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第20話 この星の真の支配国家。

覇帝姫宮殿要塞はていききゅうでんようさいヴァーンニクスと炎國火宮殿えんごくかきゅうでんシャイナダルク。

全長数キロに及ぶ巨大な二つの空中城は、永遠中立国を自称するホワイトクロス国と呼ばれる国家の中心都市上空にその動きを停めた。


「なるほど、ここが真のこの星を支配する国家ですか? 確かに凄まじい驕りと傲慢ぶりです。

千年前からずっとここに根付いていたかの様な、凄まじい支配への執念の渦。

これはベイ国、唐土国からどこく、ルーシー国、これらの常任理事国では足元にも及ばぬものですね。


わたしは数多の星々を征服してきた覇帝姫はていき宇宙宮うつのみや 瑠詩羽るしは

この大宇宙に生きとし生ける、文明を持つレベルの生物の大まかな思考、そして意思は感じることが出来ます。

この地球と呼ばれる星を支配する『星の支配国家』の思考を、意思を、見せてもらいましょうか。


『過去から未来に至るまで我々のみがこの星の永遠の支配者である。

この星の資金、資源、技術、人間を幸せにするあらゆるモノは唯一の人間である我等が独占してしかるべきである。

そして我々のみがこの星における唯一の人間である。

我々以外はこの星で生きる権利は無い。

我々以外の者は人間では無い。全て虫ケラである。虫ケラに生きる権利は無い。

我々が幸せになる為に不幸になれ。苦しめ。そして死ね。

虫ケラ共が苦しんで死ぬことは我等の最高の喜びなのだ。

この星の資金、資源、技術…その全てを虫ケラ共に使わせるなんてあり得ない。

それは唯一の人間である我々のみが享受するべきものだ。

虫ケラがこの星に溢れてはこの星を食いつぶしかねない。

この星の資金、資源、技術その全ては我々人間だけのものなのだ。

虫ケラ共にはこれ以上くれてやるものか。

そうならない様に虫ケラは全て駆除する。

この星には我々と我等が選んだ忠実な奴隷の虫ケラが現在の1割いれば良い。それ以上の数は我々の永遠の繁栄の為に一切不用である』


凄まじい支配への妄執もうしゅう、その傲慢ぶりは星の支配者の性分ではありますね。

しかしこれは本当に、生き栄える事をおもむきとする筈の生き物の意思なのでしょうか?

