十九話
テスト……大人達が学園の生徒達の頑張りを
判断するための目的として行われるもの……
はたしてこれだけで判断していいのでしょうか?
テストの点数にどれだけの価値があるというのでしょうか?
テスト以外を頑張っている生徒もたくさんいます
しかし、テストの順位でしか生徒の実力を見ることができないのでしょうか?
私はこのことを強く世の学園の先生達に抗議していきたいと思っている
どうも、アリア・リュゼクリスです
私が通っている学園の名前をご存じでしょうか?
ええ、王立魔術学園です
魔術の学園なのです
魔術に必要なものをご存じでしょうか?
はい、そうです古代語なのです!
だから……
こうして……
今私の目の前に古代語の問題が並んでいるのです……
なんということでしょう……
私はただ、テストを受けたかっただけなんです
こんな文字なのか記号なのか分からないものを見る
ために今日学園に来たわけではないのです
そんなことを考えていたらテストの時間は終わりを告げていました……
テストは終わりテストの答案が返ってきた
私のテストの点数はというと絶望的な点数だった
「あー、だめ、終わった…」
そう言って机に突っ伏す私の元にフィーナさんがやって来ました
「お疲れさま、アリアさん」
フィーナさんは優しく微笑みながら私を慰めてくれます
なんて優しい方なのでしょうか
「フィーナさん…ありがとうございます」
私はフィーナさんに感謝の言葉を伝えます
すると、今度はライラさんがやって来ます
「アリアさんおつかれ!なんだか大変そうね」
ライラさんも私を労ってくれました
私は二人の優しさに涙が出そうになる
「うぅ…二人とも……ありがとぉ~」
二人はそんな私を見て苦笑いしています
ラムサス王子とエイシア様はどうかなと様子を見てみると
ラムサス王子は余裕の表情で
エイシア様はも余裕そうださすが王族といったところだろうか
ちなみにエイシア様は私と目が合った瞬間ウィンクしてきた
余程いい点数を取ったのだろうか…
しばらくして、ソフィア先生が教室に入ってくる
テストが終わり、長期休暇が始まることを伝えられた
屋敷に帰って来た私はこのテストの答案とにらめっこをしていた
これをお母様に見せてしまうときっとこの世に悪魔が顕現するのだ
絶対に見せるわけにはいかない
ソフィア先生が来たらすぐばれることなのだが……
そうこう考えているうちにドアがノックされる
コンッコンッ
誰かがやって来たようだ
どうしよう
私は焦る気持ちを抑えつつ考える
とりあえず隠す? どこに隠せばいい? ベッドの下?クローゼットの中?
私は必死に考えを巡らせる
すると、部屋の外から声が聞こえる
「アリアちゃん?いるんでしょ?」
そう言いながら部屋に入ってきたのはお母様ことカレン・リュゼクリスであった
お母様は私を見つけるなり抱きしめてくる
私は咄嵯に隠し持っていた例の物を隠す
しかし、そんな私の行動をお見通しと言わんばかりに
それを取り上げると 満面の笑みで言った
「これってテストよね?見せなさい!」
ああぁぁぁ! お母様にばれてしまった
これでこの世に悪魔の力が解き放たれてしまうのか
私は諦めかけていたのだがお母様の反応は予想と反したものだった
「あらまぁ!よくやったわねぇ!」
お母様はとても嬉しそうにしている
「お、お母様……?」
「アリア、あなたが古代語が苦手なのでしょう?」
「えっ!?知ってたんですか!?」
「ええ、もちろんよ!」
お母様はそう言ってまた強く抱き着いてくる
「それにソフィアさんと古代語の勉強も頑張っていたでしょ」
「はい……」
確かに師匠と古代語の勉強をしていました……していましたが!
なぜか5分もすると魔法の話になってしまって
結局いつものように魔法談義になってしまうのです
ごめんなさい!お母様!
「だからテストの結果が悪かったとしても怒ったりなんかしないわよ」
「お、お母様……」
私は感動のあまり涙を流しそうになったすると、
お母様は私の頭を撫でながら話す
「でもね、勉強しないとだめよ?
それはテストでいい点を取るためだけじゃなくて
将来、困らないようにするためでもあるんだからね」
「はい、分かりました!」
私は元気に返事をする
そうして2人で食堂へ向かうのだった
私は勇敢な戦士
燃えるような赤い髪をなびかせ
この爪で魔物を切り裂く
私達は勇敢な戦士
獣人はどんな時でも目の前の敵からは逃げない
そう…どんな時でも…
雨が地面を強く打ち付ける
嵐が吹き荒れている中 私達は魔物と対峙していた
相手は、巨大な熊のような姿をしている
その見た目はまさに恐怖の象徴だった
そんな化け物共がこちらに向かって走って来る
獣人は戦闘民族 逃げるなんて選択肢はない
だから私は戦い続ける たとえ相手が強大な存在であっても
同じ任務を受けた冒険者が敵を目前に次々と逃げていく
弱者のすることは気にも留めない
なぜなら私は誇り高き戦士だからだ
敵を前に逃げるなど戦士がするべき行為ではない
私は迫りくる敵に恐れることなく立ち向かう
たとえこの身が引き裂かれる日が来ようとも…
昼間からビールを飲む者や博打でケンカをしている者もいる
そんな奴等が集まる場所 ここは冒険者ギルド
私は先日倒した魔物の素材を持ってこの場所へやってきた
受付に素材の入った袋をいくつも置く
「鑑定を頼む」
スキンヘッドに髭を蓄えた厳ついおっさんが受付をする
この男はギルドマスターのドランだ
この男は普段は酒を飲んでばかりだが今日は仕事をしていた
「あんたが仕事をするなんて、明日は嵐が来るんじゃないか?」
そんな軽口を叩く それに対して、 ドランは うるせぇ!と一喝すると
カウンターに置かれた素材を手に取り確認を始める
しばらくすると、ドランが口を開く
どうやら素材の品質が良かったらしく、かなり上機嫌で話し出す
「お前と一緒に出て行った奴らが逃げ帰って来たってのに、
お前一人でこれをやったのか?」
私は黙ってうなずく
それを見たドランは やっぱりかと呟いた後、さらに言葉を続ける
「お前は無茶をし過ぎだ! もっと慎重に行動しろ!」
私が無言でいると、ドランは深い溜息をついた後に言った
「まあ、いいさ、だがなそのうちお前と組む奴がいなくなっちまうぞ」
私は少し考えてから答える
「別に構わない」
私はそう言って報酬を確認した後この冒険者ギルドを出ていくのだった




