二十三話
長い間馬車に揺られて私達は魔導帝国にたどり着いた
馬車から降りて周りを見てみると、
そこはレンガ造りの建物が立ち並び、街の所々には噴水がある
そして、街の中心にある大きな城からは光が放たれていてとても幻想的だった
そんな街並みに見惚れていると、ラムサス王子が話しかけてきた
「それでは、これから俺の屋敷に行く、ついてこい」
「わかりました」
私達はラムサス王子について行った
しばらく歩くとラムサス王子はある建物の前で止まった
「ここが俺の屋敷だ」
「おっきい……」
「ああ、そうだろう、さぁ、入るぞ」
そして、私達が屋敷に入るとメイドさんらしき人が出迎えてくれた
「おかえりなさいませ、ラムサス様」
「ただいま帰った、今日からしばらくの間この2人を泊めてくれ」
「かしこまりました」
「それでは、部屋に案内するのでついてきてください」
私達はメイドさんの後を付いていく
「こちらの部屋をお使いください」
「ありがとうございます」
「それでは、何か用がありましたらベルでお呼びください」
「わかりました」
そう言ってメイドさんは去っていった
さすがと言うべきか、この部屋の内装はとても豪華だった
私は早速ベットに飛び込んだ うわ〜ふかふかだ〜
このまま寝ちゃおうかな〜…………………………
だめだ……眠気が飛んでしまった……
暇だ……
仕方ないのでベッドから出て窓から外を見ることにした
〜数分後〜 暇すぎる! 景色とか見ても何も面白くないし!
私はもう一度ベッドに入ってゴロゴロすることにした
するとドアをノックする音が聞こえてきた
「はい?」
「ラムサス王子がお呼びです」
「あ、はーい」
私は急いで身なりを整えてから部屋を出た
「失礼します」
私が部屋へ入るとラムサス王子が椅子に座って待っていた
「来たか、まぁ座ってくれ」
「はい、失礼します」
そして、私はテーブルを挟んで反対側の席に着いた
「それで、ご要件は何でしょうか?」
「実はな母上との面会は少し時間がかかるみたいでな
そこで、アリアに頼みたいことがあるのだ」
「何でしょう?」
「ここにいる間、お前に魔法を教えて欲しいのだ」
「魔法を、ですか?」
「そうだ」
「どうしてまた?」
「それは、まぁ、その……なんだ……俺も一応王子だからな
自分の身を守れるくらいの力を身につけておきたいというわけだ」
「なるほど……」
確かに、王族として国を守る力は必要かもしれない
けど……
「で、でも、なんで私なんですか?他に優秀な人は沢山いますよね?」
「いや、まぁ、そうなんだが、お前が1番信用できるというか、お前がいいんだ」
「そ、そうですか……なら……いいですが」
「そうか!良かった!」
……なんか照れ臭い
すると、ラムサス王子は立ち上がって私の手を握ってきた
「よろしく頼むぞ!」
「はい……」
こうして私はラムサス王子に魔法を教えることになったのだった
「それじゃあ、まずは魔力を感じるところから始めようと思います」
「魔力を……感じる……?」
「はい、魔力を体の中で循環させるんです」
「なるほど……」
「それでは手を貸してください」
私は師匠に教えてもらったことをラムサス王子に教えることにした
まずはラムサス王子の手のひらに私の魔力を流す
「私の魔力を感じることが出来ますか?」
「ああ、アリアの魔力を感じるぞ」
「いいですね!それでは、目を閉じて深呼吸をしてみてください」
「わかった」
「そうしたらゆっくりと息をしながら体の中を巡る血液を感じて下さい……
そうですね……心臓辺りを意識してみて下さい」
「こうか?」
「そうですそうです、そのまま次は血管を流れる血をイメージしてください」
「うむ……しかし、これはなかなか難しいものだな」
「最初は誰でもそうですよ、
慣れれば簡単にできるようになるはずなので頑張ってみましょう」
「ふぅ……よし、少しコツが掴めたぞ」
「さすがラムサス王子、飲み込みが早いですね」
