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八話

 師匠とはもうかれこれ4年の付き合いになるのに

 学校の先生だったなんて知らなかった

 どうも私はアリア・リュゼクリスです。


「はい皆さん!席に着きましたわね!」


「まずは先生の自己紹介から私の名前はソフィア・メリルローズといいます!」


「主に魔術を教えることになるわ」


「皆さんよろしくね!」


「そして、今からあなたのクラスを受け持つことになったので、

 私のことはソフィア先生と呼びなさい!」


「はい!分かりました!ソフィア先生」


「よろしい!では、まず順番に自己紹介をしてもらいます」


「……」


「あなた王子だからって調子乗らないこと!

 あなたが一番最初よ!わかったら返事しなさい!はい!1、2、3……」


「ラムサス・レイフォン…魔導帝国からここに通えと命令されて嫌々来ました」


「はい!よくできました。次はあなたよ」


「えっと、私はフィーネと言います。平民の出なのですが、

 魔力を多くもっているとのことでこちらへ通うことになりました。

 貴族の方々と仲良くできたらいいなと思っています。

 どうぞよろしくお願いします」


「次」


「私の名前はライラ・トルネティア 

 この国の第二王女をやっているわ。

 皆さんと一緒に勉強出来ることをうれしく思うわ」


「はい!ありがとうございました。次」


「僕は、カインと申します。

 公爵家の三男ですが、魔術と剣術が得意です。

 これからよろしくお願いいたします」


 こうしてクラスのみんなが自己紹介したのだが……

 あれ?一人足りないような気がするんだけど……

 気のせいかな? まあいいか!


「はい!それじゃあ最後にアリア・リュゼクリス」


「はい!私はアリア・リュゼクリスと申します!

