさに野球だけに遮二無二に生きた青春。
そこまで必死に野球に生きれば、18歳以下の少年が大人の顔にならざる負えない。
校歌斉唱は何度歌ってもいい。
歌いながら泣いてる子、笑っている子、試合でやりきってぼぉとしてる子もいる。
校歌斉唱が終わると、全力疾走でアルプススタンドの応援席に懸命に走る選手たち。
だらけた走りをする選手はいない。
応援してる人達にお辞儀をし「勝ったぞ!」と、ガッツポーズをして、応援団たちと全員で喜びあう。
炎天下の中、応援してくれた人々の笑顔、
ベンチ入りできない野球部員、
学校の生徒たち、学校関係者、家族や友人等、多くの応援してくれた人々に、ガッツポーズする子もいる。
チアや応援団も泣いてる。バンザイ、拍手する。
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何だか毎年毎夏、高校野球は、同じシチュエーション。
なのに、何度見ても感動するのはなぜだろう?
敗れた選手たちにも熱きドラマが見える。
負けて倒れ込んで泣きじゃくる子。
仲間が肩を掴んで歩けない子を支える。
ついつい見ているこちらも、もらい泣きする。
特に3年生には、最後の夏が終わるから。
下級生たちは先輩に詫びて、三年生は次の甲子園へと下級生に思いを託す。
だが、1人になった時、彼等はどんな思いで負けを心に飲み込むのか?
◇
月並みだけどスポーツって必死に戦うから感動する。
負けた悔しさ、後悔、苦しみ、エラー。
負ければ、その時は心が潰れる、
悔しさは、泣いて泣いて吐き出すしかない。
日頃、人はあまり内面をストレートにだせない。
特に日本人は、自我を人前でさらけ出すのは、美徳に反すると言われやすい。
調和を大切にする日本社会。
だからなのか、スポーツは見ててカタルシスがある。
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高校野球の予選の話に戻るが、決勝で勝つ負けるのは「天国と地獄」みたいなもの。
あと一歩届かない、あと一歩がとてつもなく遠い。
夏はトーナメントだから、一瞬も気が抜けない。
戦う敵は相手校だけではない、この灼熱のうだるような暑さだ。
足がつり、けいれんし、熱中症で倒れる子もいる。
なぜそこまで君たちは戦うのか?
仲間がいるから? 野球が好きだから?
若い高校球児たちにとって、もしかしたら人生の最高のピークが「甲子園を目指して戦ったあの時」と言う人も中にはいるだろう。
見果てぬ夢の甲子園。
たとえ甲子園に出ても全国の壁にぶち当たり、跳ね返される。
初戦で負けたら、あっと言う間に夏が終わる。
頂点に立つのはたった1校だけだ。
甲子園で負けると砂を持って帰る選手が多い。
甲子園の砂とはいえただの砂だ。
でも彼らの目には聖地の砂。
必死に泣きながら、真っ黒の泥だらけのユニフォームとボロボロの豆だらけの手で瓶に詰める。
勝ち続ければ投手の肩はボロボロになっていく。
それでも渾身の一球を投げるんだ、チームのために、自分のために、応援してくれるすべてのひとのために。
MLBにはない世界。
米国人にはけっして理解できない世界だろう。
「野球は筋書きのないドラマ」と、名言残した人は凄い。
高校野球は、心にグッとくる名シーンばかりだ。
この炎天下の中、真っ黒になって打って、走って、守って、投げる。
現代の夏の猛暑でも炎天下で戦う高校野球。
端から見れば自殺行為のような夏の甲子園。
9回裏ツーアウトランナーなし。
最後の走者は、打った球はボテボテゴロでも、一塁ベースにスライディングする。
走り抜けてもスライディングでも変わらない、と言われている。
たとえそれが分かっていても、彼等はスライディングするんだ。
0.1秒でも早く一塁ベース突けばセーフになれば、まだ試合は続くのだから。
自分のせいで夏を終わらせたくないから……
甲子園に行ける高校はいい。
インタビューで、
「一試合でも長く3年生と一緒に試合がしたい!」
「生徒たちのおかげで勝てた」という監督。
言葉にしたらもう、きりが無い。
君たちの汗と涙と泥だらけの顔が私は大好きだ。
何十年以上、高校野球を見てるけど甲子園は何時までも、どんなに時代が変わっても、高校野球だけは変わらない世界でいてほしい。