【17話】二人きりの無人島(蛇女の罠)(雷花視点)
[一日目〜お昼ちょっと過ぎ〜]
『キャー‼︎オ兄チャーン!(棒読み)』
人魚の罠も無事に成功し、海から上がって、お昼ご飯を作るための焚き木を集めていた私は、お兄ちゃんに聞こえる音量で悲鳴を上げた。
ちなみに今は、海岸と森の境目付近で焚き木にする流木や小枝を集めていた。
『どうした雷花⁉︎』
『ヘッ、蛇ガイルノ。怖イヨー(棒読み)』
『大丈夫だ!俺がついてるから!』
お兄ちゃんは、近くの流木を取って蛇と向き合った。
私は、もちろん蛇なんて怖くないよ‼︎
『しっ、しっ!ほらっ!あっちへ行けっ‼︎』
蛇を追い払おうとするお兄ちゃんの姿は、まさしく姫を守るために戦う騎士様です。
じーん…
お兄ちゃんかっこよすぎる…
きっとお兄ちゃんで物語を作ったら、ベストセラーになって、映画化しちゃうな。さすが私のおにいちゃん‼︎
『しゅ〜しゅ〜』
蛇は、逃げずにお兄ちゃんを威嚇している。
何度もお兄ちゃんに咬みつこうとしているが、お兄ちゃんは、流木の刀でそれらを全部いなしている。
その姿は、まるで…
ゴーゴンと闘うペルセウス
ペルセウス=恭弥
【妄想雷花劇場】
『あぁ、恭弥様!いけませぬっ‼︎』
『しかし、そなたがあまりにも美しすぎて私はもう我慢できないっ‼︎』
『わっ、私などでよろしいのですか⁇』
『何故、お前の様な美しいものが、「私など」と言って自分を卑下するのだ⁉︎』
『恭弥様は、凛々しく逞しくそしてとてもお強い方。あの恐ろしき怪物ゴーゴンを倒した英雄である恭弥様が、私の様な普通な娘をお選びになったら、恭弥様をお慕いしている沢山の女性の方々から恨まれてしまいます』
『他の者などどうでも良い!私は、そなたを愛している!そなたが欲しいのだ!』
『その言葉に嘘偽りは、ありませんか⁇』
『あぁ!本当だ!』
『私だけを一生愛してくれると誓ってくれますか?』
『あぁ!誓おう!』
『なら、私は、貴方のモノです!』
…………
『きゃー‼︎お兄ちゃんったらだいたーんっ‼︎』
『らっ、雷花?』
恭弥お兄ちゃんが驚いたように私を見ていた。
その時だ。
よそ見をしたお兄ちゃんに蛇が飛びかかって来た。
『させないっ‼︎』
しゅっ!
私は、とっさに蛇にあるものを投げた!
バチチチチ!
どさっ!
蛇は、私が投げた物を咥えて気絶した。
『あれ?この蛇が咥えているの指人形じゃないか?』
『そうだよ。指人形だよ』
『あれ?この人形って美水に似てる?』
『え?何の事かな?』
『いや、この蛇に噛まれてる指人形って、美水に似てないか?』
『違うよ。ただ新しく作った女の子の指人形だよ。投げる専用に作ったんだよ‼︎』
『銀髪の女の子って、やっぱり美水じゃ⁉︎』
『偶然だよ!』
そう。偶然です。
たまたまです。
この指人形は、お兄ちゃん意外に投げたり投げたり投げたりするための専用なんです。
雑に扱うための人形です。
髪が銀色なのも偶然です。
うふふふふ。
『お兄ちゃん!守ってくれてありがとう!ぽっ』
『いや、兄として妹を守るのは、当然だよ!というか最後の方は、反対に雷花に助けられちゃったからさ、かっこ悪かったよな』
『そんなことないよ!お兄ちゃんかっこ良かったよ!うううん!違う!過去形じゃない!お兄ちゃんは、現在進行形でカッコいいよ!』
『そっ、そんなに褒めるなよ!照れるだろっ‼︎』
『私を守ろうとしてくれたお兄ちゃんの顔、男の顔だったよ!』
『男の顔って何だよっ‼︎』
『そうだ!私を助けようとしてくれたお兄ちゃんには、今夜、ご褒美をあげるね!準備があるから今夜は、すぐには寝ないでね!』
『ご褒美とかいいよ!気にするなよ!』
『やだ!やだ!私からお兄ちゃんにご褒美あげたいの!お願いお兄ちゃん!!!!』
私の甘えスキル最大限に使ってお兄ちゃんに頼んだ。
『分かったよ!待ってるよ!』
『えへへ。ありがとうお兄ちゃん!』
もちろん。
ご褒美は、私ですが、何か?
蛇女を倒した英雄は、娘の心を手に入れましたとさ。
蛇女の罠も成功だねー
あっ、そう言えば、蛇って美味しいのかな?




