くびちょんぱ姫:その肆首 辞世の句ね!
その肆首 辞世の句ね!
「辞世の句ね? そうねぇ……?」
「そうだ! いいぞ! その調子だ! やっとその気になったか!」
「あっ! そう言えば? 朝までやってる店舗中火をメラメラ焚いてる居酒屋のバイト決めて帰って来た日に、メッチャ叔父夫婦に切れられて、首根っこ引っ張られて、断りに行った帰り道だったかしら……海よ! そうよ海! わたしの愛らしい瞳って碧いのよ! ヴヴヴゥッ! み……な……さ……い……よおぉぉぉぉぉ〜〜〜っ……」
「や……やめろ! ど金髪に覆われた血の気引いた、美白の必死の形相で此方を見上げるんしゃない? あおい! ああ! 確かにあおいな! わかった! 分かったから! 怖いから……更に目を見開くんじゃ無い!」
「あんた海って知ってるの……?」
「知らん!」
「あの〜……まだでしょうか?」
「今良い調子なんだ! 暫く黙っておけ!」
「……」
「わたしは黙ら無いわよ! あんたがうみを知ろうが知るまいが知ったこっちゃないわょ! わたしだって知らないんだからね!」
「……それで? 海とお前のあおい瞳がどうしたんだ?」
「その調子です引き戻しました!」
パチパチパチパチ……!
「耳の横でパチパチパチパチ五月蝿いわね!」
「すみませんでした!」
ペコリ!
「分かれば良いのよ! 気をつけてね! でね! わたしには夢があったのとあるのよ!」
「またややこしいな……? どっちなんだ? 海と瞳のあおはどうなったんだ? 妄想壁でもあるのか……? お前は……?」
「失礼ね! 妄想壁なんか無いわよ!」
「確実にありますね! 気付かないタイプかと思われます」
「あんた黙ってなさいよ! 羊皮紙に記録だけ取ってればいいのよ!」
「先に進まんから言う通りにしてやってくれ」
「分かりました……」
「それで……なんだったかな? 見失ってしまったわ」
「ゴチャゴチャ五月蝿いからよ! しっりと聞きなさいよ! どこまで話したかしら……? あんたがちゃちゃ入れるから忘れたわよ! まったく!」
「喋っても宜しいでしょうか……?」
「何だ? 言ってみろ」
「宜しいんてすか……?」
「いらいらするわね! 今回のみに限って許すから、言ってみなさいよ! 文句なんかいったら、噛みついてやるんだから!」
「許可が出たようだ、言ってみろ!」
「それでは……海だと思います!」
「そうよ! 海よ!」
「グッジョブ!」
不本意ながら、
何故ゆえにまた次へと続くのです……。