表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
本田姉弟の話  作者: ふみ
1/7

本田姉弟の朝

本田奏太の朝はいつも騒がしい。その原因は姉の姫香にある。

「そ・う・た・くんっ!!そろそろ起きよっかー」

「うわっ姉ちゃんやめろよ!もう起きるから!」

奏太は姫香に覆い被さられキスをされそうになる。

これは日課だ。奏太はもう慣れている。嫌がる素振りは演技で、姫香が本当はキスをしてこないことを知っている。姫香は奏太の演技に気付いているのかは不明だが、しつこくキスをしようとはしなかった。


「おはよう奏太くん!今日も可愛いね、大好きだよ」

うっとりとした表情で姫香は覆い被さったまま言う。

「はいはい、わかったから退いて」

この類の発言も慣れた。いちいち構っていられないのだ。

「んもぉ素っ気ないなー まぁいいや朝ご飯の準備してくるね、着替えておいでよー?あ、着替え手伝おうか」

「出てって!」

姫香を自分の部屋から追い出し、はぁ。とため息をつく。奏太の朝はいつも騒がしい。


奏太は布団から出て、目についた服を着て、洗面台に向かう。顔を洗って歯を磨くなど、日常の作業を行い、姫香の待つリビングへ向かう。

「奏太くん、ご飯できたよ。食べさせてあげるね」

奏太の席の隣の席で姫香は待っていた。そして、当たり前のようにそう告げる。

「いいよ姉ちゃん!自分で食べるから!」

「遠慮しないで、もっとお姉ちゃんに甘えていいのよ」

「遠慮じゃないよ!普通に食べれるから!ていうか自分で食べたい!」

「でも、」

「でもじゃなくて!」

姫香は渋々諦める。姫香の表情は寂しそうなものであった。姫香の表情を見た奏太は胸が痛んだが、目を背けた。


朝食を食べ終えると時間は登校する時間になっていた。奏太は食器を片付け、ランドセルを背負う。

「じゃあ、いってきまーす」

「待って奏太くん!いってらっしゃいのキスは?」

「しないよ!」

奏太は逃げるように玄関を出た。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