【25話】新婚生活
俺は、薄く靄がかかったまどろみの中に意識があった。
なんだか、頭が重い…
あれ?なんだっけ…
俺は確か、無人島に遭難して…
雷花と二人きりで過ごしていたら、美水が流れ着いて…
それから何故か雷花と美水の料理対決に………
料理対決……
あれ?何故か思い出せない。
何か、記憶を封印してしまいたくなるような…
強烈な何かが…あった…ような…
でも…思い出すのが怖い…
『あなたっ!早く起きてっ‼︎もう朝ですよ‼︎』
あれっ⁉︎…誰かが俺を呼んでいる…。
『あなた』なんて俺のことを呼ぶのは、きっと雷花に違いない‼︎また雷花が、朝からママゴトでもしているのだろう。早く起きよう!やれやれ、本当に雷花は、ママゴトが好きだなー‼︎
『うーん…おはよう』
目を開けた。
『おはようございます!あ、な、た♪』
『え?』
自分の目を疑った。
俺は、見知らぬベッドの上に寝て、
見知らぬパジャマを着て、
見知らぬナイトキャップを被り…
いや、こんなことは、どうでもいい!
一番、重要なのは、
目の前にエプロン姿の…美水がいて、俺のことを『あなた』と言ったことだ。
『あなた、目が覚めましたか⁇朝食は、パンにします⁇白米にします⁇私にします⁇あっ、ちなみに私は、とぉ〜っても甘いですよ⁉︎』
いやいやいや、この状況を誰か説明してくれー‼︎