わたしには老いさばらえて衰えた老人の世迷言にも、地獄の底から這い出た亡霊の叫びにも聞こえます。

生き物とは産み増えてその総数を増やしていくことを良しとする存在。

自身達を打ち滅ぼうとする外敵が有れば抗って進化して自身をより高みへと進ませる。

数が増え切って自分たちを賄うかてが足りないというのなら、新たな地へと旅立って更にその版図を広げ、更に数を増やそうとしていく存在。

それが生き物のことわりです。


自らの手で同胞を殺し、数を減らし、萎縮いしゅくして、種族としての滅びへ向かうそれは、生き物の理を外れています。この大宇宙ではありえない。

昨日のマリアの件の、若さ溢れる者たちを躊躇なく使い潰すその手法から判ってはいましたが…やはりこの国の者共は生き物の範疇を外れた異質な存在なのですね。


わたしは気に入りませんね。

その思考の何もかもが気に入りません。

わたしは自身が生き残る為にこの星を支配する国家を討つ必要があります。

ですが、それとは別にこの国が気に入りません。

しゃくに障ると言うことです。


そしてこの国はあろうことかわたしの可愛い奴隷である空也を泣かせたのです。

その責は取って貰うのが道理です。

わたしの所有物に仇名す者共は全て許しません。

そして空也と同じ年ごろ、同じ雰囲気の少年少女をを大量に使い捨てにしていたことも気に入りません。

わたしの主義にそぐわないものは許しません。

それが覇帝姫、宇宙宮 瑠詩羽の行動理念なのですから。


だから、わたしは今からあなたたちを殺します。

全て殺しましょう。

殺し尽くしてあげましょう。

この星の永遠の支配者を自負する、至極くだらない者共よ。

ならば、星の支配国家としての戦意、殺意を、全てわたしに見せなさい。

星の支配国家としてその身に集め蓄えたその力の全てでこのわたしに精一杯抗って見せなさい。

その断末魔の叫びの中で、せめて、このわたしを少しは楽しませて見せなさい!」


「姫様、地上部隊からの攻撃が来ます。続いて戦闘機、『ライトニングⅡ』の大群の接近を確認しました」


「ふふふ、動きは早いですね。流石はこの星の支配国家というべきでしょうか。

空也、ハクリュウ、舎留那しゃるな、それでは行きましょうか!

このくだらない国を全て滅ぼし尽くして、その底に潜むこの星の真の王を滅ぼしに参りましょう!」


わたしたちは空中城の中から永遠中立国の中心都市上空に瞬間移動した。

そこへ無数のミサイル、バルカン、砲弾が飛び交ってわたしたちと二つの空中城に突き刺さった。

だが今更こんな程度の攻撃をした所でわたしたちに傷一つつけることは出来ない。

わたしは意に介することなく、破壊の意思を込めた両手をかざしてその攻撃元の戦闘機、地上部隊を次々と吹き飛ばしていく。

しかしわたしの攻撃に怯むことなくこの国の攻撃は絶え間なく続き、ミサイル、バルカン、砲弾が次々とわたしたちに命中する。


「ふふふ、武器の火力は劣りますが戦意と殺意はルーシー国に匹敵するものがありますね。その心意気は良いです! 敬意を称して、わたしの直々の声で爆ぜなさい!」


わたしは声量を高めて破壊の意思を込めた音空域を形成した。

その空域内にいた戦闘機、ミサイルといった全ての敵兵器群は全て吹き飛んだ。

そして音空域は波動となって地上部隊を根こそぎ薙ぎ払った。

わたしは迎撃部隊を全て黙らせて、静かになった都市を見下ろして口を開いた。


「なるほど、この都市もまるごと欺瞞情報。

この星の支配者を覆い隠す隠れ蓑なのですね…ですがもうこれ以上隠すことは無いでしょう。

だってこのわたしが来たのですよ。

数多の星々を、宇宙を征してきたこの覇帝姫はていき宇宙宮うつのみや 瑠詩羽るしはが。

もうあなた達に後は無いのです。

さあ覚悟を決めてもらいましょうか。

そして、この星の支配者国家としての姿を、このわたしに全て晒し出しなさい!

覇帝姫宮殿要塞ヴァーンニクス、惑星級破壊砲プラネットカノンを最小パワーに絞って発射なさい!」


「了解、マイマスター」


ヴァーンニクスの電子音が響き、宮殿要塞の下部が煌めいた。

次の瞬間、わたしの足元に広がっていた都市がまるごと消し飛んで、凄まじい爆光に包まれて完全に消滅した。

惑星級破壊砲プラネットカノンは都市を支えていた大地をも貫いて、その下に隠されていたものを白日の下に晒した。

都市の下に巨大地下空間ジオフロントが広がっていた。

巨大地下空間ジオフロントの底は暗黒に染められて全く見通せない。

そしてその底なしの闇から生える様に白く輝く巨大なビル群が乱立していた。

この国の中心都市の地下には、巨大な都市がまるごと隠されていたのである。


「へえ、巨大地下空間ジオフロントに城があるとか、この大宇宙にあまねく存在する魔王の宮殿みたいじゃない。ダーウアジュラ星の魔神王宮殿デモンニウムを思い出さないかしら瑠詩羽?」


「デモンニウムは惑星規模の城ですし、その宮殿自体にも趣向があったと思いますよ舎留那。わたしから見れば此処は只の穴ぐらで、こそこそ隠れ住んでいるとしか見えないですけれどね。…おや、穴の底から何か出てきます?」


