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6話 人類Side②

人類Sideです。


人間たちの対応は...?





ーーソルブレイユ王国 王城 謁見の間ーー


「黒く巨大な海の魔物....そう言ったか?カミラよ」


「は!」


聖騎士:カミラ・クリムゾンはひざまづき、玉座に座る国王に報告していた。


彼女が船にて遭遇した魔物についての報告だ。


玉座に座るのはソルブレイユ王国の国王:カルロス・ヴァン・ソルブレイユである。


その側に控えるのはこの国の宰相:ハビエル・ダム・ガルシア公爵。


そしてこの国の騎士の頂点、聖騎士団長:ニコラス・ハルメナスだ。


「クラーケンを一口とは...厄介なものだ。」


ガルシア公爵は俄には信じられないといった表情でカミラを見ているが、彼女の表情には一切の偽りもない。


そのことから真実だと悟ったようだ。


「その魔物は我々聖騎士全員でかかればでなんとかなりそうか?」


ニコラスはカミラに問いかける。


このニコラスという男は、剣の実力だけでこの地位にまで上り詰めた猛者であり、その実力から〔剣聖〕という名まで与えられた男である。


魔法の実力もあるが、彼は剣だけで相手を沈めてきたため勝負において魔法を使用したことはない。


そんな彼の質問に、カミラは首を横に振る。


「私にはわかりかねます。しかしいくつかの命を失う覚悟をもたれた方がよろしいかと...」


「其方にそこまで言わせるとは...」


カルロスはカミラの言葉に深く息を吐いた。


カミラの実力は聖騎士の中でも上位に位置することをカルロスは知っている。そんな彼女の口から命を失うといった言葉が出たことに驚いた。


全員が口を閉じると、カミラが再度口を開いた。


「それと、これは《魔力視》による情報なのですが...」


「うん?」


カミラの言葉に全員が耳を傾けた。


「奴の身体からは絶え間なく魔力が溢れておりました。可能性の話ではありますが、近頃海の魔物が強力になっているのはあやつから溢れる魔力の影響もあるのではないかと...」


「ふむ...《魔力視》でそう感じたならその可能性もあるな...」


「もしや、魔王がその魔物を生み出したのでは?」


「我らの他国からの物資補給を防ぐためか。一国ずつ確実に潰すためならばあり得るな。」


国王、宰相、団長が話し合いを始め、全員が考え始めたその時、



「報告します!王都より東の方向上空に巨大な魔物の姿を確認!こちらに向かってきております!!」


東の方向、巨大な魔物。


王都の東には港町がある。


そしてそこからさらに東の方角に進むと、その場所があの魔物と遭遇した海だ。


カミラは謁見の間のすぐそばのバルコニーへ飛び出し、空を見上げる。


そこには、以前遭遇した海の魔物が上空を漂う姿だった。


「飛んでいる...だと....?」


カミラはあまりの事態に言葉を失い、国王たちも呆然とかの姿を見ていた。


あの魔物は王都を太陽の光から覆い隠すと、口を大きくあける。



ーーボオォォォォォォォォォォォ!!!!!!ーー



その巨体から発せられた魔力の籠った咆哮は王都全体へ降り注ぐ。


その魔物は王都上空を通り抜け、突如消え去った。


「き....消え....た.........?」


光の戻った空を見上げてカルロスが呟いた。


カミラは上空を隈なく探したが、魔物の姿はおろか、魔力の一片すら見当たらない。


「あれほどの巨体が空を飛ぶとは...魔王は本気で我らを潰すつもりのようだな。」


カルロスがため息まじりで玉座に倒れ込んだ。


「陛下、先程の魔物は我々が海で見た魔物と同じです。」


「「「なに!!?」」」


カミラの言葉にその場にいた全員が大声を上げた。


海の中でも十分な脅威だったが、これが陸にまで侵蝕してくるとなると話が変わってくる。


「あの魔物をどうにかしなくては、この国が危ないな。」


そう考えたカルロスは討伐隊を編成することに決めたのだった。






♢♢♢





ーー魔王城ーー




「え?海の魔物?ナニソレ???」


「は?」


次々に上がってくる書類にポンポンと印を押し、サラサラとサインをしているところで伝えられた口頭での報告に魔王はサインを書く手を止める。


「ま、魔王様がかの魔物を放たれたのではないのですか!?」


「うん、というかその情報を知ったのが今なんだけど。」


「はあぁぁぁぁぁぁぁぁ...」


魔王の言葉に深くため息をついた魔王の従者は頭を抱える。


「それじゃあ魔王様、もう一度最初から話しますから聞いててください。」


「おっけーい」


従者はそこから件の海の魔物について説明する。


海の魔物が強力になったこと、大きな魔物が海で発生したこと、その魔物からは絶えず魔素が漏れ出ていること。


この3点を含めて話すと、魔王は


「へぇ...すごいね」


と言葉を漏らした。


「スカウトしてきてよ。」


「魔王様、相手は魔物です。魔法で従わせればいいのです。」


「僕の考えだとその魔物、自意識確立してるよ。」


「へ?」


従者の反応を気にすることもなく、魔王は物思いに耽り始める。



ーーどうせなら、対等な友人として関係を築きたいよねぇ...


そう考えた魔王は、この従者に気づかれることなく脱出する方法を考え始めるのだった。







魔王登場!


今はまだ名前伏せてます...

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