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手助けの手引  作者: zacky
4/5

登校の手引


4,


珍しいことに今朝は由衣に起こされることがなかった。


しかし、もう一つ珍しいことがあった。それは布団の中に違和感を感じるのだ。


おもらしじゃないよ?流石にそういうのは卒業したよ?


違和感の正体は由衣だった。珍しいことに起こしに来てそのまま寝てしまったようだ。


こういう所を見るといつもしっかりしている由衣がまだ中1なのだということに気付かされる。


時計を見ると7:50になっていた。これは学校始まって早々遅刻の危機のようだ。


由衣を起こさないように布団から抜けだして学校に行く準備をする。


我らが狂春高校では男子はネクタイ女子はリボンが絶対着用なのだが、これが難敵だ。


一般人からしてみればネクタイという物は社畜のつける首輪だ。


だが中学までつけていなかった俺にとってネクタイというのは未知の存在。


即ちUMAなのだ。UMA NEKUTAIなのだ。


やっと着けれた。時間があれば鏡の前で整えたいところなのだが、そんな時間もない。


仕方ないので由衣の額にキスをして家を出た。


キスはしなかった。小声で「いってきます」だけは言った。


家をでると見事な快晴だった。こんな日はゆっくり歩いて行きたいところだが時間もないので、走っていくしかなかった。いっそ遅刻ならゆっくりいくんだが、こういう遅刻一歩手前なのが一番面倒なのだ。


家を出て一分ほどすると後ろから俯きながら走ってくる@高校の女生徒がいた。


あの髪型、あの胸、あの大人しそうな顔はどう考えてもBちゃんだ。


友達作りの一貫だと思って挨拶をした。


「おはよう西野さん。」


「お、おはよぉ城山君やったよね?」


「そうだよ。家この辺なの?」


「そ、そうです。ご、ごめん私急いでるので」


なんで敬語なんだ。しかもなんかカタコトだ。


「そっか、じゃあ先行ってて。また後でね。」


◇◇◇◇


うわっ。あれは昨日の新婚城山くんや・・・・


できれば喋りたないなぁ、隠れていこ。


「おはよう西野さん。」


ばれてしもた・・・・ほんまについてないなぁ


「お、おはよぉ城山君やったよね?」


「そうだよ。家この辺なの?」


「そ、そうです。ご、ごめん私急いでるので」


危ない。関西弁でるとこやったわ。


「そっか、じゃあ先行ってて。また後でね。」


それにしても真面目そうな顔やのに意外と時間ぎりぎりなタイプなんやなぁ。


もしかして、昨夜は随分遅くまでおきてたんやろか。


とにかく急がな。入学早々目つけられたないし、部活の募集掲示板見ときたいしな。



野球部にサッカー部、新聞部、吹奏楽部、PC研etc・・・・


囲碁部とか将棋部ないんか・・・・


せや!自分で作ればええんや!なんて考えにはならんしなぁ・・・・


内気と思われてるウチが募集なんてしたら、


「やだ、あの子ってそういうタイプだったんだぁ(笑)」


「なんかキモいなぁ(笑)」


とか思われると嫌やしなぁ。案外人は見た目と違うだけで笑ったりする酷い生物やからなぁ。


高校でこそはボードゲーム一緒にできる友達が欲しかったんやけどな。


しゃーないしオンラインの将棋ゲームで諦めよか・・・・


◇◇◇


ふぅギリギリセーフ。


間に合った。結構危なかったな。今度からは気をつけよう。


そんな風に新しい年度の序盤から失敗した自分を諌めながら、教室に向かっていると西野ちゃんが掲示板を見ていた。


読書とか好きそうな見た目だから


てっきり一人でいるのが好きなのかと思っていたが、部活選びを積極的にしているところを見ると意外とそうでもないようだ。


意外とHなのかもしれない。ああいう子に限って露出癖があるって書いてあった。


いや、なんでもない。


ただ俺も部活動は真剣に考えないといけない。


というのも、この@高校は進学校だが、人との交流を大事にしている学校で、部活動は強制参加なのだ。


もちろん知り合いと一緒のほうが気が楽なので、できることならAと同じ部活がいい。


あいつとなら困ったとき助けてもらえるからな。


小さいころから勉強教えてやったりしてるせいか、Aは学校生活で困ったときでも助けてくれる都合のいい、いや優しい女の子なのだ。


正直な話をすると、純華が狂春高校にきたのは本当に意外だった。中学の頃は品行方正ではあるが、勉強は中の上。県内トップと言われる狂春高校に行くと言い出した時は本当にびっくりした。なんだったら、受からないと思ったまである。


ちなみに俺の志望校は最初から狂春高校、その後は国立大学の医学部にいって医者になるのが目標だ。


由衣をいつまでも養ってやれるようにしたいから。できるだけ高収入な職業につきたい、と思っている。実際は養うべき由衣に養われてしまっている。


話を戻そう。部活動の話だ。できれば文化系の部活がいい。それも比較的早く家に帰れそうな楽な部活。もっといえば在席している事だけを表すための部活。


・・・404not foundネットでいえばこんな感じ・・・けっこうどの部活も気合入ってそうだ。もう毎日ピポピタンD飲んでそう。あぁロミオ・・・私の望む部活はないのっ!!


そんな事よりHRだ。heart rate心拍数だ。 やだっ!私ドキドキしてる!?


何やってるんだ俺は・・・ホームルームだ。


この日から6限目まであるので昼食が必要だった。


本当なら由衣にお弁当を作ってもらうつもりだったが、今朝の由衣はあんな感じだったのでお弁当は持ってきていない。仕方なく学食に向かおうとするとAが青い顔をして俺の席に向かって歩いてきた。


「Aどうした?お前もお弁当忘れか?今から学食行くから奢るぞ?」


幸い叔母さんには十分過ぎるほどお小遣いを貰っている。


「違うの・・・そうじゃないのゆいき・・・」


「ん?トイレか?流石に俺は男子だから女子トイレには入れないぞ?」


「違うって!ちょっと耳貸して!」


「耳貸すって耳打ち・・・だよな?いや、周りの目もあるからさ・・・?な?」


そう言うと純華は強引に俺の耳に顔を寄せた


「笑わないでね・・・?あのね、先生の言ってることがわかんないの・・・」


「分かった!わかったから!ちょっと別のとこ行こうな!!」


窓際の女子達は完全に純華と俺のことを見ていた。



「ねぇ今あの男子純華ちゃんに別のとこいこうって言わなかった?」


「もしかして純華ちゃんあいつに脅されてるんじゃ・・・大丈夫だよね・・・・?」

「あの男子なんか目つき悪いもんね、私怪しいと思ってたんだ」




変な所だけどここまで 次は中庭に結絆と純華がいくとこから

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