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【ブラコン※ブリザード】   作者: 雨雪琴音
【一章】その名もシス充。
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【2話】ゴー・2(トゥー)・スクール

『お兄ちゃん、早くキスして!』

雷花が、腕をがっちり掴んで逃がしてくれない。

『がっ、学校に遅れるぞ 雷花!』

『お兄ちゃんは、学校と私 どっちが大事なの⁇』

『学校と大事な妹を比べられるわけがないだろ』

『えっ⁇』

当然のことを言っただけなのに雷花が激しく衝撃を受けていた。

『大事な妹…大事、世界で一番大事→世界で一番大好き→結婚しよう。キャー‼︎キスの変わりにプロポーズなんてお兄ちゃん素敵すぎるぅー‼︎』

雷花が一人でクネクネしだした。

気づけば掴んでいた腕を外してくれていたので、雷花を置いて学校に向かった。

家から学校まで徒歩15分程の距離だ。この時間なら遅刻はしないだからゆっくり歩いて行こう。 雷花もすぐに追いつくだろう。

『お兄ちゃーん、待ってぇ〜』

我に返ったらしい雷花が小走りで追いついて来た。

『酷いよお兄ちゃーん!こんなに可愛い妹を置いて行くなんて!シス充のお兄ちゃんにとって妹と2人で一緒に登校するのは、大事なイベントでしょ!』

『そうだな雷花は、可愛くて自慢の妹だよ。』

『可愛い……キャー!お兄ちゃんが私のこと可愛いって言ってくれたー!褒めてくれたー!えへへへ。その可愛い妹をいつ食べてくれるのかなー!あっ、今日の夜かなー!可愛い妹を食べちゃう宣言だったんだよねきっと!楽しみだなー!』

雷花が騒いだのできちんと聞けなかったが、シス充ってなんだろうか…

覚えていたら雷花が大人しい時にでも聞いてみよう。


『おはよう恭弥!』

イケメンボイスがした方を振り返ると同じクラスのイケメン王子こと八城やしロ リょうが爽やかに笑顔を向けて来ていた。

『おはよう遼!』

『おはようございます遼さん』

『今日も雪白家は、兄妹仲が良くて羨ましいよ。僕も妹が欲しいよ。小学生ぐらいのさ』

『あはは、遼さんは、今日も絶好調ですねー。年下の妹さんがいたらすっごくお似合いですよー』

『何を言うんだい雷花くん。君だって恭弥とお似合いじゃないか』

『『あははははは』』

雷花が俺以外の男子に懐いているのは、あまり見たことがないのだが、遼とは、気が合うようでよく談笑している。

『遼と雷花は、仲がいいよなー』

『お兄ちゃん、私の為に嫉妬してくれてるの⁇でも、大丈夫!だって遼さんは、私のことなんて眼中にないし、そもそも私のタイプじゃないしね!(ぼそっ)だって好みのタイプは、お兄ちゃんだもん…』

『ははっはっ、そういうことだ恭弥!心配するな。僕も雷花くんは恋愛対象外だからさ』

雷花が口ごもったので、最後の方はよく聞こえなかったが、雷花にも好みのタイプとかあるのだろう。それは、兄妹といえどプライバシーの問題だから逆に聞こえなくてよかったのかもしれないな。少し気になるが仕方が無い。

それにしても遼め。こんなに可愛い雷花が、恋愛対象外とは、どういうことだ!顔良し、性格よし、料理よしの雷花みたいな大和撫子は、そうそういないぞ!まぁ、ほっとしたようなむっとしたような複雑な気分だ。


2人で登校のはずが、気づけば3人に増え、学校までもう少しというところまで来ていた!


『恭弥すまないっ‼︎急用が出来た!俺は、これからガーディアンの任務に着く!さらばだっ‼︎』

急に遼が走り出した。

目で追うと小学生の女の子が横断歩道を渡るのを手を繋いで一緒に渡ってあげていた。

どうやら小学生が車に引かれないか気になったようだ。

『遼ってイケメンだけど、子供にも凄く優しいよなー。あれで、なんで彼女が出来ないのが不思議だよな』

『そうだねー不思議だねー!』

雷花がニコニコしながら腕に抱きついて来た。

『こら、雷花もうすぐ学校に着くんだから離れろよっ!皆から見られるぞっ⁉︎』

『見せつけてるんだよー!』

『ん?』

雷花が不思議なことを言ってきた。

兄妹で仲が良いのは嬉しいが、兄離れできないのにも困ったものだな。


『雪白くん⁇朝から何をやっているの⁇』

綺麗な声が聞こえたので辺りを見渡して声の主を探すと、校門前に乙女川さんが立っていた!

『妹とイチャイチャするなんて不潔よ!イチャイチャするなら彼女としなさい!(ぼそっ)私が彼女になったらイチャイチャしてあげるのに…』

『ごめん乙女川さん、最後の方が聞こえなかったからもう一度言ってくれる?』

『えっ⁇もう一度、これって告白のチャンス?……』

乙女川さんがしばらく沈黙した。

『あのね…雪白くん!私ね、雪白くんのことが…』


バチッ‼︎‼︎‼︎


急に乙女川さんが倒れていた。

『アレー、タイヘンダー』

雷花は、何故か乙女川さんの後ろに回っていた。

『乙女川さん、貧血で倒れたみたいだから保健室に連れて行くね!』

『俺が運ぼうか⁇』

『いいの!女の子には、いろいろあるの!』

『そっ、そうなのか…』

雷花の迫力に言い返すことが出来なかった。

『じゃあ、また後で逢おうねお兄ちゃん!それじゃあ、行ってきまーすっ‼︎』

雷花が乙女川さんをお姫様抱っこで運んで行った。

やれやれ男前過ぎる妹に感動してしまった。

さてこれから退屈な授業を受けますか…





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