二十話
「私決めました!冒険者になります!」
夕食が終わった後、私はそうお母様に宣言した
なぜ急にそんなことを言い出したかというと
私は将来について考え私は何が出来るかを真剣に考えた結果
私には魔法を使う職業しかないと思ったのだ
魔導士となって国に使える道も考えたがソフィア先生によると
魔術の知識もいるらしいので古代語がダメな私はその道は断念する
となれば残るは冒険者だ!魔物の退治は貴族としての義務であり仕事なのだ
つまり私は貴族の務めを果たすために前もって魔物を退治し
傾向と対策を取るためにも冒険者になるのだ!
私はお母様の方を見ると お母様は優しい笑顔で私の方を見ている
「アリアちゃんが決めたなら私は反対しないわ、頑張りなさい!」
お母様は応援してくれた
私はこの長期休暇で冒険者としての経験を積むべく準備を始めた
長期休暇初日に私は王都の冒険者ギルドへと足を運んだ
そこには如何にも冒険者といわんばかりの人達がいた
中にはガラの悪い人もいるようだ
しかし、私は臆することなく受付へと向かう
そして受付嬢に話しかける
「すいません、冒険者登録をお願いしたいのですが……」
受付のお姉さんは私をまじまじと見ると、
まるで子供をあやすかのように優しく言う
「お嬢ちゃんはお母さんと一緒じゃないのかな?お名前は言える?」
子供扱いされたので、少しムッとして答えた
「私はもう12歳で大人です!お名前も言えます!」
すると受付のお姉さんはさらに困った顔をする
「えっと……お、お名前を聞かせてもらえるかな?」
私はもう一度、今度は大きく声を出して自己紹介をした
「私は、アリア・リュゼクリス、年齢は12歳、
この国の貴族の娘で、冒険者になるためにここに来ました!」
受付のお姉さんは私の顔を見て、
何かを考えるような仕草をした後、 私の目を見ながら話す
「えーっと……本当に冒険者に成りたいのですか?」
「もちろん本当ですよ!だからこうしてギルドに来たんですから!」
私がそう答えるとお姉さんの表情が少しだけ険しくなる
「貴族の方が冒険者になるときはテストを行う決まりです」
どうやら貴族が冒険者になるためにはテストを行うみたいだ
だけど私はその程度のことで諦めるような人間ではない…が
「ん?テストって筆記ですか!?」
すると、お姉さんはまたも困惑した様子で言う
「いえ……そういうことではなく……
戦ったりする試験で危険が伴いますが大丈夫でしょうか?」
「はい!魔物と戦うのも覚悟の上なので大丈夫です!」
私がそう答えると、お姉さんが申し訳なさそうな顔をしながら
「分かりました、テストの内容はギルドマスターと模擬戦闘をしてもらいます」
「ギルドマスターと模擬戦闘!?」
「はい、ギルドマスターと模擬戦をして まいった と言わせれば合格となります」
これは予想外だ まさかギルドマスターとのバトルイベントがあるとは思わなかった
私は少し考える まず間違いなくこのギルドマスターはかなり強いだろう
ギルドマスターと名乗るくらいだきっとSランク冒険者の実力があるのだろう
この模擬戦最初から本気で行かなければならない!
「ではこちらへどうぞ」
私は案内されるがままに部屋に入る するとそこには
筋骨隆々のスキンヘッドの大男が立っていた
「おう!俺がこの冒険者ギルドのマスターのドランだ!よろしくな!」
ドランと名乗った男は、そう言って豪快に笑っている
「早速だがお前の力を試させてもらうぜ!」
ドランはそう言って私に木剣を投げ渡す
「俺は素手でいい、かかってきな!」
私は渡された木刀を構えると ドランに向かって走り出し勢いよく斬りかかる
しかし、ドランは簡単に受け止めるとそのまま弾き飛ばす
私は空中で体勢を立て直すと、着地と同時に再びドランの方へと走る
「無駄だってのがわかんねぇのか?」
そう言って私に拳を振るう
私は咄嵯にガードするが、威力を殺しきれず後ろに吹き飛ばされる
「くぅ……」
ドランさんは私の筋力では到底受けきれないほどの力を持っていた
だが私も負けていられない力でダメなら魔法で戦うのみ
「ドランさん魔法を使ってもいいですか?」
「ああ、構わないぜ!」
「ありがとうございます」
魔法を使う許可がでたので、私は魔法を使う
『ふぁいあーぼーる』
私はそう呟いて指先から火の玉を出す
その火の玉はまっすぐに飛んでいき、そして――
ボォン! 爆発した
「えっ…………」
私はその光景を見て、呆然とする
「おい!今のはなんだ!危ないじゃねーか!」
私は慌てて言い返す
「す、すみません!威力が高すぎました!」
私はそう言いながら、もう一度
『ふぁいあーぼーる!』
しかし、またしても――
ボォン!! と大きな音を立てて、大爆発を起こした
「ちょ、ちょっと待てぇい!!」
ドランさんは、そう叫んで、私の方へと駆け寄ると
「もういい!まいった合格!合格だ!なんて威力の魔法だ!