「ふっ……これぐらい当然だ!」
ラムサス王子は得意げに胸を張っていた
「それでは次に進みましょう」
「まだあるのか!?」
「はい、今度は体の中の魔力を外に出す練習をします」
「それくらいなら出来るぞ?」
「いえ、ここからが難しいんですよ」
「ほう?」
「今から私がやるので見ていてくださいね」
「ああ、よく見ておこう」
私はラムサス王子の前で集中した
そして、体内にある魔力を手に集める
そしてそれを放出していく
「うおぉおおお!!」
「どうですか?何か感じませんか?」
「ああ、確かに何かを感じるぞ」
「それが魔力です、それを手の平に集めてみてください」
「やってみる……」
ラムサス王子は再び集中し始めた
「くッ……やはり難しいな……」
「大丈夫です、必ずできますよ」
「そうだといいが……ん?なんだ、急に手が熱くなったぞ」
「おめでとうございます、もう成功ですよ」
「そうなのか……?こんなにあっさりと……」
「これが魔力を出す感覚です」
「なるほど……面白いではないか……もっと早くやっていればよかった……」
「他にもいろいろありますから、これから毎日続けていきましょう」
「分かった、これからよろしく頼むぞ」
「はい!」
私はラムサス王子に笑顔を向けた
〜次の日〜
私は朝早くから起きていた 今日はいよいよ魔法の実践授業の日だ
「おはようございます、ラムサス様」
「うむ、おはよう」
「今日は魔法の授業を行うので準備しておいてください」
「うむ、わかった」
「それと、服は汚れてもいいものを着てください」
「なぜだ?」
「実戦こそ一番の訓練です」
「なるほど……わかった、早速着替えてくるとしよう」
そう言ってラムサス王子は部屋を出ていった
「私も行くかな」
そして、私も部屋を出た
「アリア、お手柔らかに頼むぞ」
「はい、頑張ります」
私たちは庭に出た
「それでは構えてください」
「わかった」
するとラムサス王子は剣を構えた
「本気で来てくださいね」
「もちろんだ」
ラムサス王子は一瞬にして距離を詰めてきた
「うわっ!」
私は咄嵯の判断で魔法を発動し、防御魔法で壁を作った
ガキン!
激しい金属音が響き渡る なんとか防げたようだ
「ほぅ……今のを防ぐとは……さすがと言ったところか」
「ラムサス王子一瞬で近づかないでくださいよ!びっくりするじゃないですか!」
「ふっ、すまなかったな」
「全く……それじゃあ、続きをやりましょうか
魔法の訓練ですので魔法を使って下さいね!
あ、あと怪我をしない程度にお願いします!」
「安心しろ、手加減は得意だ」
そう言うとラムサス王子は魔術を唱え始め
ラムサス王子の手のひらから炎が出た
「いくぞ!ファイアボール」
私はその火の玉を魔法障壁を張って受け止めた
「なかなかやりますね……」
「ふっ……まだまだ余裕といった表情だが?」
「そんなことありませんよ……」
するとまたラムサス王子が詠唱を始めた
「これで終わりだ!ファイヤーストーム」
「うぐッ……これは……熱いですね……『フライ』」
私は空へと逃げる
「何!?飛んだ!?」
「ふぅ……熱かった……」
「まさか飛ぶことができるとは……」
「さぁ空中の私に攻撃出来ますか?」
「くぅ……ならばこちらも本気を出すまでだ!」
ラムサス王子は再び魔術を唱えた
「我の敵を討ち滅ぼせ!フレイムバースト!!」
ラムサス王子の手のひらから巨大な火球が放たれこちらに向かってきた
「なっ!!ちょっまっ!!」
ドカーン!!!
大きな爆発音とともに辺り一面煙に包まれた
「びっくりしました!すごい音ですね!耳がキーンってします」
「ふん、貴様が空を飛ぶからだ」
「だってしょうがないじゃないですか!」
「まあいい、今日はこれくらいにしといてやる!」
「そうですね!王子を見ていましたけど
集中しているときは魔力は上手く扱えていますね
ただ、私が空を飛んだ時魔力の乱れを感じました」
「確かにあれには驚いたが、驚いた時は誰しもそうなるだろう?
