【14話】シスターハネムーン(妹視点)
お兄ちゃんは、浮気なんてしない。
ましてや二股なんてするはずがない。
だって男の中の男であり、お兄ちゃんの中のお兄ちゃんである私の大好きな恭弥お兄ちゃんがそんなことするはずがないもん!
お兄ちゃんは、あの女の策にまんまとハメられてしまったけど、心配しないで!私は、お兄ちゃんを信じてるから!
だからあの女と協力するフリをして、お兄ちゃんにお仕置きをして、あの女が油断した所を一気に攻めて眠らせたんだから!
もちろん眠らせるのには、いつものラムネちゃんを使ったよ♪
でもね、お兄ちゃん!
お兄ちゃんを騙す方が150%悪いけど、騙されるお兄ちゃんもダメなんだよ!お兄ちゃんに付け入る隙があったんじゃないかな?
だからこれからは、一切他の女の子が付け入るスキがないようにお兄ちゃんを私が教育してあげなきゃ‼︎
あっ、そろそろお兄ちゃん起きたかな。
お兄ちゃんが起きた気配がする。
早くお兄ちゃんの部屋にいこ〜!
とてとてとて…
ガチャガチャ、
『お兄ちゃん起きたー⁇』
『あぁ、雷花…何がどうなってるんだ⁇俺、ベッドに手錠で繋がれてるんだけど…』
『うん。私が繋いだんだよ!』
『え?』
あれ?お兄ちゃん聞こえにくかったのかな?
もう一度言ってあげよう‼︎
『私が繋いだんだよ!』
『なっ、なんで?』
お兄ちゃんったらイケズだなぁー
理由なんて分かりきってるくせにわざわざ私の口から言わせたいんだね♪
『私だけと沢山お喋りして欲しいから!』
『えっと…雷花と喋るのは全然かまわないんだけど、この手錠は、する意味ないんじゃないかな⁉︎』
『意味あるよー‼︎お兄ちゃんに何処にも行って欲しくないんだもん‼︎』
『いやいや、何処にも行かないよ(【心の声】『もう外も暗いし、この時間帯ならもう出かけないよ』)』
やったぁー
お兄ちゃんが絶対に私以外の女の子の所には行かないって誓ってくれたよ!
『お兄ちゃんは、私のこと大好き?愛してる?』
『あぁ、もちろん(【心の声】『雷花は、俺の大切な妹だからな』)』
あぁ、やっぱりだ。
やっぱりお兄ちゃんは、私を愛してくれているのね。
『ねぇ、お兄ちゃん…水神美水と私、どっちが可愛い⁉︎』
『雷花の方が可愛いと思うよ(【心の声】『美水は、どっちかというと美人で綺麗って表現が正しいからな』)』
『お兄ちゃん本当?』
『あぁ、本当だよ』
『やったぁー‼︎これで私がお兄ちゃんの1番だね‼︎』
『雷花は、俺にとっていつも1番に決まっているじゃないか』
『ねぇ、お兄ちゃん…』
『ん?なんだ?雷花、そろそろ手錠を外してくれる気になったのか?』
『手錠は、まだ外さないよ⁉︎』
『じゃあ、なんだよ⁉︎』
『キスしようか‼︎』
『え?』
お兄ちゃんったら、また聞き返して来た。
もう!お兄ちゃんたらSなんだからっ‼︎聞こえてるハズなのに私が恥ずかしがるかと思ってわざと聞き直してるのかな⁉︎Sなお兄ちゃんもしゅてきだから好きだけどね〜
『ディープキスしてみようか!』
『いやいやいや、雷花、何を言ってるんだよ⁉︎(【心の声】『キスの練習を兄とする気なのか?』)』
『そっか‼︎そうだよね‼︎雷花何を言っちゃってるんだろー‼︎雷花のお馬鹿さん!』
『だっ、だろっ⁉︎』
『うん‼︎キスの前に新婚旅行だよね‼︎』
『え???』
『ハネムーンだよ!あぁ、そっかー!お兄ちゃん早く言ってよーそっかー‼︎お兄ちゃんは、ハネムーンの雰囲気でキスしたかったんだね!よしよし分かったよ‼︎』
『ええと…雷花さん⁇(【心の声】『ハネムーンって何の話だ?』)』
『お兄ちゃんって船酔いするタイプだよね⁉︎』
『あっ、あぁ…』
『だよね!でも安心して!眠ってる間に着くから!ぽいっ‼︎』
『えっ、なんのはな…s…i…ZZZZ』
お兄ちゃんが船酔いしないようにラムネちゃんを口に入れてあげた!私ってとっても気が利く妹だなぁ〜
だって、お兄ちゃんのこと世界で1番愛してるのは、私だもんね〜
お兄ちゃんのことを気づかうのなんて息をするのと同じことだよ‼︎
さて、じゃあ、ハカセちゃんに連絡して送ってもらおうかな‼︎
『未来の雪白島に‼︎』