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5話 種族

主人公視点です。






この世界には人間、獣人、エルフを始めとした多種多様な種族が生活している。


これらの種族は全て平等であり、種族ごとに差別的扱いを受けることはあってはならない。


この世界で一般的に知られている法律の一つである。


この法律はおおよそどの国家でも適用されている法律であり、違反した場合はその個人、団体に厳罰が下る法律である。


しかし、この法律を適用していない国家も存在する。


聖王国は人間族至上主義を掲げており、国内においての多種族の入国禁止などあからさまな差別的行動を行なっている。


人間族ではないものを総称して「亜人」と呼び、見下す。


この差別には各種族の使用魔法に深く関係がある。


この世界には種族ごとに使用可能な魔法が存在する。


人間族は「聖魔法」、エルフ族は「精霊魔法」、獣人が「獣化魔法」である。


エルフ族の精霊魔法や獣人の獣化魔法は言葉の通り、精霊にお願いすることで発生する魔法、獣化魔法は獣人本来の姿へと変身し身体能力を向上させる魔法である。


しかし、人間族の聖魔法とは、いわゆる高度な回復魔法である。


簡単な回復魔法はどの種族にも使用可能な魔法なのだが、四肢の欠損を直すなどの高度な回復魔法や、魔に属する者の浄化などは聖魔法に分類され、人間族以外には覚えることすらできない。


そのため聖王国の上層部は、他種族のことを「回復魔法が使えないのは人じゃないからだ」といい差別するのだ。


これらの種族的差別は国家間の問題ではあるのだが、現在は先送りになってしまっている。


理由は一つ、魔王の存在だ。


魔族という種族が存在し、彼らは多種族と比べて身体能力も魔力保有量も多い。


そんな魔族の王として存在する魔王は魔族至上主義を掲げており、魔族以外の種族の隷属を目的として多種族を襲う。


一般的に、魔族が魔物を生み出しているため、魔物は魔族の命令を聞くものだと言われている。

しかし、魔物には基本的に自意識が存在せず、本能の赴くままに行動をする。魔族はそんな魔物を使役魔法にて従わせているため、魔物は魔族に従うのだ。


しかし、一部自意識を確立した魔物に使役魔法は効かず、自ら考え行動するため他とは違った行動をとりがちである。


その魔物は他と比べても成長スピードも速く、より強力に成長するため、彼らを“変異種“と呼び、警戒する。




♢♢♢







転移で海へと戻ってきた私は、人化の魔法を覚えることにした。


さっき街の上を通った時、風に乗せてとってもいい匂いがしたんだよ!


まぁいろんな匂いがごちゃ混ぜになってて具体的にこの匂いっていうのはわからなかったけどね。


その匂いの正体を突き止めるために、人間の街へ潜入したい。


食い意地を貼っているわけではないと言っておく。


でもさ、もと人間としては魚以外のものも食べたいわけさ。


空高く立ち登るあの香り、絶対美味しいでしょ。


しかし皆さんご存知の通り、私はクジラなのでシルエット的にもサイズ的にも人間の街に入ることはできないんだ。


創造神様に聞いたところによると、この世界には竜人族と呼ばれる種族がいるらしく、彼らはいつもドラゴンの姿なのだが、必要に応じて人化の魔法で人型へと姿を変えるのだそうだ。


その魔法を覚えれば私は人間の街へ自由に出入りすることが可能になる。


しかし完全な人間になれるわけではなく、一部種族的な特徴が残るとのこと。


私は想像した。


頭がクジラ、身体が人間....


クジラの頭をした二足歩行する人間の姿が思い浮かんだ。


気持ち悪っ!!!


え、こんな姿になったら一生引きこもるわ。


元女子高生としてこんな姿は耐えられない。


想像して少し怖くなった私だが、やってみなければわからないだろうと思い試してみることにした。


やり方はどうやるんですか創造神様?


....ふーん、


またもや、想像力らしい。


この世界って想像だけでなんとかなるんですか、


なっちゃうんですね?わかりましたはい。


というわけで、Let’s人化!!


身体が淡い紫色の光に包まれ、大きなクジラの身体がみるみる小さくなっていく。


そして光が収まった時、そこにいたのは前世と同じサイズの私。


全体的に色白のすらっとした体型、胸はリンゴくらいのサイズと言えばわかりやすいかな?


髪は艶々で、濃紺の長髪が背中まで伸びている。前世はここまで伸びていなかった。


髪以外は前世と同じだが、この後だ。


種族的特徴として、腰から髪色と同じ濃紺のクジラの尾が生えていた。長さとしては足+30cmくらい。


それと、前腕とふくらはぎにヒレが生えていた。色は尾と同じである。


全体像を見た時、どこからどう見てもクジラには見えない。


完全に女の子だ。


「よかった、ちゃんとした見た目だった...」


先ほど想像した摩訶不思議なクジラ人間を頭から振り払いつぶやいた。


そういえば、この世界に来て初めて「ボォ」以外の言葉喋ったわ。


日本語だけど、言葉通じるのかな?


教えて!創造神先生!


...あ、通じない?


《言語理解》が必要?


それはどうやって取得を...あ、そうですか。


創造神様が与えておきますだってさ、ありがとうございます!!


というわけで、《言語理解》ゲット!!


さて、人の姿もゲットしたところで街に行こうと思うんだけど。


そう言えば、クジラの時って全裸だったのよね。


だから人の姿の私も全裸なのよ。


この人間の姿で全裸は少し恥ずかしい。


魔力で服を生成可能らしいから作ってしまおう。


魔力を身体に纏わせてっと。


出来上がった衣装がこちら。


ノースリーブで全身にピッタリと張り付いたエメラルドグリーンの服。


ウェットスーツだなこりゃ。


ちなみにこれの下には水着を着てます。


ビキニタイプのやつ。色は濃紺。


尻尾も出てるし、腕とふくらはぎのヒレも邪魔されてない。


実用性あるし、これでいいや。


さ!これで陸に向かおう!!





とうとう人里へ進出!


衣装は自分でもよくわかってないので、皆さんで似合う服を想像してお読みください...

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