それに、魔力の乱れか……これは難しいものだな」
「焦らずゆっくりでいいと思いますよ」
「ああ、そうだな」
「それでは、今日の授業はここまでにします」
「ああ、ありがとうアリア」
「いえいえ、次からは魔術ではなくて魔法を使う努力をして下さいね」
「わかった、やってみよう」
「それでは、失礼します」
「ああ、また明日な」
「はい!」
私は部屋に戻った
「ふう……疲れた……」
「お嬢様、おつかれさまです」
一緒に魔導帝国へやってきたメリッサが声をかけてくれた
「うん、ありがとう」
「しかし、お嬢様には驚かされっぱなしです」
「そうなの?普通だと思うのだけれど……」
「いいえ、この世界の常識を覆すようなことをされてばかりですよ
魔術を使えないお嬢様が
魔導帝国の第一王子を師事するなど聞いたことがございません」
「メリッサ~?何が言いたいわけ~?」
「お嬢様はとても素晴らしいお方だと言いたかったのです」
「ふーん?それなら良かった」
「はい、これからも頑張って下さい」
「任せてちょうだい」
〜次の日〜
「おはようございます、ラムサス様」
「うむ、おはよう」
「どうしたんですか?なんだかソワソワしているみたいですけど?」
「実は……な、空を飛ぶ魔法を知りたいんだ」
「それはなぜですか?」
「いや、昨日のアリアを見て思ったんだよ、俺も空を飛んでみたいと」
「なるほど……分かりました!それでは、今から練習しましょう!」
「うむ!」
私たちは庭に出た
「まずは、1回空を飛ぶことを体験することから始めたいと思います」
「それはどういうことだ?俺は空を飛べないぞ?」
「私の手を握ってください 後は私がなんとかします!」
「そ……そうか、では失礼する」
そういってラムサス王子は私の手を握った
「心の準備はいいですか?それではいきますよ!」
私は『フライ』の魔法を発動し、空へと飛んだ
「うわっ!す……すごい……これが……空か」
「いかがですか?気持ち良いでしょう?」
「ああ……なんて……美しいんだ」
「ふふっ、喜んでくれているようで嬉しいです」
「本当に……飛んでいるのか……」
「はい、しっかり飛んでいますよ」
「こんな世界があるとはな」
ラムサス王子は空からの景色に感動していた
「ふふっ、楽しんでいただけたでしょうか?」
「ああ、最高だ」
「そう言っていただけると私も嬉しく思います」
「次は魔法を教えてくれないか?」
「わかりました!それでは……」
私は『フライ』の魔法を解除し地面に降りた
「それじゃあ、空飛ぶ魔法について教えていきましょうか」
「うむ、よろしく頼む」
「それじゃあ、まずは魔力を体全体に巡らせることから始めましょうか」
「魔力を……体に……?」
「はい、目を閉じて自分の中に意識を向けてください」
「こ……こうか?」
「それで大丈夫です、そのままの状態で私の言うことを聞いていてください」
「ああ、わかった」
「次に重力から解放されるイメージをしましょう」
「重力?よくわからないな……」
「最初は難しくても少しずつ慣れていけばいいんですよ」
「そうか……やっていこう」
「はい!それでは、念のため私の手を掴んでください」
「分かった」
そういうとラムサス王子は私の手を掴む
「そして、足に力を入れずに体が浮くような感覚で魔力を使ってみてください」
「……」
ラムサス王子は無言で集中しているようだ
「これはなかなか難しいものだな……」
「初めはそうかもしれませんが、ゆっくりやりましょう」
「うむ、頑張ろう」
「少し休憩しますか?」
「まだだ、続けてくれ」
「分かりました」
〜一時間後〜
「今日はこの辺にしておきましょう」
「ああ、ありがとう」
「それでは、私は部屋に戻りますね」
「ああ、また明日な」
「はい!」
~次の日~
「おはようございます、ラムサス様」
「ああ、おはよう」
「どうしました?元気がないみたいですが?」
「いや、なんでもない……」
「そうですか?あまり無理はしない方がいいですよ?
何かあったら相談してくださいね」
「わかった」
「それでは、授業を始めましょうか」
「ああ、その前に話を一ついいか?
明日なんだが王宮に一緒に来てもらえるか?
