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第284話 先約はオレだ!


「あははは! アンタ達はもうおしまいね! 蹂躙される恐怖に怯えながら死んで行きなさい!」


「わひーん!? もうオワタでヤンスぅ!?」


「まだ終わってない! 縁起でも無いこと言うな!」



 まったく、これだからワンちゃんは! ちょっとピンチになったくらいで諦めようとする!そんなんだから、いつも一瞬で「キュウ!」になっちゃうんだよ!



「じゃあ、さっそく中に入るわよ!」



 クソ妹は下僕達に指示を出してなかに入ってこようとしている。先頭のゴリラが一歩進んだ途端、割って入ってくる黒い影があった。見覚えのある如何にも悪者って感じの鎧! コイツはエピオン! どうしてココに?



「しばらく見ない間に、ただでさえ悪い人相が更に悪くなってるな。それでも勇者の舎弟か、ゴリラ野郎?」


「ゲグゲッ!!」


「とうとう 本物のゴリラになってしまったか? 情けないヤツだ。」



 この前、ゆーしゃの額冠と剣を置いていったっきり、姿を見せてなかった。用が終わって、悪者のアジトに帰ったと思ったら、まだ学院で油売ってたんだ? 暇人ね。別に来なくても良かったのに……。



「な、何よ、貴方! この前、屋敷に現れた怪しい男ね! 残念だけど、ニセ勇者はここにはいないわ。」


「勇者なんて今はどうでもいい。お前はこのどうしようもない馬鹿女を殺すと言ったな?」


「言ったわよ! それが何だと言うの!」


「フン、勘違いするな。先約はこのオレだ! この馬鹿女を殺すのはオレなんだ! それは誰にも譲らない。」


「……は? 貴方、何言って……?」



 何よ、コイツ! ウチを何だと思ってんの! 殺す予約なんてされた覚えなんてないんだからね! つーか、そんなモン聞いたことねーわ!



「頭のおかしい格好に、頭のおかしい考え。こんな変質者は先に始末しておしまい!」


「グルガァ!!!」



 クソ妹の命令でゴリラがエピオンを倒そうと剣で斬りかかる! でもエピオンは剣すら出さずに手袋のところから出たデカい爪で受け止めた!



「やっぱお前、脳みそまで筋肉だな。今はそれに拍車がかかってる。洗脳されて更に馬鹿になってやがる!」


「グウゲォ!!」


「でも、ダークソードが効かないのはわかってるから、それ以外でタコ殴りにしてやる! アクセレイション!!」



 エピオンは急に姿を消したかと思ったらゴリラの後ろに回って思い切り後頭部を殴った。そして、気付いたときには腹を思いっきりパンチ! その後も全身を殴る蹴るのオンパレードで反撃の隙を与えないくらい、猛攻撃を続けた。



「嘘でしょ!? タルカス様に力を与えられたのに、並みの変質者に手も足も出ないなんて!」


「並み? このデーモン・アーマーを使いこなす天才に対して言うような評価じゃない! ただの人間には追いつけない圧倒的な力があるのさ! この鎧があれば魔王さえ超えることも出来る!」



 魔王以上の力? エピオンから感じる違和感の正体はもしかして、それ? 質は違うけど、エルるんから感じられるパワーと同じかもしれない。違うところは鎧から力があふれ出している様に感じること。何か別の人がくっ付いているようにも感じるけど、空っぽな感じもする。なんだろ? この違和感は?



「クソゴリラはさっさと檻にでも帰りな!」


「ゴエァーッ!?」



 エピオンの最後の一蹴りでゴリラは吹き飛ばされ、遠くの植え込みのところまで吹き飛ばされた。



「さあ次の相手はそこの人形共か? かかって来な! デーモン・アーマーには勝てないことを思い知らせてやる!」



 次はクソ妹の側に控えていた、黒ずくめのゴーレム兵士に標的が移った。いくらエピオンでもこんなヤバいヤツらがたくさんいたら、ひとたまりもない。破壊の術式とかいう一撃必殺な武器を持ってるヤツもいるのに!



「ご、ゴリラGと同じとは思わない方が良いわよ! コイツらは汎用型だけど最強のゴーレムだと、タルカスおじさまが言ってたもの!」


「ダーク・ソードに斬れない物はない!」



 エピオンはお得意の闇の剣を出した! 実体のない真っ黒いオーラで出来た剣。見ただけで背筋が凍るヤバい気配丸出しの武器だ。そんなヤバい物を持ってるヤツに、ゴーレム兵士は恐れずに立ち向かっていく!



「こんな人形共、技を使うまでもない!」



 次々とゴーレムは闇の剣に斬り伏せられていった。ただ普通に。何かおかしい。このゴーレムは普通に攻撃が効かないって聞いてたのに、胴体をバッサリ斬られちゃっている。



「そ、そんな、最強のはずのウォリアー・ワンが……。」


「おうフフフ! そレについテは私が解説シまショう!」


「うわぁ、なんか骸骨みたいなオジサンが湧いてきたでヤンス! しかも何かくちゃーい!!」


「うわっ!? このオジサンくっさ!? ゾンビみたいな匂いする!?」



 骸骨みたいな風貌のおじさ……っていうか、頭白髪だらけだからジジイじゃん! 如何にも変態そうな雰囲気……。この人、もしかして。昔エルるんに如何わしい実験してた、怪しい博士の人じゃないの? なんか最近変態ばっか見てるから、頭おかしくなりそうだよ!

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