【34話】嘘つきは、恋泥棒のはじまり!
『雷花、迎えに来たよってどう言うことだよ』
『悪い魔女に囚われたお兄ちゃんを助けに来たんだよ!』
『悪い魔女⁇』
『水神美水のことだよ!』
雷花の話についていけない。
『お兄ちゃんと美水は、夫婦なんかじゃないんだよ!』
『やっぱりか!』
『えいっ!ですわ』
いきなり俺の横を箒が横切った。
カキィーンッ‼︎
雷花が玄関の傘立てに立てかけられていた傘で箒を受け止めた。
『美水?』
私服に着替えた美水が雷花に箒で殴りかかっていた。
『何をしているのかな⁇水神美水!』
『ハエがいたから箒で叩いただけですわ。おほほほほ』
『そっか!そうなんだ!あっ!ハエさんが向こうに行ったみたいだよ!早くあっちに行ってくれるかな?私は、お兄ちゃんと大事な話があるから!』
『いいえ、まだここにいるようですわ』
二人が箒と傘を打ち合わせてギリギリと押しあっている。
『美水、俺達やっぱり結婚してないんだな⁉︎』
美水を問い正した。
『えぇと…』
美水が口籠った。
『まさか、知らない間に4年経ったのも記憶喪失喪失という話も嘘なのか?』
『……………』
美水が黙ってしまった。
『パパ!』
とてとてとて…
ぎゅむっ!
雪音が、キッチンから走って来て、腰あたりに抱きついた。
『パパ…おなか…すいた』
どうやらお腹が空いて待ちきれなくなったようだ。
『なぁ、美水と俺が結婚してないってことは、雪音は、俺の娘じゃないってことだよな⁉︎』
『えぇ…』
美水が白状した。
『雪音…俺は、君のパパじゃないらしいんだ』
『パパ…???』
雪音が驚いた顔をした。
『パパは…パパ…だよ?…ゆきの…パパ…だよ?』
『雪音、違うんだ』
『パパ…だもん!』
とてとてとてとて…
雪音が、走って外に出て行ってしまった。
『雪音っ!』
『雪音ちゃんっ!』
一瞬、その場に凍りついてしまったが、我に帰り、すぐに雪音を追いかけたが、見失ってしまった。
『美水、雷花、皆で協力して雪音を探してくれないか?』
『わかったよ!お兄ちゃんのお願いなら妹は、なんでも聞いちゃうものだからね!そう!なんでもだよ!うふふふふ?よぉ〜く覚えておいてね!それから、今度、お兄ちゃんも私のお願いを一つ聞いてね!』
『あっ、あぁ!わかったよ!』
『約束だよ!お兄ちゃん!指切りしよっ!嘘着いたら。私と一緒に…ボソボソボソ…はい!指切った!』
指切りの途中の声がよく聞こえなかったが、雷花のお願いは、何でも聞いてあげよう。
『それから美水は、雪音を探す前に俺を騙してた件の真相を話してくれるよな⁇⁇な?』
『はい……』
どうやら、美水は、観念したようだった。