母上と父上に紹介することになった」
「えーっと……王様にも会うのですか?流石に緊張します……」
「はははっ、そんな気負わなくていいぞ いつも通りにしてくれればいい」
「それならいいのですが……」
「まぁ安心しろ、俺も一緒だから」
「はぁ……分かりました」
「それでは、授業をよろしく頼む」
「はーい」
〜次の日〜
私たちは馬車に乗って王宮に向かっていた
「それにしても……どうして王様もいらっしゃるのですか?
王妃様だけで十分だと思うんですけど……」
「それは……だな……お前に興味があるらしいんだ」
「そうなんですか?でも、なんでですか?」
「それは……俺もよくわからん……」
「そうなんですか……?」
「ああ……」
「なんか怪しいですね……」
「確かにな……だが、悪い人ではないと思う」
「そうなんですか……?」
「ああ……ただ、父上は何を考えているのか分からないという感じだな……」
「なるほど……それは怖いですね」
私たちはそれから他愛のない話をしながら移動した
「さて……ついたぞ」
「ここが……王宮ですか……大きいですね……」
「そうだろ?ここは王都で一番大きな建物なんだ」
「そうだったんですか……これは掃除が大変そうですね」
「とりあえず中に入ろうか」
「はい!」
私はラムサス王子と一緒に王宮の中に入った
王宮は広く、たくさんの使用人が働いていた
私はキョロキョロしながら歩いているとラムサス王子に声をかけられた
「あまりキョロキョロするなよ、恥ずかしいだろ?」
ラムサス王子は私に注意をして私に手を差し伸べてきた
歩くのに邪魔なのでその手をはたく
私がラムサス王子の手をはたいた音は思ったより大きく響き渡り、
周りにいた使用人たちがこちらを見た
ラムサス王子は顔を赤くして俯いている
「いきなり何をするのだ!?」
「すみません、つい反射的に手が動いてしまいました」
「全く……お前には常識というものはないのか?」
「これといってありません!」
「胸を張って言うな!そこは誇るところじゃないだろう!」
「はい!そうですね!」
「あーもう、疲れた……早く行くぞ……」
「はーい」
しばらく歩きラムサス王子が案内してくれた部屋に入ると
王様と王妃様が座っていた
「お久しぶりです、父上、母上」
「ああ、久しいな」
「久しぶりね、ラムサス」
「それで、そっちの子が例の子か?」
「はい、そうです」
「初めまして、私の名前はアリア・リュゼクリスです」
私は貴族の礼をする
「ふむ、礼儀正しい子ではないか」
「ありがとうございます」
「あなた達も座りなさい」
「はい、失礼します」
私達は椅子に腰掛ける
「さて、まずは自己紹介から始めようか」
「そうね、まずは私の方から始めるわ」
「私はこの国の王妃でミレナ・レイフォンです。よろしくねアリアさん」
ミレナさんは綺麗な金髪をしていて青い瞳をしていた、
とても優しげな雰囲気を持っている
「俺はこの国の王でレオニス・レイフォンだ。よろしくアリア殿」
レオニス陛下はとても威厳のある人でラムサス王子と同じ金色の髪と青い目をしていた
「よろしくお願いします」
「うむ、これからよろしく頼むぞ」
「はい!」
「それで、あなたがラムサスの婚約者かしら?」
「いいえ!私たちはただの恋人です」
「そうなの?ラムサスが婚約者を紹介すると聞いていたのだけれども……」
「いえ、違います!私たちはまだ恋人同士になったばかりです!」
「恋人になったばかり?じゃあ、いつ頃から付き合っていたのかしら?」
「えーっと……付き合って数日くらいでしょうか……?」
「あら、意外と最近なのね」
「はい、まだ一ヶ月も経っていないと思います!」
「そう、まだ付き合いたてなのね……」
「はい、付き合いたてです!ところで、質問なのですが
王族の方ってこの年で婚約者がいるものなんですか?」
「ええ、まぁ、普通かしら?ラムサスの場合は少し特殊だけど……」
「母上……余計なこと言わないでください……」
「ごめんなさい、ラムサス……」
「特殊とはどういうことですか?ラムサス王子」
「それは……だな……小さいころは今ほど闇の魔力を扱えなくて
婚約者として紹介された女性みんなに悲鳴をあげられていたんだ……」
