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第206話 白銀の魔骸布《シルバー・シュラウド》


「これで念願のタイマンが実現したな? 要求に応えてやったんだから、アンタの目的を聞かせてくれよ、銀仮面さん?」



 俺は銀仮面に案内され、だだっ広い大部屋に連れてこられた。まるで思う存分逃げ回ってくれよ、と言わんばかりだ。とはいえ、俺もただでは戦わない。色々、情報を引き出さないといけない。



「目的? 私はただ、お前に興味があり、一度戦ってみたかっただけだ。」


「本当にそれだけか?」


「さあな? 今教えてやれるのはこれだけだ。私に勝てたら、教えてやろう。あと、私のことはシルヴァンと呼べ。聞いたのだろう、お前の仲間に?」



 必要以上に答えるつもりはないらしい。あとは力尽くで聞き出せということだろう。ヤツは不敵に笑い、例の武器を首筋でトントンと鳴らしている。随分と余裕だな? よっぽど、自分の強さには自信があるのだろう。



「じゃあ、戦うか? ルールとかはあるのか?」


「ルールか? そうだな、私は武器を持っているがお前は素手だ。そして、ほぼ魔術も使えない。」


「俺には秘技があるさ。」


「冗談を言うな。たったそれだけで私に対抗できるとでも? だから、ハンデをやろう。全力を出せない相手と普通にやり合ってもつまらないからな。」



 自信家で自分のポリシーは意地でも守るタイプのようだな。ロッヒェンの情報ではお掃除屋さんだと聞いていたから、淡々と仕事を熟すプロ根性全開のキャラだと思っていたんだがなあ。以外と決闘好きな戦闘民族のようだ。



「ハンデ、まず一つ目は遮蔽物をこの場に設けよう。」



 銀仮面は指をパチンと鳴らし、部屋の内部に壁のような障害物を出現させた。丁度、迷路のような部屋へと様変わりした。これなら一応、姿を隠すことは出来る。



「一応聞いとくけど、アンタの魔法はこんな壁、余裕で貫通できるんじゃないか? なんでもかんでも破壊できるんなら、射程も無限なんじゃないか? 二枚抜き、三枚抜き出来るんじゃ、かえって壁は俺にとって邪魔にしかならないぜ。」


「フフ、良い質問だ。もちろんお前の言うとおり、それは全て可能さ。ここでハンデその2だ。壁は一枚のみ貫通出来、効果範囲もこの“エヴェリオン”前面の面積と同等までとしよう。」



 謎の武器の名前が判明した。俺の予想通り、壁ぐらい貫通出来るようだ。おまけに攻撃範囲もある程度広げる事も出来るのか。今はともかく、次回以降戦うときは留意しておこう。



「その魔法ってやろうと思えば、目に見える範囲の物を一掃できると考えてもいいのか?」


「それには答えられない。だが、範囲が広がれば広がるほど、魔力の使用量も増加するとだけ言っておこう。」



 答えないとは言っているが、出来るとほとんど言っているようなもんだ。下手すりゃ、俺の想像以上に効果範囲を広げられるのかもしれない。



「ハンデ三つ目。これが一番重要だ。勝敗に関して。もちろん私はお前を戦闘不能にした時点で終了となるが、武器のないお前にはそれは出来んだろう?」


「舐めんなよ?」


「それはこちらのセリフだ。私の着ている戦闘服“白銀の魔骸布(シルバー・シュラウド)”は容易には傷付けられぬ。お前の使う剣技ならば、可能かもしれんがな? 残念ながらそれは今ない。」



 装備の名前とか、そういう情報はペラペラとよくしゃべるな? 名前からしてカッコ付けやがって。そういうのは十代までにして欲しいモンだ。



「じゃあ、どうするんだ?」


「私が“エヴェリオン”を使用できない状態にすること、これがお前の勝利条件だ。奪っても良い、取り落とさせても良い。破壊しても……おっと! これは不可能だな。強度はほぼ白銀の魔骸布(シルバー・シュラウド)と同等だからな。」


「わかったけど、別にアンタを戦闘不能にしても問題ないんだろう?」


「冗談はよせと言っている!」



 俺にエベリオンを向けて構えた。瞬時に察知した俺は横に体を逸らして躱した。すぐ後に背後で壁が砕ける音がした。それが合図とばかりに俺は銀仮面へと向かっていった!

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