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【ブラコン※ブリザード】   作者: 雨雪琴音
【五章】 妹(マイ)デートタイム
75/78

【57話】恋愛双六5

雪音のアバターが、雪音の選んだ選択肢の結果として7マスも進んだ。

『え?7マスも⁉︎』

って思わず口に出てしまったのだが、その途端に俺以外の皆が、俺を除け者にして、何やらこそこそ呟き合い始めた。

「いや、あれは仕方ないよ」

「あれは、ないな〜」

「雪音ちゃん可愛そう…」

「鈍すぎだよね…」

俺には、何一つ聞こえなかったが、きっとルールの確認でもしていたのだろう。


…5分ぐらい俺は、放置された。

放置されるのって辛いね…。


『よし、次は、マイターンだね!』

次は、雷花の番だった。

『お兄ちゃん!私、このコントローラーの使い方が分からないから教えて⁉︎』

雷花のやつ、さっき俺が、雪音に教えてたのを隣で見てたはずだが⁉︎

『さっき、、』

『私、女の子で、機械苦手だから、教えて?』

確かに女の子って機械苦手だからな。

仕方ない。雪音に教えて雷花に教えないのは、不公平だから教えてやろう。

『まず、』

『お兄ちゃん、口だけじゃなくて、身体も使ってよ!』

『わっ、わかった』

取り敢えず、雷花の後ろに回って、後ろから雷花の手の上に俺の手を重ねて、一緒にコントローラーを握って指導することにした。

『お兄ちゃん、私、初めてだけど、激しくしていいよ』

雷花は、厳しく教えて貰うのが好みらしい。


この時俺は、気づかないふりをしていたのだが、美水と雪音と乙女川さんのいる方から激しい殺気を感じていた。

振り返っちゃっ駄目だ。振り返っちゃ駄目だ。

本能が、俺に警告していた。


雷花のアバターは、サイコロの目の5を出して進み、案の定、止まったマスで質問が出題された。

『あなたのお兄さんに彼女が出来ました。あなたならどうしますか⁇[①別れさせる][②様子を見る][③祝福する]』

雷花は、この質問の答えとして、③番を選択した。

雷花は、何だかんだ言って兄想いの良い妹だな。

『この選択肢以外ありえないよ!』

と雷花は、口にしていた。

ボーナスとして、雷花は、10マス進んだが、ここは、多めに見よう。

なんて言ったって、妹がついに兄離れしたのだから…

兄としては、少し寂しいな。


『雷花ちゃん…いいえ、未来の私の可愛い義妹ちゃん!ついに私と恭弥様の仲を認める気になったのですわね⁉︎』

『え?いつ、私がそんなこと言ったのかな⁇』

『だって、さっき、恭弥様と彼女の仲を祝福するって…』

『お兄ちゃんの彼女になるのは、私以外にありえないし、だから私が祝福するのは、私自身に決まってるんだよ⁉︎』

『姉チョッープ!』

『妹真剣白刃取り!』


何やら向こうで、雷花と美水が、手刀を使って戯れている様だが、仲が良いのは良いことなので、暫く二人きりにして、そっとしておこう。






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