表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【ブラコン※ブリザード】   作者: 雨雪琴音
【五章】 妹(マイ)デートタイム
60/78

【44話】王様ゲーム

『『『王様だぁ〜れだっ‼︎』』』

『あっ、また王様じゃない』

『私も外れましたわ』

『私も違うよぉ〜』

『ゆきが…おうさま』

王冠のマークが描かれた箸を手にしたのは、雪音だった。

『また雪音ちゃんが王様ですか?これで5回目ですわよね?なんて強運でしょう…』

『雪音は、運が強いなぁー』

『くっ、悔しいぃー』

今、俺と美水と雷花と雪音は、美水の別荘で王様ゲームをしている。

夜ご飯に海岸でBBQをした後、ゲーム大会をしようと美水が言い出して始まったのだ。

実は、この王様ゲームを始めてからずっと雪音が王様になっている。

雪音のやつ、なんて強運なのだろうか…

美水は驚愕し、雷花は悔しがっている。


二人とも『わたし(わたくし)が王様になったら…うふふふ負負負負…』的な事を言っていたので内心二人が王様になることにヒヤヒヤしていたが、実際に王様ゲームを始めると、思わぬダークホースが、王様を独占していた。


雪音が1回目の王様の時、

『ぱぱ…ゆきが…おうさま…』

『あぁ、そうだな』

『ぱぱ…ゆきのあたま…なでて』

『ぶーぶー!雪音ちゃん駄目ですわ!王様は、番号を指定して命令しないと駄目ですわ』

美水がブーイングを飛ばしていた。

『雪音ちゃんは、娘。雪音ちゃんは、娘。雪音ちゃんは、娘。』

雷花は、何かブツブツと自分に言い聞かせるように呟いていた。

『3が…おうさまの…あたま…なでて』

『あっ、俺、3番だ!』

雪音凄いな!

くしゃくしゃくしゃ

雪音の頭を撫でてあげた。

雪音は、無言で頭を撫でられていた。

『ずるいですわ!ずるいですわ!』

美水が騒いでいた。

撫で撫でが終えると

『ぱぱの…なでなでよかった…』

と雪音が言ってくれたので、どうやら満足してくれたらしい。

『次こそ、私が王様にっ‼︎』

美水がかなり意気込んでいた。


雪音が二回目の王様の時、

『2が…おうさまを…ぎゅっと…して』

『あっ、俺が2番だ。えぇと…』

『ぱぱ…はやく…』

『それじゃあ、遠慮なく』

ギュッ。

雪音を抱きしめた。

雪音は、黙っていたが、頬が少し赤くなっていた。

きっと、本当のパパとあまり関われないから、パパにして欲しいことを俺に頼んでいるのだろう。

『ぐやじいでずわ』

今度は、大人しいと思ったら、美水が泣いていた。

『いや、もう高校生なんだから王様ゲームで王様になれないぐらいで泣くなよ⁉︎なぁ、雷花もそう思うだろ⁇』

『そっ、そっ、そっ、そっ、ぞっ、そうだね』

雷花が小刻みに震えていた。

え?雷花までどうした?


雪音が3回目の王様の時、

『1が…おうさまを…おひめさまだっこ』

1番は…やはり俺だった。

雪音をすぐお姫様抱っこしてあげた。

『ゆき…おひめさまだね…』

『あぁ、そうだな』

『ぱぱが…おうじさま』

ぽっ。

雪音が頬を赤くしながら言ってきた。

きっとお姫様や王子様に憧れる年頃なのだろう。

今度、雪音のお姫様ごっこに付き合ってあげようかな。

べき、べきっ‼︎

何かが折れる音がしたので振り返ると、雷花と美水が王様ゲーム用の箸を手で折っていた。

『さぁ、次の王様を早く決めようよ!(決めましょう!)』


雪音が四回目の王様の時、

『2は…おうさまが…いいって…いうまで…めをあけたら…だめ』

2番は、言わずもがな俺だった。

俺は、すぐ目を閉じた。

ちゅっ、

何か柔らかいモノが頬に触れたような気がした。

『いい…よ』

『もう目を開けてもいいのか?』

『…うん』

目を開けると雪音が赤くなって、少しモジモジしていた。

『雪音の命令は、もう終わったのか?何もしてないみたいだけど…もしかして俺が目を瞑っている間に顔に落書きとかしたのか?』

『………』

ぽこぽこぽこ

急に雪音にお腹を叩かれた。

全然痛くないんだけど、雪音のやつ急にどうしたんだろうか…

ぐいっ!

グイッ!

『いふぁふぁふぁふぁっ(いたたたたっ)』

急に両頬に痛みが走った。

『お兄ちゃんは、妹の敵じゃなくて、味方だよね⁇』

『恭弥様は、妻を大切にしますわよね⁇』

『いふぁいから、ふぁなして!(いたいからはなして)』

俺の両頬は、雷花と美水に摘まれていた。

それからしばらく……頬を引っ張られるのは、続いた。


そして今現在、話は最初に戻り、丁度、雪音が5回目の王様になったところだ。

『3にしつもん』

やっぱり3番は、俺だった。

ここまで来るとさすがに運だけじゃないだろう。

雪音は、俺が何番を引いているのか見えているのかな?

もしかして…雪音は、エスパー?

そんなことを考えていたら雪音にとんでもない質問をされた。

『このなかで…だれが…いちばん…すき?』

この瞬間、俺は、窓に向かって走った。

陸上の短距離選手が、スタートのピストル音を聴いて、それに反応して瞬発的にスタートするように、俺は、(この質問に対して、どんな答えを出しても命が危ないと瞬時に肉体が判断し、)瞬発的なパワーを発揮し勢いよく走り出していた。

幸運にもここは、一階だ。

運がよければ、逃げ切れるだろう。

『ぐはっ‼︎』

運が俺に味方することは、なかった。

一瞬で雷花から手と足を手錠で捕らえられ、美水から縄でぐるぐる巻きに縛られた。

『お兄ちゃん、美水さんと雪音ちゃんを傷つけることになっても、自分の気持ちに嘘をつかないで欲しいの!正直に答えていいんだよ?私を1番好きだって!だって私は、妹だもんね!』

『恭弥様、恭弥様の気持ちは分かります。恭弥様は、お優しい方ですものね。だから他の方に気を使ってしまうのは、仕方ありません。そこが恭弥様の素敵なところだと存じております。ですので、私にだけ本音をお伝え下さい。私が1番ですと!!!』


やばいな。

この状況をどうしよう。

そうだ。雪音に質問を変えて貰おう!

そうしよう!

『雪音!』

『え?お兄ちゃん…雪音ちゃんを選ぶの⁇』

『恭弥様!妻より娘が大事なのですか⁇』

『え?いや、今のは違うよ⁇』

『もう、お兄ちゃんなんか知らないっ‼︎』

『うわぁーん、恭弥様の妻不幸者ー‼︎』

ドタドタドタドタ!

バタン、バタンッ

雷花と美水が、部屋から走って出て行ってしまった。

こうして、騒がし過ぎる王様ゲームは、最後まで騒がしいまま幕を閉じたのだった。









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