くびちょんぱ姫:その漆首 もう終わりにするぞ!
その漆首 もう終わりにすかぞ!
「あれ? ねぇ! パクパクバシャバシャしてた魚いなくなってるんだけど? 水湖だか池だかしんないけど……ベタ波で凪いでるんだけど……? 急に何だろね?」
「魚たちも寝蔵に戻ったんじゃろ? もう終わりにするぞ! 潮時じゃな! 叶えたい夢とはなんじゃ?」
「そうね……潮時かもね……夢ね……叶えた夢はクソ親父をぶん殴ってやる事だったわ! 叶えたい夢はわたしの瞳のの同じ碧き海を見るって事だったけど……それも駄目みたいね! そんだけよ!」
「そうか! 残念だったな! もし生まれ変われるんだったらその時まで取っとくんだな!」
「そうするわ……さあ! どうぞ思いっきりくびちょんぱしちゃってよ!」
「まだだ! 辞世の句を忘れておるぞ!」
「あっちゃ〜あ! マジで忘れてたわ? 辞世の句ねぇ? そんな柄じゃないんだけどね?」
「書き留めました! そんな柄じゃないんたけどねぇ! 帰らせて頂きます!」
ペコリとお辞儀をして、羊皮紙男はそそくさと食事当番の買い出しへと向かってゆきました。
「……違うけど……考えようかなって……まっいっかな……それで……どうぞ!」
「ん! 承知した! 良いのだな……なんとかしてやりたい気持ちはあるが……お前の犯した罪の重さが国家レベルではわしみたいな下級の者にはどう仕様もなくてな……」
「何汐らしい御託並べてんのよ、あんたのあの威勢は何処いったのよ! 頑張んなさいよ! あんたの役目果たしなさいよ!」
「くびちょんぱするお前に励まされるのは、なんか変な気になるが……確かにお前の言う通りだ! わしの職務を果たさせてもらうぞ!」
「そうよ! 頑張ってくびちょんぱしなさいよ! どうぞ!」
「……逆にどうぞって言われると、いきにくいものだな……手が震えるわい……ふう〜う……こんな事始めてじゃわい……切る事に恐れ……怖いと思ったのは始めてじゃよ! 悪い……暫く気持ちの整理をさせてくれないか……」
「どうぞ! あんたのタイミングでいつでもいいから!」
「……」
時は流れ……キラリと振り下ろされる壱筋の揺らめき……。
キュルキュルキュルキュル……ドボン!
ゴン! と鈍い音……。
「痛(怒)! この下手くそ!」
「いや……下手くそと言われても……?」
「なんで木の棒で殴んのよ! たん瘤出来てるでしょ? 見てみてよ!」
「確かにデッカイのが出来ておるな?」
「この下手くそ! 満足にわたしを逝かせられないなんて! あんた最低の漢よ!」
「……わしのヨーコは何処行ったんじゃ……?」
ガクッと膝を折る、くびちょんぱの漢であった……。
その頃わたしは……ヒリヒリする瘤の痛さに耐えながら、なんの女神か分からないけど多分だけど……女神に髪を鷲掴みにされ睨まれていました。
「ちょっとあんた! わたしの何処がブッサイクなのよ、その碧き瞳でよーく見なさいよ! そう簡単にあんたのくびちょんぱは遂げさせないからね!」
不本意ながら、
何故ゆえにまた次へと続くのです……