こんなのを喰らったらひとたまりもないわ!」
と言って、私に合格を告げた
これでも威力下げた方なのですが…
人に向けて打つのはもっと弱くしないといけませんね……
私は、少し反省して、そして次のステップに進むべくドランさんに質問をする
「それで、次はどうすれば良いですか?」
「そうだな……まぁとりあえずは冒険者カードを発行してやるから
受付で手続きをしてもらえばいい」
そう言われた私は受付に戻り、
受付のお姉さんに冒険者カードを発行してもらうことにした
「それでは、この水晶に手を置いてください」
私は言われるがままに、水晶の上に手を置く すると、水晶は青白く光り出した
「えっと……これで登録完了です」
どうやら無事に登録できたみたいだ
「あの……ギルドの説明とかってありますか?」
「そうですね……では簡単に説明させていただきます」
受付嬢の話によると 冒険者の仕事は主に2つある
1つ目は、街の住民からの依頼を受けて解決すること
2つ目は、魔獣討伐 これらの依頼は基本的にギルドを通して行われる
3つ目は、パーティー依頼 指定されたエリアの魔物を退治する依頼だ
また、ギルドにはランク制度があり下からF・E・D・C・B・A・Sとなっている
また、ランクによって受注できる仕事が違うらしい
ちなみに私は冒険者になったばかりなので当然ランクはFである
「以上で説明を終わりますが、何かご不明な点はありましたでしょうか?」
「はい!大丈夫です!」
「それは良かったです、これから頑張ってくださいね」
「はい!頑張ります!ありがとうございました!」
こうして、私はギルドに登録することができた
「あっ、そういえばまだ名前聞いてませんでした」
「そうでしたか、申し遅れました、私の名前は、セレナと言います以後お見知りおきを」
「よろしくお願いします!」
「それでは、こちらが冒険者の証となる冒険者カードになります」
そう言って渡されたのは、クレジットカードくらいの大きさの白いプレートだった
「こちらのカードは身分証明書にもなりますので失くさないようにしてください」
「わかりました!ありがとうございます!早速依頼を受けたいのですが……」
「かしこまりました、こちらの一覧の中から選んで頂いてもよろしいですか?」
「どれにしましょう……」
一覧を見ると、そこには様々な種類の依頼があった
『薬草採取』『ペット探し』
などと言った定番のものから
『ゴブリン退治』『コボルト討伐』といったものまで 多種多様な依頼が並んでいる
「う~ん、どうしようかなぁ」
私が記念すべき初依頼を何にするか悩んでいると
一人の獣人の少女が一つの依頼書をもって立っている姿が見えた
あの方はなぜ依頼書を持ったまま立っているのでしょうか?
私は彼女が気になったので話しかけることにしました
「こんにちわ!私の名前はアリア・リュゼクリスと言います
依頼書を持ったままどうしたのですか?」
彼女は私に気付くと
「ん」
そう言って依頼書を私に見せてくる
どうやら彼女はパーティー依頼を受けたいらしい
誰か組める相手を探していたのでしょうか?
そこで私は考える一人の依頼はいつでも受けることが出来る
しかしパーティー依頼は組む相手がいないと成立しない依頼!
ここはこの方と組んでパーティー依頼を体験するのもいいのではないのでしょうかと!
「よろしければ私とパーティー依頼を受けませんか?」
私は決意して彼女にパーティーのお願いをする
すると彼女は小さく頷き無事パーティーが結成された
それにしてもこの子かわいい
身長は私より少し高いくらいだろうか
年齢は同じくらいだろう 髪の色は燃えるような赤で瞳の色は黒色だ
服装はマントを包まっていて、腰には短剣を携えている
そして何よりもすごいのがケモ耳だ!ケモ耳少女なのだ!
その頭からは、まるで狼のような耳が生えているのだ!
そんな彼女は、尻尾もついている おそらく狼系の獣人なのだろう
とても可愛い!抱きしめてモフりたい! だが、初対面でそんなことは出来ない!
だから私は我慢する! だがしかし! もし、もしも! 彼女に触っても怒られなかったら!
その時は絶対に抱きついてやる! そして思う存分モフる!
そう決意した私は彼女に向かって話しかける
「私の名前はアリア・リュゼクリスと言います!よろしくお願いします!」
キラキラを添える
「私は、アーガよろしく」
そうして私たちは握手を交わす
この世界で初めて獣人の友達ができた瞬間であった
「それでアーガさんはどの依頼を受けるつもりなんですか?」
そう聞くと、アーガさんは掲示板の方を見ながら答える
「これ」
そう言って見せてきたのは、ルクスの森の魔物討伐と書かれた紙だ
「いいですね!一緒に頑張りましょう!」
「……」
私は、アーガさんと一緒に受付に向かう
受付のお姉さんに、その依頼を受注したいことを伝える
「はい、かしこまりました、それでは、お気をつけて行ってらっしゃいませ」
「はい!いってきます!」
ギルドを出て王都を出るために私達は門まで歩く
「今日はよろしくお願いします」
「……」
「これも何かの縁」
「……」
「仲良くしましょう!」
「…………」
どうやらアーガさんは無口な人のようです!そこもカワイイ!
しばらく歩くと、目の前に門が見えてくる
ルクスの森はこの王都の外れにあるため、
街の外に出る必要がある
私達は門のところで冒険者カードを見せて外に出る
私はこうして冒険者として初めての依頼をこなす為、王都の外に出たのであった