ジオフロントの奥底から真っ白な戦闘機の一群が上がって来た。

これまでこの星で相手をした機体とは違う形状をしている。

それは今までの戦闘機ではあり得ない程の極音速のスピードでわたしたちに向かってきた。


「姫様、この機体は今まで入手したデータにもありませんな。どうやらこの星の『真の最新鋭機』の様です」


「そうですか、本当の最新鋭機なら少しは楽しめますか?」


わたしは破壊の意思を手に込めて振りかざした。

白い戦闘機は粉々に吹き飛んでその破片も残らず消え失せる。

その装甲強度は今までの変わりはない様である。

だが先頭の機体が吹き飛んでも臆することなく後続の機体は極音速で飛び続けわたしに接近すると、収束光線レーザーを射撃して攻撃してきた。


「これは、収束光線砲レーザーカノンですか?」


収束光線レーザーはわたしに命中し光は霧散して消え失せる。

わたしを傷つける火力は到底無いが、明らかに今まで相手にしてきたこの星の兵器とは技術レベルが違う。

白い戦闘機群はわたしがこの星で今までに相手にして来た機動兵器では有り得なかった高い機動性でわたしたちをぐるりと取り囲むと、収束光線レーザーを一斉射して来た。

この程度の威力の収束光線レーザーの斉射ではわたしの髪一本も焼くことも出来ないが、わたしはこの星で最も優れているであろう技術を投入してきたその行為に敬意を称することにした。


「テクロノジーはまだまだ稚拙ですが、最新技術の兵器を惜しげもなく投入してきたその気概と戦意は買いましょう!

ならば、直々にわたしの目に焼きつけられて爆ぜなさい!」


わたしは破壊の意思を込めた瞳で白い戦闘機群を”視た”。

視られた対象物に破壊の事象が具現化する。

その高い機動性も速度も意味は無く、白い戦闘機群のその全ては粉々に吹き飛んで消滅した。


斥候せっこうは消えましたね。それでは参りましょうか、この星の王のもとへ」


わたしたちは巨大地下空間ジオフロントの底へと降下を開始する。

そこは更に広い空間がどこまでも広がっており、その底は闇がかっていて全く見通せない。

その底の見え無さは、わたしが以前に暗黒惑星フォウル・ダグンに侵攻した時の事を思い出させた。


降下していくわたしたちに向かってスパークを纏った白い砲弾が一斉に発射された。

この惑星上で今までわたしが受けた砲撃では見なかったタイプの砲弾である。

続いて光線ビームがわたしたちに向けて一斉に照射された。


「姫様、電磁砲レールガン光線砲ビームカノンですな。これらもテクノロジーはまだ稚拙ですが」


「先程の白い戦闘機に続いてこの星の最高の技術を出してきたという事でしょうか? 良い趣向ですね、どんどん出してください!」


電磁砲レールガン光線砲ビームカノンの猛射がわたしたちを貫くがその程度の火力など全く問題は無い。

わたしが破壊の意思を込めた手をかざすと射撃元の電磁砲門と光線砲門が次々と爆散していく。

そして砲の無力化と同時に、この地下空間に乱立するビル群にも手をかざして次々と無に帰していった。

わたしはこの国の思考、在り方、行動、その全てが気に喰わないのである。

だから、一人残らず、平等に、全て消してやるのだ。


電磁砲レールガン光線砲ビームカノンの砲門は次々とジオフロントの壁面から迫り出して射撃してくる。

わたしはその度に次々と手をかざしてそれらの砲を破壊していく。

スパークを纏った砲弾も、光線ビームも、発射元の砲門を失ってその砲数を減らしていく。


突如、その全身をプレート状の鎧に包んだまるで機械人の様な姿をした者たちが、背中のロケットブースターから火を吹かせて高速飛行してわたしに襲い掛かる。

一人はその鉄拳を叩き込み、二人目は蹴りを叩き込む、三人目は手をかざしエネルギー波を撃ち放って攻撃する。

しかしその攻撃の全てはわたしの周りを覆う”力場”に阻まれてわたしの身体には全く届かなかった。


「テクノロジーで作り上げた機械の鎧でその身を包み、戦闘力を引き上げているのですね。

なるほど、肉体自体も改造していますか?

