【47.5】天使の翼
『それで二人は何しに来たんだ?』
素朴な疑問を投げかけてみた。
『それはもちろん、愛する婚約者のお見舞いですわ。あっ、大事なものを忘れていましたわ!雪音ちゃん、早く取りにいきましょう‼︎』
バタバタバタ。
トテトテトテ。
美水が雪音の手を引いて病室を出て行った。
『忘れ物?……あっ!なる程。きっとお見舞いに来たんだからお見舞いの品だよな。美水のやつ、気を使わなくていいのに』
ガラガラガラ
『ただいまですわ』
『ぱぱ…ただいま』
『あぁ、早かったな……って‼︎‼︎何だそれっ‼︎』
『翼ですわ』
いや、翼だよね⁉︎うん、翼だね。それが翼なのは、見ればわかるけど…俺は、何故美水と雪音の背中に翼が着いているのか、その理由が知りたいのだ。
『忘れ物って、その翼だったのか⁇』
お見舞いの品じゃなかったのか…。
『はい。この天使の翼です』
天使?今、美水のやつ、天使とか言ったか⁇
『何で翼なんだ?』
『白衣の天使には、天使の翼が必要なのは、常識ですわ』
どうやら常識らしい。
『ぱぱの…いたいのいたいの…とんでけ…』
背中に天使の翼を着けた小さな白衣の天使が…いや、本物の天使がそこにいた。
『ありがとうな雪音!雪音のおまじないのおかげかな、もうなんともないよ!雪音は、本物の天使みたいだな。いや、こんなに可愛い雪音が天使じゃなきゃおかしいよな!』
ぽふんっ!
トテトテトテ!!!
雪音が顔を真っ赤にして、走って病室から出て行ってしまった。
急にどうしたのだろうか。
あっ、もしかしてトイレかな。
うん、それなら仕方ないな。
あっ、俺もトイレに行こう!
『恭弥様!天使ならもう一人いますわよ‼︎私は恭弥様だけの白衣のエンジェル!私のピュアホワイトを早く恭弥様の色に染めて下さいませ!あらっ⁇まぁ、まぁ、なんてグッドタイミングなのでしょう‼︎こちらに私を押し倒すのに丁度良いベッドがありますわよ!私が恭弥様を押し倒してもよろしいのですが、やはりここは、恭弥様(殿方)にリードして欲しいと言いますか…』
『あっ、美水!頼みがあるんだけど…』
『はいっ‼︎ご注文ならなんなりと!どのようなコスプレ、プレイにもお応えしてみせる所存ですので、気軽にお申し付けて下さいませ‼︎‼︎』
『それじゃあ〜留守番頼むな!トイレに行ってくるから』
『え?』
美水が快く留守番してくれるそうなので、トイレに急いだ。




