SS シスゲー
俺は、よく雷花からゲームを貰う。
貰うのは、恋愛物の作品、ようするにギャルゲーってやつだ。
『お兄ちゃん、新しいゲームだよー!早く一緒にやろう!お兄ちゃんは、妹心をもっと理解しなきゃ!』
ゲームを妹と一緒にやるのは、強制だ!
しかも、貰うゲームの全てで妹を攻略している。
妹の隣で妹を攻略する兄。
この光景は、世界中でも我が家でしか見られない光景なのではないのだろうか…
義妹、実妹、近所に住む幼馴染、幼い頃、再開の約束をした幼馴染とすべてのキャラが主人公を『お兄ちゃん』と呼ぶものを攻略している。
『お兄ちゃん、妹を攻略したくなったでしょ⁉︎お兄ちゃんが攻略してくれるのが楽しみだなー♪待ち遠しいよぁ〜』
と、雷花はゲームが終わるたびに次の作品に思いをはせている。
『でもでもぉ〜むふふふふふ!私とお兄ちゃんだったら、キスまでしかしないギャルゲーで終わらないよね〜燃え上がった二人は、そのまま最後まで!そして雷花ちゃんTRUE・ED!見えるよ、見える!私には、お兄ちゃんとの未来が見える!お腹の大きな私、そして、お兄ちゃんに似た私たちの子供…私がママでお兄ちゃんがパパと呼ばれてるよぉ〜』
雷花がまた独り言を呟いていた。
きっとゲームの感想をぶつぶつ言っているのだろう。
そういえば、ギャルゲーと言ったらあの人からも雷花がくれるゲームと同じ物が送られてくる。
雷花とは対照的に姉キャラを攻略することを義務付けてくる。
『あなた⁇』
ふふふ負負負負負負負負負負負…
雷花から怪しいオーラが、出ていた!
というか、あなたってなんだよ⁉︎
『あなた今、私以外の女の子のこと考えてたでしょ⁉︎子供たちのためにも浮気は絶対に許せないんだから!お仕置きしちゃうんだからね!』
浮気?子供?何の話ですか?
え?雷花さん?その右手のスタンガンは、何ですか?
『ぎゃー!』
意識が途切れた。