【1.5話】ハラハラモーニング 裏(妹視点)
私は、雪白雷花 高校一年生だ。
私のお兄ちゃんは、お寝坊さんだ。
朝は、いつもご飯を食べて学校に間に合う時間のギリギリまで寝ている。
だけど、私は、知っている!
あれは、寝たふりなのだと!
可愛い可愛い妹から起こしてもらうのが、お兄ちゃんの毎朝の楽しみ、いや、生き甲斐なのだ!
最近、ふと思ったのだが、あの寝たふりは、きっと私をベッドに誘っているのではないかと。
しかし、私がベッドインしようとすると兄は、そこで起き上がる。
我が兄ながら、なんて焦らしプレイのテクニックを持っているのだ!そんなジゴロなお兄ちゃんも素敵!
私のお兄ちゃんは、私のお兄ちゃんなので最高にかっこよくて、結構女の子にモテる!でもね、お兄ちゃんは、女の子にチョコもラブレターも貰ったことが一度もない。
モテるのにチョコもラブレターも貰えないのには、理由がある。
理由は、私だ。うふふ
ラブレターのお返事は、いつも私が書いてる。もちろんお兄ちゃんの筆跡で!
『僕には、心に決めた妹がいるので、お付き合いは、できません。』
て書いたら皆引き下がっちゃったよー
そんなに軽い気持ちでお兄ちゃんに好きって言うなんて信じられない!
それに、私の大好きなお兄ちゃんに恋心を伝えたところでお兄ちゃんは、私以外の女の子には、興味がないから無駄なのに、バカだなぁー
手紙の内容を見て、直接私に文句をつけに来た人には、きっちりお灸をすえてあげた。こういう時、護身用に武術を習っていて良かったなーって思う。
お兄ちゃんは、鍵が開いてることをいつも不思議に思ってる。
お兄ちゃんは、鍵なんてかけたことないのに…私への心の部屋の鍵は、いつも全開だから。
今日のお兄ちゃんの寝顔もかっこよかったなぁー
お兄ちゃんの朝食を作るのは、妻である私の役目!
妻役じゃなくて妻なの!
だって、既に婚姻届は、書いてるし、お兄ちゃんが18歳になって婚姻届を出せる日が来たら、すぐに出しに行く予定なんだもん。
市役所に婚姻届を取りに行って、書き方が分からないからってお兄ちゃんに先に書いて貰ったら、お兄ちゃんは、なんの躊躇いもなくスラスラ書いてくれたんだ。やっぱりお兄ちゃんも私の事を愛してくれてたんだね。
私達、相思相愛の理想的な夫婦ね!
婚姻届は、おじいちゃんにおねだりして凄い高い金庫を買ってもらって、その中に厳重に保管されてるの。早く市役所に出したいなー
お兄ちゃんが着替えをするのに私を部屋の外に追い出した!
どうせ結婚するのだからもったいぶらなくてもいいのにー。
結婚するまで慎みを持つ硬派なお兄ちゃんもかっこいいけど、残念だなー。
お兄ちゃんの制服姿は、やっぱりかっこいいなー
100回惚れ直しても足りないよー。
この格好良さをクラスの女の子達に見せるのが勿体無いよ!
お兄ちゃんは、私の特製トマトジュースを飲むのを嫌がるの!
元気になる食材がたっくさん入ってるから飲まなきゃダメなのに!
そういえば、今日のすっぽんさんは、活きが良かったなー
食事中にお兄ちゃんがプロポーズして来た!
『毎朝味噌を作ってくれ』とか、なんて古風なプロポーズなんだろう…
今日一日、天にも昇る気持ちで過ごせるよ。
そう思ってたらお兄ちゃんの携帯が鳴った。
まさか、女かな?
やっぱり女でしたー。
お兄ちゃんの携帯からは、女の子のアドレスを根気よく消してあげたし、3日置きに勝手にアドレス変えてあげて、男の子だけにアドレス変更を送ってあげて、女の子のアドレスをデリートしてあげてたのに…乙女川輝夜あの女だけは、何回消しても、アドレス変更してもあの手この手でお兄ちゃんのアドレスをゲットして自分のアドレスをお兄ちゃんに登録させている。まったく油断も隙もない女ね。
メールの内容は…
ぱきっ!
うん。この携帯は、ダメだな。
携帯を変えよう!
わぁーい、お兄ちゃんが私と放課後デートしてくれるってー。嬉しいなー。
あれ?お兄ちゃんがチップを探してる。だけど、前のアドレス帳もメールも必要ないよ。お兄ちゃんの男友達の電話番号もアドレスも全部暗記してるから!妻として当然の役目だけからね!
うん、このチップ邪魔だなー
ぺきっ
うん、粉々になったー!
これでよし。
お兄ちゃんと一緒に歯磨きをして、お兄ちゃんが顔を洗って髪をセットしている間に、私は、顔洗いと髪のセットは終わってるので茶碗を洗った。お兄ちゃんと会うのに可愛くないまま会うなんて出来ないよ!何時でも一番可愛い状態の私を見て欲しいもん!
お兄ちゃんが靴を履いてる時に、茶碗洗いが終わったので、急いで玄関に向かった。
まったくお兄ちゃんったら忘れん坊さん!
今日も行って来ますのチュウを忘れてるわ!
ラブラブ夫婦の日課なのに!