 趣味は可愛い女の子を見ることと、

 可愛い女の子を眺めることです。皆さん仲良くして下さいね」

 私は笑顔で言う。もちろんキラキラは放っている。


「はい、良く出来ました。今日は初日ということで、学園の施設を案内するわ」


「はーい」

 私達Aクラスの生徒は、学園内の様々な場所を回りながら説明を受けていた。

 そして、最後の場所は食堂だった。


「ここが食堂よ」

 そこはまるで高級レストランのような内装をしていた。

 白い大理石でできたテーブルと椅子が並んでいて、とても清潔感があった。

 それにしても広い。


 こんなにたくさんの人がここでご飯を食べるのかと思うと少し驚いた。


「ここでは、自分で好きなメニューを選んで注文することができるのよ」


 さてそれでは教室へ戻りましょうかと言われて私達は教室へ戻ることにした。

 教室に戻ると、ソフィア先生が言った。


「はい、今日の授業はこれで終わりです。明日からの授業に備えておくように!」

 そう言うと、ソフィア先生は帰っていった。


 帰りの支度をしているときに、ライラ様に声をかけられた。

「アリア、一緒に帰りませんか?」


「いいですよ」

 私達は二人並んで歩く。


「ねえ、アリア、あなた魔法は得意なのかしら?」


「はい、とても。魔法は大好きです。魔法を使うのはとても楽しいので」


「そうなのね。私も魔法は好きよ。いつか私も光の魔法を使ってみたいわ」


「ライラ様ならきっと使えるようになりますよ」


「本当かしら?でももし私が光の魔法使いになれたら、

 あなたに最初のキラキラを見せてあげるわ」


「ありがとうございます」


「ふふん、楽しみにしててね」


「はい、期待しています」


「それじゃあまた明日会いましょう」


「さようなら」


 ライラ様は別れを告げた後馬車に乗って帰って行った。

「さて、私も帰るとしましょうか」


 私も馬車へ乗ろうとしたとき、後ろから声をかけられた。

「弟子よ!待ってくれ私も乗せてくれ!」

 そこにはソフィアさんががいた。


「あ、師匠」


「ん?なにその反応?なんか冷たいわね。まあいいわ。

 それより今から帰るところよね?私も一緒に乗せてくれ!」


「ええ、別に構いませんけど」


「ありがとね」

 こうしてソフィアさんメリッサそして私の3人で屋敷へ帰ることになった。


「そういえばソフィアさんが学園の先生だなんて知りませんでした」


「そうなのよ!なんでこの私が学園で先生なんかしないといけないのよ!」


「これすべてあの死王子だか、

 アホ王子だか魔導帝国の第一王子のせいなんだから!」


「あいつのせいで私の魔法の研究は滞ってるし、

 親から無理やりあの王子の世話を頼まれるし、最悪よ!まったくもう」


「ラムサス王子といえばなんだかすごい魔法を

 使っていましたけど師匠あれは何か知っていますか?」


 頭を抱えて歯軋りしているソフィアさんが

 ピタリと動きを止めて真剣な顔でこちらを見た。


「あれは魔法なんかじゃありません!彼の魔力です」


「魔力…ですか?」


「そうです、彼の魔力は闇の力を持っているのです」

 闇の力…なんかすごいカッコイイじゃないかあの王子。


「以前魔法について話した通り魔法は人に干渉できません。

 しかし、彼は自分の中の闇の魔力よって他人に干渉したのです」

 魔法じゃなくて魔力だったのか

 虫よけ魔法シュッシュは断念しなければならないな…


「実を言いますと、彼は闇の魔力を制御できないんです。

 今朝みたいに不機嫌になると無意識に魔力が恐怖をばら撒いて

 人を遠ざけるから魔導帝国で学園生活を送ると

 他の貴族と人間関係がうまくいかなくなって

 将来に影響があると考えられたんです」


「だからこの国に送られてきたと?」


「そういうことです。

 この国とは比較的友好的な関係を築いていますので」


「なるほど……ちなみに、師匠はどうやって

 この国の魔法学校に入学できたのですか?」


「私は特別に入学を許可されました」


「やっぱり師匠は凄いですね

 魔法の先生だと思っていたのに

 魔術の先生でもあったなんてびっくりしました」


 そういうとソフィアさんの動きがピタっととまった

「あぁぁぁああああああああああああぁああああああああああああ!」

 突然頭を抱えてソフィアさんが叫ぶ


「うるさいです」

 そういうとメリッサがソフィアさんを見事に気絶させる。


「うぅ……」

 ソフィアさんはうめき声をあげていた。


「はい、静かになりました」


「いや、やりすぎじゃない!?」


「いえ、問題ありません」


「そ、そうかな」


「それで学園はどうでしたかお嬢様?」


「うん!楽しかったよ」


「それはよかったです」


「特に食堂とか凄かったよ!あんなに広くて、綺麗で、豪華で、

 それに美味しい料理がたくさんあったんだよ!」


「そんなにはしゃいで、子供ですかお嬢様」


「だって仕方ないじゃん食は人生の楽しみの一つだよ」


「確かにそうかもしれませんが、はしたないのでやめてください」


「はーい」

 こうして3人は帰途につくのだった。






 コツンコツンと大理石でできた床を一歩ずつ踏みしめながら歩く。

 廊下は静寂に包まれている。

 まるで誰もいないかのような錯覚に陥る。

 だが、もちろん人がいる。

 使用人達が忙しく働いている。

 彼らは皆一様に同じ服を着ていて、メイド服と呼ばれるものだ。

 俺が通るとその全員が仕事の手を止めて一斉に礼をする。

「「「ラムサス様おかえりなさいませ」」」


「……」

 俺は返事などしないただ自室へ向かうため歩く。


 すると、一人の男が話しかけてきた。

「坊っちゃま、本日の入学式では大変ご立派でした」


「……」


「このセバス、感動いたしましたぞ」


「黙れ」


 この頭を下げている奴の名前はセバスチャン。

 この家の執事だ。

 こいつはいつも俺を褒め称える。

 それが鬱陶しくてしょうがない。


「ふん、くだらない」


 そう吐き捨てて部屋に入る。

 そしてベッドにダイブする。


「つまらん」


 国をが変わったところで人というのは変わらない

 王子という肩書にすり寄り、

 俺の魔力に恐れをなして離れていく

 そんな奴らばかりだ。

 結局どこへ行っても一緒だ。

 俺の興味はもうこの魔力しかない。

 それ以外何もいらない。

 もう飽きたのだ。

 こんな日常に嫌気がさす。

 今日もまた退屈な一日が終わる。

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