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1‐6.【いいね♥でドッカーン❢花火】ってどうよ⁉️

 去年の7月7日のことだ。


 ちなみに、本日は、7月30日。私こと【転生淫魔】のカトリーヌちゃんの誕生日は25日、獅子座よ♥


 ママンはその年、グランディア帝国魔術学校を卒業し、神エイトに選ばれた。


 神エイトは卒業生の成績優秀者に8人に授与される称号だ。


 7月7日は、プロムと呼ばれる卒業記念舞踏会が開かれ、そのプレイベントとして、神エイトのパレードが行われる。神エイトは将来、グランディア帝国連邦をしょって立つ人材として、広く民衆にもお披露目しておこうというものだ。


 このパレードの最中、神エイトの中から、気に入った人に自分の魔力を使って投票することができる。ネット社会で「いいね♥」をポチッと押したり、推しに「投げ銭」するのと同じような感覚だろうか……


 その集まった魔力に妖精たちが祝福を与え、花火にして打ち上げる仕掛けだ。


 集まった魔力が多ければ多いほど、ド派手な花火が打ち上がる。


 プロムの開会に先立ち、神エイトは一人ずつ、開場前のバルコニーに呼ばれ、集まった魔力を使って、花火を上げる。人々は広場でそのゴージャスな夏の夜の祭典を楽しむ。


 ママンの花火は、その日、伝説となった。


 花火は広場の中央から上がる。


 ママンの花火の銀色の閃光が、まっすぐに夜空を貫く。その中核となる銀色の玉がグルグルと旋回しながら、赤、橙、黄色、黄緑、緑、青、紫の七色の光の玉に分裂した。それぞれの虹色の玉が弾け、次々と色とりどりの花を咲かせる。


 その花火はやがて精霊の祝福となって、帝城前の広場に降り注いだ。


「「「リサさま♥」」」

「「「リサさま♥」」」


 広場に集まった人々は熱狂し、リサコールが鳴り止まなかった。


 広場の人々が喜んでくれたのが嬉しくて、リサは大きく手を振る。


「「「キャー❢」」」


 悲鳴のような歓声が上がり、人々は熱気が一段と上がる。


「「「エリザヴェータさま♥バンザ〜イ❢」」」

「「「エリザヴェータさま♥バンザ〜イ❢」」」


 エリザヴェータはママンの正式な名前。リサは愛称だ。


 歓声はやがて、万歳ウェーブに変わり、帝城の衛兵たちが止めに入るまで続いた。


 その後、花火を見た人々は、全ての属性で、自分の魔力がレベルアップしていることに気がついた。光属性を除いて。


 リサの花火はその後、【リサ様の花畑の祝福】として、語り継がれていく。


   ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


 この年のグランディア帝国魔術学校の卒業記念舞踏会、プロムは30分遅れで始まった。リサの花火の興奮も混乱が収まるのに、時間を要したからだ。


 卒業式のプロムには、皇帝陛下ご夫妻も出席するのが恒例だ。特に今年は、皇帝自身の第一皇子と、第一皇女も、卒業生で、神エイトにも選ばれていた。


 開会に際して、皇帝陛下、皇后陛下から、簡単な挨拶があった。


 壇上から降りると、皇帝陛下夫妻は、自分の子どもたちより先に、まっすぐママンのところへやってきたという。


「おめでとう。素晴らしい花火だったね」


「ありがとうございます」


 皇帝はリサに祝いの言葉をかけてきた。皇帝はママンにとっては、叔父さまです。


 その後、皇子と皇女にも、二言三言、お祝いの言葉をかけると「公務があるから」と断って、すぐに会場を後にした。


 あまりの滞在時間の短さに、一瞬、会場がざわついたほどだ。


 その日のプロム、卒業記念舞踏会では、リサが話題の中心だった。誰もがリサと踊りたがり、話しをしたがった。


「今までの人生で、最高の日だわ♥」


 リサは思わずつぶやいたという。


 幸せの絶頂から、不幸のどん底に突き落とされるとも知らずに。


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