【33話】再かい
お風呂から上がって、寝る前の歯磨きをしていると、雪音が本を持って現れた。
『パパ…ごほん…よんで?』
『あぁ、いいよ』
雪音の頼みだったので、二つ返事でオーケイした。
雪音のベッドは、結構大きくて、二人で横になってもまだまだ余裕があった。
『むかし、むかし…』
本を読み始めた。
『はっ!』
急に目が覚めた。
周りを見渡すと外が明るかった。
どうやら本を読んでいる間に、いつのまにか寝てしまったようだった。
『パパ…おはよう』
雪音も起きたようだった。
ぐぅ〜〜〜
雪音と俺のお腹が同時になった。
『おなか…すいた』
雪音が空腹を訴えて来た。
『そうだな、お腹空いたな。よし、何か作るか!』
『ゆきも…いっしょに…つくる!』
パジャマから私服に着替えて、雪音と朝食作りに取り掛かった。
朝食は、ベーコンエッグとトーストというシンプルな物にした。
雪音には、また卵を割ってもらった。
雪音の卵割りスキルは、プロと言っても過言ではない。
『パパ!はやく…たべよ!』
『あぁ、熱いうちに食べちゃおう!あっ!忘れてた…』
そう、また忘れていたのだ。美水のことを。
昨日、俺が最初に目を覚ますまで寝ていた寝室へ行ってみると、やはりそこで美水が寝ていた。
『おい、美水!』
俺は、声をかけながら、美水の布団を剥いだ。
『きゃっ!!!恭弥???えぇとぉ〜、この状況からしてぇ〜夜這いですか?』
こつっ!
どうやらまだ寝ぼけているようだったので、目が覚めるようにおデコを小突いてやった。
『いたっ!』
『これで、目が覚めただろ?もう朝だぞっ‼︎』
『むぅー!酷いですわっ‼︎もっと優しく起して下さいませ‼︎お早うのキスとかがいいですわ!そうですわ!もう一度寝るので、起こすシーンからテイク2でよろしくお願いしますわ!』
こつっ!
もう一度おでこを小突いた。
『朝食出来てるから、早く支度して来いよ!』
そう言って部屋を後にした。
それにしてもあの美水のネグリジェ姿は、なんだったんだ…
うん。昨日の夜は、雪音の部屋で本を読んで寝落ちして正解だったな。
そう思ってしまった。
リビングでは、雪音がきちんとイスに座って待っていた。
『美水も起きたからもう少しだけ待っててくれ!』
『うん…』
雪音は、本当に素直で聞き分けが良くて嬉しいよ。
他の女の子は、皆聞き分けが悪いからなぁ〜
そんなことを考えていたら。
ピンポーン!!!
玄関のチャイムが鳴った。
『は〜い』
玄関の鍵を開け、ドアを開けると、そこには昨日のピザを配達してくれた子と同じ制服の子が…いや、背格好も同じだし、多分同一人物だろう。サンダーピッツァの子がいた。
『朝からどうしたんですか?』
俺が質問すると、思いがけない返事が帰って来た。
『迎えに来たよ!お兄ちゃん!』
お兄ちゃん⁇
今、この子、俺の事をお兄ちゃんって呼んだか?
そして、その子は、深く被っていた帽子を取った。
帽子を取ったその子の顔は…………俺の妹の雷花だった。




