【21話】二人きりの無人島 (さぁ、ベッドに行きましょうか)(雷花視点)
無人島生活 一日目 〜夜〜
うふふふふふ!
もう一押し!もう一押しでお兄ちゃんは、無人島生活が楽しくて仕方がなくなるよー!
今、お兄ちゃんは、無人島生活も悪くないなーって顔をしてるもん‼︎
昔から男心を掴むには、まず胃袋を掴めって言うけど、ほんとだよねー
無人島で捕れた新鮮な食材を使った料理を食べたらお兄ちゃんも気が緩んだみたい‼︎
腕によりをかけたかいがあったよー
でもね!
まだ無人島で食べたら最高な一番美味しいデザートが残ってるの!
とっても甘酸っぱくて、柔らかい物が!
むふふふふ。
ご飯を食べ終わったのを見計らってある計画を実行した。
『キャー、足ガスベッチャッター(棒読み)』
『大丈夫か雷花?』
『大丈夫だよ‼︎』
『あー、大変!今ので、バケツの水を火にかけて消しちゃったみたい!(棒読み)』
『大丈夫!焚き木は、まだあるし、また火を着ければいいさ』
『うん!すぐ着けるねー(棒読み)』
カチカチカチカチカチカチ…
『お兄ちゃん大変だよー!このライター燃料が切れたみたい(棒読み)』
『他にライターとかマッチは、ないのか⁇』
『他にはないよ、お兄ちゃん‼︎‼︎』
『仕方ない。明日浜に漂流したものがないか探してみよう!』
『うん!私も手伝うね!あっ‼︎でも、一つだけ心配事があるの!』
『心配事⁉︎なんだ⁇言ってみろよ‼︎』
『もう夏だけど、夜は、少し冷えると思うの!』
『そうだな…結構冷えるよな…』
『だからお兄ちゃん!私と隣同士でひっついて一緒に寝ようよ!!!ね?????ね!!!!いいでしょ⁉︎⁉︎』
『えっ⁉︎一緒に寝るのか⁉︎雷花は、その…恥ずかしくないのか⁉︎』
『え?なんで恥ずかしいの?』
『えっと………あっ、そうだ!寒くないように!毛布みたいに上から掛けられるようにもっと沢山葉っぱを取って来ようか⁇』
お兄ちゃんめー!往生際が悪いなー‼︎もうっ‼︎こうなったら奥の手だよー‼︎
『お兄ちゃん…あのね…私ね…なんでもないようなフリをしてるけど…本当は、無人島に漂流して不安なの……』
『そっ、そうだったのか!』
『うん‼︎だから、今日は、お兄ちゃんと一緒に寝てもいい⁇』
『あぁ!そうだな!一緒に寝ようか!』
やったー‼︎
私の奥の手!【弱気な妹】!
お兄ちゃんは、弱気な私にすっごく甘々だからすっごい楽勝だったよー
よしよし、計画は、順調だねー
『お兄ちゃん!星が綺麗だね!』
『あぁ、物凄く綺麗だな。こんなにゆっくり星を見たのは、久しぶりだな…』
『そうだねお兄ちゃん!』
お兄ちゃんと2人で葉っぱのベッドの上に寝そべりながら星を見上げて会話をしている。
しーん………
『………………………………』
お兄ちゃんは、このロマチックで最高なシチュエーションでもまだ私に手を出して来ない。
もうっ‼︎お兄ちゃんったらどこまで奥手なんだろう!
あれ⁇もしかして私からアタックするのを待っているのかな⁇
きっとそうだよね‼︎
このシチュエーションで私の気持ちを私の口から直接言って欲しいのかな⁉︎
『ねぇ、お兄ちゃん!よく、〔大丈夫!心配しなくても、天井のシミの数を数えてる間に終わるから怖くないよ!〕って言うよね!でも、大丈夫!天井のシミとか粗末な物じゃなくて、この綺麗な星空の下で星の数を数えている間に終わるから怖くないよ⁉︎それじゃあ!いただきまぁ〜すっ‼︎』
し〜ん…………
『………………………』
『あれっ⁉︎お兄ちゃん???もしかして…寝てる…の?』
『………zzZZ』
『もうっ‼︎起きてよお兄ちゃん‼︎ねぇ!ねぇったらっ!』
『………zzzZZ』
お兄ちゃんが起きる気配は、まったくない。
初めての無人島生活、お兄ちゃんと同じく私も疲れたから今日は、大人しく寝よう!
まだまだ無人島生活は、これかが本場だもんね!
『それじゃあ、お兄ちゃんおやすみなさい!』
私もすぐに眠りに落ちた。