ですがその程度ではまだまだわたしに触れられるレベルではありませんよ。

わたしの”力場”は殺意を持った相手に対して自動的に発動します。

それを超えてわたしの身体に一撃を入れるには、力場を上回る力が必要なのですよ。

長距離兵器の攻撃が通じないわたしに肉弾戦による接近戦を挑んだ気概は買いますが、あなたたち如きレベルではその資格すら無いということです。爆ぜなさい!」


わたしが破壊の意思を込めた言葉の通り、機械の鎧人たちは爆散して吹き飛んだ。

今度は高さ10メートル程の人型機動兵器がその背に生えた飛行翼からブースターを噴かせ、その手に持ったライフルを斉射しながら高速で接近してくる。


「ふふ、この星にも人型の機動兵器はいたのですね。でもテクロノジーレベルはまだまだの様です。これもわたしの力場を抜ける資格すらありませんね、消えなさい!」


わたしが破壊の意思を込めた手を振るうと、この星での最高の技術で作られたと思われる人型機動兵器は瞬く間に粉々に吹き飛んだ。


巨大地下空間ジオフロントの底へ底へと降下していくわたしたちに向けて、電磁砲レールガン光線砲ビームカノンが散発的に射撃してくるが、わたしはその度にその砲門の位置を把握して破壊の意思を込めた手をかざして薙ぎ払っていく。

機械鎧人たち、真っ白な戦闘機、人型機動兵器の増援も次々と現れて攻撃をしかけて来る。

だがこれらのことごとくはわたしが瞳に、声に、手に破壊の意思を込めて破壊を事象化させて次々と無に還していく。

これらの破壊と同時に巨大地下空間ジオフロントに並び立つビル群の破壊にも余念は無い。

破壊の意思を込めた手をかざして次々と消し飛ばしていく。

最早、巨大地下空間ジオフロントにそびえ立っていた白く輝く巨大都市はその形相を無くし、此処は何もないがらんとした空間と化しつつあった。


ついに、巨大地下空間ジオフロントの底が見えてきた。

その底には巨大な怪物が居た。

太く長い首をしならせその先の頭には角が生えている。

鋭い牙を生やした巨大な口。

逞しい胴体に腹。

太く逞しい四肢の手足。

その背には巨大な翼。

太く長い尾。


「へええ、ドラゴンじゃあない? この星の人間が人工的に作り出した? それっぽくなっているんじゃないかしら? 瑠詩羽、コイツはワタシが貰うわよ!」


舎留那は不敵にニヤリと笑うとドラゴンに向かって弾丸のごとく飛んだ。


「グオオオオオオオ!」


ドラゴンは咆哮を上げるとその口内にエネルギーを収束して発射した。

放れた光線は舎留那に直撃し大爆発を起こすが、舎留那は涼しい顔で微動だにしない。

舎留那をドラゴンの長い首を両手でつかみ上げると、投げ縄の様に振り回してそのまま凄まじい勢いで地面に叩きつけた。

そしてぴくぴくと身体を痙攣させ動かなくなったドラゴンに向けて手を振り下ろす。

ドラゴンは舎留那が生み出した炎の斬撃波に三枚に下ろされてその肉片も瞬く間に灰になって消滅した。


「随分と見掛け倒しねえ、所詮はドラゴンもどきといったところかしら? つまらないわ…はっ!?」


突然上空から一条の銀の光が凄まじい速度で飛来して、舎留那を掠めた。


「…アタシの”力場”を引き裂いたですって!?」


舎留那を通り過ぎたその銀の光は空中で静止するとくるりと回転しその刃先をわたしたちと向き直す。


「…槍ですか!? ハクリュウ、これはこの星のレベルでは逸脱した攻撃力に見えますが?」


「姫様、データによるとこの槍はこの星で最も名高い聖遺物せいいぶつ、名は『ロンギヌスの聖槍』です。

これはあの長靴の半島の宗教都市にあった聖槍と同じ型です。

なるほど、あの宗教都市にあったのは見た目だけの只のレプリカで、力在るオリジナルをこの国が持っていたという事ですな」


「へえ、聖遺物の武器ならアタシの相手にとって不足は無いわね」


「ちょっと待ってください舎留那!