「ああ、なるほど……小さい時にそれは怖いですね……」
「ああ、だから、会う人全員に怯えられてな……」
「それは……ご愁傷さまです……」
「そして今の俺に寄って来る女は魔導帝国の王子という肩書に群がるやつらばかりでな……」
「なるほどぉ……それは確かに嫌ですね……」
「だろ?」
「はい……」
「でも、今は違うぞ?お前が居てくれるからな」
「私ですか……?」
「ああ、お前だけだ……こんなにも一緒にいて落ち着く相手は」
「そうですか……」
「ああ……」
「…………」
ラムサス王子の顔を見ると頬を赤くしていた
「なんだよ、そんなに見つめて」
ラムサス王子は照れているのか私と視線を合わせようとしない
「ラムサス王子、可愛いですね」
「なっ!?何を言っている!?」
ラムサス王子はさらに顔を真っ赤にする
私はラムサス王子の反応が面白くてつい笑ってしまった
すると、ラムサス王子は拗ねてしまった
「ふん、俺は可愛くなんかない!」
「ふふふ、冗談ですよ」
「嘘つけ!絶対に本気だっただろう!」
「どうでしょうねぇ~」
「この野郎……後で覚えとけよ?」
「はい!忘れないように心に刻み込んでおきます!」
「本当に腹立つな!お前は!」
「褒め言葉ですね!」
「あーもう、話が進まない!とにかく、父上と母上!
俺には恋人がいるから婚約者は必要ありません!」
ラムサス王子が元気よく答える
すると、王様から闇の魔力が溢れてきた
「ラムサス、魔導帝国の王子であるお前が他国の女性と仲良くするのは構わんが、
将来の王妃は今のうちに決めておかねばならん!
婚約者は我が国から選ばせてもらう!」
「ち、父上!?」
「そうね……やっぱり国を背負う者としては 早めに婚約者を決めておかないとね」
「母上まで……!」
「ちょっと待ってください!」
私は思わず叫んでしまった
「アリア殿……君は何を言いたいのだ?」
「ラムサス王子は自分の地位だけを見ている女性とは結婚するつもりはないと言っています!
縁談を申し出ている方は皆さん次期王妃という地位にしか興味がないのですよね?ラムサス王子?」
「そ、そうだな……」
「婚約……結婚は本人の意思を無視してはいけないと思うんです!」
「アリア殿……婚約者が地位に興味を持っていようが
ラムサスを支える覚悟があるなら別に良いのではないか?」
「それは、本人の幸せにはならないと私は思います」
「どうしてだ?アリア殿も自分の好きな相手と結婚できるわけではないだろう?」
「そうなんですか……?」
「難しいぞ?貴族の女性は政略結婚がほとんどだしな」
「……それでも、せめて恋愛してから結婚したいです」
「恋をする暇などないと思うが……」
「でも、好きでもない人と無理矢理に結婚させられるなんておかしいじゃないですか!」
「まぁ、その考えも分からなくはないが……しかしだな……」
「お願いします!」
私が頭を下げるとレオニス陛下は困ったような表情を浮かべた
すると突然ミレナ様が立ち上がり私のもとに歩み寄ってきた
「アリアちゃんはいい子ね」
ミレナさんは私の頭を撫でてくれた
「いえいえ、そんなことは……」
「ふふ、謙遜しなくてもいいのよ?」
「はい……」
「あなたみたいな娘がいたらきっと楽しいわね……」
「そうですか……?」
「ええ、もちろん!」
「ありがとうございます……」
「ねえ?ラムサスと結婚するつもりはないのかしら?」
「ありません!」
「あら、即答なのね……」
「だって、私まだ12歳ですよ?そんな歳で結婚とか考えられませんよ……」
「そうなの……残念だわ……あなた、ラムサスにも時間をあげましょう
アリアちゃんを口説く時間を……」
「いや、しかし他国の女性と……」
「……問題ないでしょう?」
「……はい」
「じゃあ、決まりね!これからよろしく頼むわよ?アリアちゃん!」
「はい?よろしくお願いします!」
「ごほん!それでは君の話を聞かせてくれないか?」
「私の話ですか?」
「ああ、君のことを知りたいと思ってな」
レオニス陛下が私に興味を持ってくれたらしい これはチャンス!仲良くなっておかないと!
そう思った私は意気揚々と自分について語るのだった




