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【ブラコン※ブリザード】   作者: 雨雪琴音
【一章】その名もシス充。
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【3話】ミソジ・ホームルーム

キーンコーンカーンコーン


ガラガラガラ…

『みなさぁ〜んおはようございまぁ〜す♪』

予鈴が鳴るのと同時に教室のドアを開けて入って来た女性は、俺の所属する2-1組の担任の美空川ミソらかわ ジゅん先生だ。


『みなさぁ〜ん席につかずに立っている人は、先生が職員室と校長室と市役所に連れて行きます♪連れて行かれたい人はいますかぁ〜⁇』

『せんせぇーい!指導するために職員室や校長室に連れて行くのは分かりますが、どうして市役所に連れて行かれるのですか⁇』

クラスの男子の一人が潤先生に質問した。

『指導?指導なんてしませんよ?先生は、昨日、三十路を迎えました。なので、合コン三昧の日々を捨て、自分の教え子と結婚することに決めました。先生の実家は、金持ちなので婿養子に来てください!まずは、教師と生徒の壁を超える勇気のある方は、予鈴がなっても着席しないという意思表示をして下さい!そしたら今すぐ職員室に寿退社の報告に行って、校長室に辞表を突き出して、市役所に婚姻届を一緒に受け取りに行きます!皆さんは、高校二年生なので婚姻届が出せるまで一年と数ヶ月あります。それまで先生と清く正しいお付き合いができますね!婿養子育成計画も実行できますし、とぉ〜っても楽しそうでしょぉ〜うふふふふふ』

『し〜ん・・・・・・・・・・・』

ガチャリ。

全員が着席した。

『なんでっ⁇どうしてっ⁇先生の何がいけないのっ⁇こんなに可愛いのにっ‼︎』

『……………………(ぼそっ)重いからじゃね⁉︎』

誰かが呟いた。

『うんうん』

周りを見渡すと男子全員がうなづいていた。

『ムッキィー‼︎先生怒ったもん!これだから男の子ってやつは〜先生もう知らないも〜んっ‼︎』


パリーンッ


担任が窓ガラスを割って外に出て行ってしまった。

しかし、クラスの誰一人として先生を心配する者は、いなかった。

大方、授業をサボってビールと餃子でも食べに行ったのだろう。

なんとも自由過ぎる担任だ…。


『一時限目は、数学だったな…準備しよう』


数学の授業が始まってしばらくすると遼が遅れて登校して来た。

口パクで

『護衛任務完了』と告げて来たのが分かった。

数学が終わった後の休み時間に遼に話しかけた。

『遅かったな遼』

『あぁ、護るべき存在が沢山いたからな務めを果たしていた。通学中が一番危険だからな。子供を危険から護るのが俺の使命だ!』

詳しく聞けば、どうやら学校側からの遅刻に対するお咎めは、一切なかったようだ。

子供を助けするイケメン高校生というのがたまたま新聞記者の目に止まり、学校側に取材の申し込みが来たため、遼を叱るに叱れなかったらしい。

遼はと言うと記念撮影した小学生との携帯の写メを待ち受けにして幸せそうに眺めていたので、あまり喋りかけずに そっとしておいてあげた。


二時限目の国語が終わった休み時間。

乙女川さんが、保健室から戻って来た。

『乙女川さん体調は大丈夫⁇』

『雪白くん、私のこと心配してくれるの⁇嬉しい…キュンッ』

『ずっと寝ていたから喉も乾いたんじゃない⁉︎これ飲んだら?』

『えっ⁉︎くっ、くれるの⁇ありがとう。それじゃあ、丁度喉が乾いてるし、頂くわね!』

ごくごくごく…


バタッ


乙女川さんが、また倒れた。


『おっ、乙女川さんっ⁉︎』

どうしたんだ乙女川さん⁇

やっぱり体調がまだ本調子じゃなかったのだろうか⁇

丁度その時、

ガラガラガラガラ

教室のドアが開いた。

『可愛い可愛い妹の雷花が、お兄ちゃんに逢いに来たよー』

そして、乙女川さんが倒れているのを見た雷花は、

『アレー、タイヘンダー、乙女川サンガ倒レテルー。朝カラ体調悪カッタモンネー、タイヘンダー。保健室ニツレテ行カナキャー』

妹がまた乙女川さんをお姫様抱っこして運んで行った。

俺が止める間も無く…


もしかしたら雷花は、乙女川さんを気に入っているのかも知れない。

何故なら、さっき乙女川さんにあげたジュースは、雷花から乙女川さんが目が覚めたら喉が渇いているだろうから渡すようにと頼まれて受け取ったものだったのだ。

乙女川さんを気遣うなんて雷花も大人になったじゃないか。兄さんは、嬉しいよ。

友人と自分の兄妹が仲良くしてくれるのは、結構嬉しいものだな。










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