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六話

「あ・え・い・う・え・お・あ・お!」

 どうもみなさんこんにちわ、

 発声練習も欠かさないアリア・リュゼクリスと申します。

 可愛さは視覚だけではなく聴覚からも感じることが出来る感性なんだよね!

 なんて考えながら鏡を見ながら


「あ・え・い・う・え・お・あ・お!」

 と発声練習をする。

 そうしているうちにメリッサが呼びに来る。

「お嬢様、そろそろお時間ですよ」


「わかったわ、今行く」


 私は急いで着替えてメリッサと一緒に食堂へ向かう。

 そこにはお母様とお兄様が待っていた。


「おはようございます」


「アリアちゃん、おはよう」


「おはようアリア」


 私たちが席につくと使用人たちが次々と料理を運んでくる。

「いただきます」


 食事が始まるとお母様が口を開く。


「アリア今日はキースと一緒に勉強をしてみましょう」


「お兄様とですか?」


「えぇ、魔法の練習だけじゃなく、知識を深めることも必要だもの」


「かしこまりました」


「うん、よろしくねアリア」


「おーっほっほ!お任せくださいませ」

 私は胸を張りながらキラキラ光る。


「ふふふっ、頼もしいなぁ」

 お兄様が微笑む。


 食事が終わった後兄様と一緒にお父様の書斎へとやってきた。

 今日の講師はメイド長のヘレンだ。


「本日の授業を始めさせていただきます」


「はい、お願いします」


「まず領地について説明しましょう」


「はい」


「この国には4つの公爵領が存在します。

 ここ王都がある首都がティバエと呼ばれています。

 そして東西南北にそれぞれ1つずつ公爵家の領地があり、

 南を『サウス』北を『ノース』東を『イースト』西を『ウエスト』といいます」


「はい知っています」


「さすがはキース様ですね」


「ありがとうございます」


「各貴族はそれぞれ自分の領土を持っており、領主として統治を行っています」


「はい」


「それぞれの領地は隣り合ってはおらず、

 魔物の領域から少し離れた所に作られています」


「なるほど、だから魔物領域に近い方が爵位が高くなっているんですね」


「その通りです。魔物への対処は公爵の責務であり、領民を守る義務があります」


「それぞれの公爵家は中央にある王家に忠誠を誓っております。

 そのため公爵家の争いはないと言っていいでしょう」


「そういえばお母様はノースの公爵家でしたね」

 キースが思い出すように言う。


「そのとおりです」


「カレン様とイーストの公爵家である旦那様との婚姻は

 イーストとノース二つで盛大に祝われたそうです」


「へぇ〜そうなんだね」

 私は相槌を打ちつつ、お母様とお父様を思い浮かべる

 2人ともすごく仲がいいし恋愛結婚だったのかなぁなどと想像してみる。


「えぇ、それはもう大変盛り上がったそうです」


「お母様とお父様らしいね」


「さて、ここまでで何か質問はございませんか?」


「はい!」


「ではお嬢様どうぞ」


「魔物ってどんなやつがいるんですか?あとドラゴンとかはいるんでしょうか!」

 私は目を輝かせながら聞く。


「ふぅ、まずはドラゴンの話から致しましょう」


「はい!お願いします」


「ドラゴンとは巨大な体躯を持ち、強力なブレスを吐き、魔法も操るとてつもない存在です。

 その存在は神に最も近いと言われています」


「すごい!」


「そして、ドラゴンは竜種と呼ばれる種族に分類されます」


「竜種?」


「えぇ、ドラゴンは下位の龍族、上位の竜王、最上位種の古代龍、

 これらを総称して竜種と呼びます」


「な、なんと!」


「そして、竜種はそれぞれの属性に特化した能力を持っていまして、

 例えば火なら炎を、水なら氷を操ることができます」


「だからドラゴンは災害級なんて呼ばれているんですよ」


「はえ〜」


 私はあまりのスケールの大きさに呆気に取られてしまう。

 しかし、そこで気になったことがある。


「あのぉ、それじゃあ竜が領地を襲ってきたらどうしようもないのではないのでしょうか?」


「それがそうでもないのです。

 竜種は知能が高く、縄張り意識が高く自分が認めた相手でなければ

 決して従わないと言われているのです」


「つまり、他の領地を襲うことは滅多にないと言うことですか」


「そういうことです。

