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【ブラコン※ブリザード】   作者: 雨雪琴音
【三章】ラブラブ 愛ランド
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【23話】二人きりの無人島生活(乱入者)

[無人島生活 二日目 〜朝食後〜]


無人島生活が始まって以来、

雷花が海で凄い物ばかり捕って来ていたので、次は俺が、凄い物を捕って雷花を驚かせようと思ったので、雷花には、海ではなく、ジャングルの方で食べられそうな物を探すように言った!

一人で海に行き、何時間か海に潜り、ちょうどもうすぐお昼だから上がろうかなぁ〜と思っていると、少し遠くの方で何やらプカプカ浮かぶ物体を発見した。

『え?』

自分の目を疑った…

なんと海に浮かんでいたのは、人間だった!

『助けないとっ‼︎』

すぐさま近くまで泳いで行き、浮かんでいた人を救助した。

そして、岸まで着いて、救助した人の顔を確認して、また驚いた。

なんと…美水だった。


どうしたらいいかパニクってたら、『人工呼吸!人工呼吸!』

と誰かの声が聞こえたような気がした。


『そうだ!溺れた人がいたら人工呼吸だよな!でも、人工呼吸のやり方とか知らないな…』

どうしたらいいのだろう…こうしてモタモタしている間にも美水の命の灯火が小さくなっているのかもしれない。

俺は、若干パニックになっていた。

『先ずは、落ち着いて深呼吸をしましょう!貴方がパニックに陥れば、救える命も救えません』

また誰かの声が聞こえた気がした。

だが、今の俺では正常な判断も出来ないので、この声の指示に従おう!

『よし、深呼吸だな。すーはー、すーはー』

『深呼吸をしたら、次に要救助者の口に貴方の口を押し付けて下さい』

『わかった。口と口だな!寝ている女の子にキスするみたいで少し気が引けるが、これは、人命救助だから、キスじゃない!キスじゃない!』

ずずずず…

美水との顔の距離をどんどん近づけた。

口と口が引っ付くまであと2センチといったところで、後ろから殺気を感じた!

バゴーンッ‼︎

咄嗟に後ろを向いたら、顔面に強い衝撃と鈍い痛みを覚えた。

『痛たたたたた…』

『ゴメンネ、オニイチャン!』

溢れ出る涙と痛みを堪えて、目を開けるとそこには、雷花がいた。

そして、足元には、先程、顔に当たった物が落ちていた。

目を疑ったよ。

だって、それがヤシの実だったからさ…

『雷花…なんでこんな物投げたんだよ』

雷花を問い正した。

『違うんだよ、お兄ちゃん‼︎美味しそうな木の実を見つけて、その木を揺らすためにヤシの実を投げたら、木に当たらずに遠くに飛んで行っちゃって、たまたまお兄ちゃんの顔に当たっちゃったんだよ‼︎(大根役者並みの棒読み)』

『そっ、そうだったのか…でも、今みたいに人に当たる可能性もあるから気をつけろよ⁉︎』

『うん。今度から気をつけるね!………それで、お兄ちゃんは、今何してたのかな????』

『あっ、それがさ、美水がそこの海で溺れててさ、ちょうど助けてたところなんだよ』

『何をしようとしていたのかな?』

『いや、人命救助だよ?』

『水神美水に!な、に、を!しようとしていたのかな?』

『え???ただの人工呼吸だけど⁇』

『むっきゃー‼︎許せない‼︎お兄ちゃんの唇を正妻である私から奪おうとするなんてー‼︎ましてや、私が考えてたことと同じこと(溺れたフリしてドサクサに紛れてキス)をしようとするなんて、まったく羨ま…けしからないんだよ〜雷花ちゃんの怒りもボルケーノだよ〜‼︎それよりも、私とお兄ちゃんの愛の島に土足で踏み込んだ罪を裁かなきゃだね!水神美水!貴方は、罪を重ねすぎたようだね‼︎覚悟してねっ‼︎』

雷花がまた一人で騒いでた。

『雷花、騒ぐのは、後にして、先ずは、美水を助けよう!』

なによりも人命救助を優先しなければいけない!

『そうだね…うふふ負負負負負負負…』

『雷花⁇大丈夫か?』

『大丈夫だよ!私ね、救命の仕方に心得があるの!だから任せて!』

『あぁ、わかった!』

若干不安だったが、雷花に任せることにした。

『先ずは、水を吐き出させます』

そう言って、雷花は、さっき俺の顔面に当たったヤシの実を仰向けの美水の上に構えた。

『ヤシの実をお腹に落として、水を吐かせるからちょっと離れててね。お兄ちゃん‼︎』

タラタラタラタラタラタラ…

美水が汗を流していた。

『雷花!美水は、具合が悪いみたいだぞ!すっごい汗だ!』

『そうだね!早く水を吐かせて目を覚まさせて、楽にしてあげよう!』

『せぇ〜のっ‼︎』

ボスッ‼︎

ヤシの実は、美水のお腹ではなく、砂浜の地面を抉った。

寝ていたはずの美水は、何事も無かったかのように俺の隣に立っていた。

『あはは!やっぱり気絶したフリだったんだねー‼︎バレバレだったよー』

『何を言ってますの⁇ここは、どこですの?私は、どうしてこんなところに?あら、恭弥様ではありませんか!(棒読み)』

『あくまで白を切る気?』

雷花が美水に噛み付いていた。

『はて、なんのことでしょう?それよりここは、何処ですか⁇恭弥様!』

いきなり美水が俺に話をふった。

『ここは、無人島だよ!』

『まぁまぁ、それは大変ですね!そうですか、ここは、無人島ですか(棒読み)』

美水は、さして驚いた様子もなかった。


ぐぅ〜〜〜〜〜〜!


俺の腹が空腹を知らせて来た。

『お兄ちゃん!お腹空いたの?』

『恭弥様!お腹が空いていらっしゃいますの?』

『あっ、ああ!』

ナイスタイミングだ、俺の腹!

妹と幼馴染の一触即発の状況を空腹の音が止めてくれた。

『じゃあ、皆でご飯に…』

『お兄ちゃん!私が今から世界で一番美味しいお昼ご飯を作ってあげるからね!お兄ちゃんの妻として‼︎』

『いえいえ、私が正妻として、夫である恭弥様のために宇宙一美味しいランチを作って差し上げますわ!』

バチバチバチバチ!

回避されたかに見えた雷花と美水の争いがにまた火が着いた。

あぁ、俺の優雅な無人島ライフも終わったな…


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