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くびちょんぱ姫:その陸首 おおありんこよ!


   その六首 おおありんこよ!


「そんなのおおありんこよ!」


「何だ? おおありんこって……?」


「大蟻ってことでは?」


「そうよ! おおありって事よ!」


「おおあり……なのか……?」


「とうとうわたしの夢を語る時が来たようね!」


「早く語ってくれ! 陽が傾いてきたぞ!」


「お願いします! わたし今日食事登板なんですよ! 買い出し行きたいんですけど……帰って良いですか?」


「駄目だ! 辞世の句を聞き書き留めるまではな!」


「何よ? わたしのせいみたいじゃないのよ!」


「全部お前のせいに決まってるだろ! くびちょんぱしないと終わらないんだよ!」


「なら! とっととやんなさいよ!」


「だから! 辞世の句を言えといっておるのだ!」


「そうだそうだ!」


「五月蝿いわね! こんなに盛り上げておいてなによ! 今は夢を語るモードなのよ!」


「わかったから! さらっと語ってくれ!」


「はあ? 何を言ってるのよ! 夢を語るのよ! さらっとなんか語れるはず無いでしょ! 夢って熱いもんじゃないの? あんただってそうてわしょ!」


「そうでもないが?」


「わたしもです……この年までくると現実見えてますからね……」


「だな……」


「何よ! これからも熱く夢を語ろってのに冷水ぶかけてどうすんのよ!」


「すまん! 分かったから……端的に頼むわ」


「カッチ〜ンと来たわ! もう言わない! わたしは貝になるわ!」


「お前が貝になんかなれるものか?」


「なれるわよ! もう何も喋りませんらねぇ〜だ! ふん!」


「何なんだこの茶番劇は……?」


「何か作戦を練りましょう! 帰りたいんです!」


「あ〜もったいない、もったいないな〜あ! わたしののこ美貌がこの世界から永遠に失われるのよ! 世界の損失でしょ! 分かってんの!」


「貝になるんじゃなかったのか……?」


「折角口を開いてるんですから、ここは乗っていきましょう!」


「おお! そうかそうか!」


「なに? コソコソとわたしの悪口言ってるんだ! へ〜えぇ……」


「う、うん! 悪口なぞ天地神明に誓って言ってはおらんぞ!」


「ほんとに〜い……」


「ああ! ほんとうだ!」


「羊皮紙男! どうなの! あなたの見解は!」


「白です!」


「なら、わかったわ!」


「何だお前? やけに信頼されてるな?」


「いやいやいや? わたしに言われましても……なんとも言えませんけど……?」


「神にでも祈るんだな? 奇跡が起こるかもしれんぞ!」


「そんなのわかってるわよ! わたしたち底辺の者になんか神なんか無いって事をね! みんな這いつくばって虐げられてさ! きっとこのくびちょんぱの泉のブッサイクな女神がわたしの美貌に嫉妬して嫌がらせしてんのよ! そうに決まってるでしょ! 奇跡なんて絶対に絶対に絶対に起きないわ!」


 不本意ながら、

   何故ゆえにまた次へと続くのです…

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