 しかし、稀に自分の力を示すためだけに人里に降りてきて暴れたりもします。

 そういった時は騎士団が出動したりもしますが……」


「それでも倒せないと」


「はい、残念ながら」


「なるほど」


「まぁ、そんな事態になると冒険者ギルドに

 依頼を出して討伐してもらうことになります」


「冒険者は魔物討伐のスペシャリストなので期待できますね」


 さて話が脱線してしまいましたね、とヘレンさんは話を続ける。


「魔物にはランクというものが存在しており、FからSまで存在します」


「魔物にも階級みたいなものがあるんですね」


「えぇ、そうですね。魔物の強さを表す指標となるものです。

 そして、その階級は強さだけではなく、危険度も表しています」


「なるほど」


「そして、その中でも最高クラスがSランクとなります。

 これは国家騎士が束になっても勝てるかどうかというレベルのものです」


「国家騎士でもですか!?」


「えぇ、それほどまでに危険な存在です」


「そいつらが領地を襲ったりしたら……考えたくありませんね」


「えぇ、本当に恐ろしい限りです」


「それで、そのSランクの魔物を倒すと英雄扱いされるんでしたっけ?」


「はい、そうです。この国を救った英雄として讃えられます」


「そして、倒した者には莫大な報酬が与えられます」


「へぇ〜それは凄いですね」


「はい、ですがSランクの魔物など古代龍くらいなものですよ」


「そうなんですか」


「はい、それにそもそも遭遇すること自体が稀ですからね」

 ヘレンさんは苦笑いしながら言う。


「さて、魔物の説明はこの辺にしておいて

 次はイーストの特産品についてお話しましょう」

 こうして私と兄様はヘレンさんの授業を受けるのだった。



 ヘレンさんの授業が終わった後は師匠と魔法の訓練を開始した。

 師匠は相変わらずのスパルタだ。

 私は何度も倒れそうになりながらも必死に食らいついていく。


 そして、なんとか今日一日のメニューをこなし終えることができた。


「お疲れ様です。アリア様」


「ありがとうございます」


 私はメリッサから渡されたタオルで汗を拭いながら答える。


 すると剣の素振りをするお兄様が目に入ってきた。

 お兄様は一心不乱に剣を振り続けている。

 その姿はとても真剣なものだ。

 イケメンは何をしても絵になるなぁと感慨に耽っていると

 突然お兄様の動きが止まった。

 どうしたんだろうと思い、お兄様を見つめる。

 お兄様はしばらく静止していたが、やがてゆっくりとこちらを振り返った。


「やぁ、アリア。今朝ぶりだね」


「お兄様はどうして剣の素振りをなさっていたのですか?」

 私は不思議に思って尋ねる。


「ああ、これかい?実は最近剣術を習い始めたんだよ」


「剣術をですか?なぜ急に?」


「僕ももうすぐ13歳だからね。

 いつまでも父上に頼ってばかりはいられないだろう?」


「はぁ、そういうものなんでしょうか?」


「そういうものだよ。

 だから僕はもっと強くなって父上の支えになりたいと思っているんだ」


「それに実は僕は冒険者になろうと思ってるんだ」


「えぇ!本当ですか!」

 私は驚きの声を上げる。


「うん。ずっと前から決めていたことだ」


「でも、大丈夫なのですか?領地の運営は……」


「それについては問題ないよ

 母上にも了承は得ているし、領主の仕事についてもある程度は教えてもらっているしね」


「まあ、いざとなったら信頼できる家臣に任せることも考えているけどね」


「そうですか」

 私はホッと息をつく。


「だから心配しないでいいよ。アリア」


「分かりました。頑張ってくださいね。お兄様!」


「あぁ、任せてくれ」


 そう言って笑うお兄様の顔は眩しかった。

 それからしばらくして、お兄様は剣の訓練を終えて自室へと戻っていった。

 私はその後ろ姿を見送りながら、自分の部屋へと向かう。

 お兄様はもう自分の将来について考えている。

 やっぱりすごいなぁ。

 私なんて将来のことなんて全然考えてないのに……。

 私もいつかは自分のやりたいことを見付けないと行けない。

 でも、私に何ができるのかなぁ。

 私はそんなことを考えながらベッドに入る。

 そして、そのまま少しばかり眠りにつくのだった。

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