せっかくですから、わたしがこの星の国家群を攻めていた中で入手して来た同程度の武器と比べて、どちらが威力が上かを実戦したいと思います。

わたしは以前の宝物殿を持っていた時の様に何でも彼んでも収集するというのは避けて、厳選して良いものだけ残したいのですよ。

この星で最も強力な武器のみ手元に残したいのです。

ですからその槍の相手はわたしに譲ってもらえませんか?」


「ええー!? それはないわよ瑠詩羽! アタシも強い相手に暴れたいのに!」


「必ずこの埋め合わせはしますから」


わたしは片目をつぶって両手を合わせてお願いをした。


「まったく、瑠詩羽にそこまで言われたら仕方がないわね…。でも必ずその埋め合わせはして貰うわよ!」


「ありがとう舎留那、それでは!」


わたしはそう述べると目の前のに展開した収納空間から一本の剣を引き抜いた。黄金色に輝く豪華な造りの剣。


「『エクスカリバー』!」


わたしは手に持った剣を聖槍に向かって投擲とうかくした。

聖槍もこちらに飛んで来て、互いに凄まじい速度で飛んで衝突、そして剣のほうが砕け散った。


「ふふっ、あちらのほうが優れていましたか。ならこれらの武器ならどうでしょう!」


わたしは収納空間から次々と武器を取り寄せると槍に向かって投擲する。


「『バルムンク』!」


「『グングニル』!」


「『フラガラッハ』!」


「『鬼切丸』!」


「『水龍剣』!」


だがそれらの全ては槍の突進に砕かれて消滅した。


「なかなかやりますね! それではこれはどうでしょうか!」


わたしは収納空間から一本の赤茶色の古ぼけた剣を手に取ると聖槍に向かって投擲した。


ばきぃいいん! と音を立てて槍の方が砕け散った。


「ふふふ! この剣はこの星で最弱国の王家に伝わる『クサナギ』と言う剣だったのですけれど、あの王家自体は力なき傀儡でも剣は本物だったのですね!

あはははは! この星で最も名高い聖遺物の聖槍が! この星の最弱国の傀儡の王家の剣に負けるなんて! なんて滑稽で! とても面白いですよね!」



「姫様、全ての攻撃が完全に止みました。今の聖遺物の聖槍がこの国の最後の兵器だったようです。これでこの星の征服は完了と思われます」


「まだですよハクリュウ。…居ますね…この下に」


わたしの足が巨大地下空間ジオフロントの底の地面に触れた瞬間、まるで水面みなもに触れて出来た、さざ波のように地面全体が揺らめいた。


「これは異次元空間への入り口…姫様! これはこの星のテクノロジーを遙かに超越しています!」



「やはりですね。地上の都市も、巨大地下空間ジオフロントの巨大都市も、その何もかもが、ここを隠すための欺瞞情報だったという訳ですね。この星の本当の支配者を隠すための。

それでは、今のわたしが出せる最大の戦力で向かうといたしましょうか。

エドガン! 『女神型機動兵器ヴァルキリーアーマーシルフィール』の封印解除をお願いします!」


「あいよ姫さん! 『シルフィア』75号機の次元封印を解くぜ! 女神型機動兵器ヴァルキリーアーマーシルフィール、機動!」


「ヴァーンニクス、シルフィールをこちらに!」


「了解、マイマスター。巨大地下空間ジオフロント最下層に転移軸固定、空間跳躍完了です」


ヴァーンニクスの電子音声と共に私の背後の空間が揺らめいて白緑に輝く鋼の巨人が姿を現した。



「わたしの最強のモフモフ、『幻雷獅子皇獣げんらいししおうじゅうアルマレオン』、出なさい!」


わたしの後ろの空間が歪んで雷を纏った一匹の巨大な獅子が姿を現した。



「さあ、それでは参りましょう。この地球と呼ばれる星の真の支配者である『星の王』の元へ」


わたしたちは巨大地下空間ジオフロントの底を抜け、闇に包まれた異次元空間へと入った。

更に下へと下へと降下していく。

無限に続くと思われた闇の底に光輝く何かが見えた。





※この小説はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

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