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【ブラコン※ブリザード】   作者: 雨雪琴音
【四章】Will you marry ミー? ミー!
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【28話】クッキングッジョブ

雪音ちゃんと二人での朝食作りは、とても楽しかった。

フレンチトーストを作るので、卵を最初に割ったら、それを見た雪音ちゃんが、

『ゆきも…やってみたい』

と言い出したので、卵を割らせてみることにした。

しかし、子供の雪音ちゃんには、少し難しかった様で、

一回目は、卵を机に叩きつけて割ってしまい…

二回目は、卵を手で握り潰してしまい…

三回目は、殻が入ってしまい、凄く苦戦していた。

四回目にやっとうまくいき、綺麗に割ることが出来た。

雪音ちゃんは、とても満足そうな顔をしていた。

『雪音ちゃん凄いね‼︎卵をこんなに綺麗に割れるなんて本当に凄いよ‼︎』

雪音ちゃんを褒めて、頭を撫でてあげると、雪音ちゃんは、頬を赤くしていた。


ジーーー。

自称俺の妻が半眼で睨みつけて来ていたがスルーした。

ちなみに、その右手に持ってる高そうなビデオカメラは、なんだよ。

恥ずかしいから取るの止めてくれよ。


雪音ちゃんがお手伝いしたそうだったので、卵の入ったボウルに砂糖と牛乳を入れてかき混ぜる作業をしてもらうことにした。

だが、雪音ちゃんの体からしたら、若干ボウルが大きくて、ボウルを掴みながら泡立器で混ぜる作業は、美水ちゃん一人には大変そうだったので、俺が雪音ちゃんの後ろに回り、ボウルと泡立器を持つ雪音ちゃんの手を一緒に握ってあげた。


ジーーー。

『雪音ちゃんばっかり恭弥様とイチャイチャして羨ましいですわ』

とか美水が言っていたが、スルーした。


パンを切る作業は、さすがに危ないから雪音ちゃんにはさせられないなと思ったら、美水が丁度いいものがあると言って、プラスチック製の包丁を持って来た。

便利な物があるんだなぁ〜

雪音ちゃんは、

『うんしょっ!うんしょっ!』

って言葉が似合うくらい頑張ってパンを切っていた。

パンも切って、卵と牛乳と砂糖を混ぜ合わせたものに浸して、次は、フライパンで焼く作業。

フライパンにバターを引いてから、こんがり表面がキツネ色になるまで焼いた。

もちろん一人で火を扱わせるのは危ないので、また後ろに回って、フライパンを持つ手とフライ返しを持つ手を一緒に握ってあげた。


ジーーー。

『アツアツですわね』

美水が当たり前のことを言い出した。

もちろんアツアツに決まっている!

なんせ、このフレンチトーストは出来たてホヤホヤだからな。


『できた…』

雪音ちゃんは、完成したフレンチトーストをまじまじと観察していた。

雪音ちゃんから達成感と満足感がひしひしと伝わって来た。


『パパ…たべよ?』

雪音ちゃんに急かされ、すぐにフライパンから白いお皿に盛り付け、メープルシロップの小瓶を準備し、フォークとナイフを食卓に並べて、三人で席についた。


『『『いただきます』』』

三人で食事のあいさつをして、ご飯を食べた。

『おいしい…こんなにおいしいの…はじめて…またパパといっしょに…ごはんつくりたいな…だめ?』

雪音ちゃんが嬉しいことを言ってくれた。

『あぁ、これから何回でも好きなだけ一緒に作れるさ!』

『じゃあ、今度は、私も一緒に!』

美水が、すかさず自分も一緒に料理することを主張して来た。

ガクガクガクガク…

また、寒気が来てしまった。

どうしたのだろうか…

風邪だろうか?

『ゆき…パパとふたりでつくりたい』

ピタッ。

震えが止まった。

『そうだな!雪音ちゃん!また二人っきりで作ろうな!』

何故か俺は、雪音ちゃんの意見に激しく同意していた。

いや、雪音ちゃんがまた俺と二人っきりで料理したいと言ってくれたのがすっごい嬉しかったんだけどさ、それ以上にさ、何故か命の危険を感じたんだよな…

何故だろうか…


『ゆきね…でいい』

『え?』

どういう意味だろうか…

『よびかた』

ようやく意味がわかった。

『あぁ、呼び方か!わかった!これからは、雪音って呼ぶよ!』

『うん』

そう言った雪音ちゃんの頬は、赤く染まっていた。


ジーーーーーー。

『私を差し置いて、恭弥様とイチャイチャし過ぎですわよ!雪音ちゃんっ‼︎例え私の娘でも反則ですわ‼︎イエローカードですわ‼︎あれ?レッドカードでしたっけ⁉︎えぇと…とにかく、恭弥様は、私のものですからね!』

美水が一人で騒いでいた。


『パパ…あそびにいこ』

『そうだったな。朝食の後に遊びに行く約束してたもんな。どこに行きたい⁇この家の住所が分からないし、4年の間に色々と変わってしまったかもしれないけど、携帯の地図で調べれば大丈夫だろう。遊園地、動物園、水族館、デパート、今日は、雪音をどこへでも連れて行ってあげるぞ!どこがいい?』

『こうえん』

雪音ちゃんが即座に答えた。

『公園?本当に公園でいいのか⁇』

コクコク。

雪音が小さな頭で一生懸命頷いた。

『なら、公園に行こうか』

『うん‼︎‼︎』

ぱぁーと雪音の顔が明るくなった。


さぁて、それじゃあ、雪音と公園に行きますか。




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