プロローグ
前世の名前は高円寺 大和。
何不自由のない生活、恵まれた環境、有り余る才能、私は全てを兼ね備えていた。
完璧な人間から人は遠ざかるように出来ているらしい。
だが私も低能な者たちと戯れる気もない。
私は生まれてからこの方全てを一人でなしてきた。
それだけの能力が私にはあったのだ。
そんな私は今、空を飛んでいる。いくら完璧な私でも空は飛べない。
どうやら居眠り運転の車に跳ね飛ばされたようだ。
これだから愚民は嫌なのだ。そう思ったところで意識は途絶えた。
白い世界
その白い世界には私と老人がいた。
老人は言った。
「すまん!手違いで死なせてしまった!!
お詫びに転生させてあげるから許してくれ!」
軽く言われた。
曰くこの老人は神らしい。
曰く私は当初死ぬ予定ではなかったらしい。
曰く異世界に転生させてくれるらしい。
騒いでも仕方あるまい。それで反感を買っても困るしな。
「なるべく前世を参考に基本性能も上乗せしといたから!それじゃ!」
神はそう言うなり足早に去っていった。
そして私の意識もまた遠のく・・。
そしてまた意識が覚醒したとき、私は自分の身が赤ん坊の身であることを確認した。
どうやら無事転生したらしい。
ふう・・・。
ふは、ふはははは!!転生したった!!ひやっふぅーーー!!!
やり直せる!あの孤独な人生とはグッバイだ!
思えば前世は人付き合いが苦手なおかげでひどく寂しい人生であった・・。
友達!欲しいよ友達!!
学校でのグループ作りでもぼっち!先生からは大和くんは1人の方がやりやすいよね?という職務放棄!!
あんなのはもぅごめんだね。
新しい人生では友達に囲まれた楽しいものにしたい!
剣あり、魔法ありの素晴らしい世界!!
やっちゃうよ!テンション上げ上げでやっちゃうよ!
ハイスペックな体らしいからステータスの確認が楽しみだ。
へぇ、スキルなんて欄もあるのか。どれどれ・・。
え、あれ?なんかスキル欄にぼっちとかあるんですけど!?大丈夫なのこれ!!?
「なるべく前世を参考に基本性能も上乗せしといたから!それじゃ!」
神様の言葉がフラッシュバックした。
余計なこトヲォォォォォ!赤ん坊の言葉にならない叫びで私は泣き叫んだ。