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第202話 八番だョ! 全員集合!!


「えーと? どこから突っ込んでいいのやら?」



 異変があれば戻れ、とかいうルールのはずだったが……。通常の状態というのがわからないので基準という物が俺の中には存在していない。だから判定に困る。



「あのさ……ダンジョンに飲食店があっていいんか?」



 通路沿いになんかシャレついたカフェ的なものがある! しかも客がいてくつろいでいる! ここ本当にダンジョンか? ダンジョンかどうかでさえ怪しくなっている。



「八番出口シリーズでは定番だぞ。有名チェーンの“ダメダ・コーヒー”を知らねえのか? ちなみにこれも七不思議の一つな。№2。」


「知らねえよ!」



 なにが、“ダメダ”だよ! はなっからダンジョン攻略をあきらめるみたいな店名でどうする! やる気あるんか! むしろ“こんなダンジョンはダメだ!”の小話のネタにでもしてやりたいぐらいだ。



「この“ダメダ・コーヒー”を知らないとは“ダメダ”なぁ。」



 なんか客のオッサンにダメだしをされた。通り過ぎの冒険者に対して、なんて言い草なんだ! こっちは命がけのダンジョン攻略をしているところなんだぞ! 腹立つ!



「何だよ、うるさいな! モブはすっこんでろよ!」


「おい、コラ! “ダメダおじさん”に対して失礼だろ! このチェーンのイメージキャラクター兼プロの常連さんだ。わかったら、口を慎めよ!」


「こんなオッサンがイメージキャラクターかよ!」


「プロの常連って、意味わかヤンス!」



 ダメダおじさんは俺たちの抗議に動じることもなく、優雅にお茶を飲んでいる。そこはお茶じゃなくて、コーヒーを飲むべきだろ! イメージ・キャラクターがそんなことでどうする!いちいちムカツクなぁ!



「このカフェ以外に“異変”があるかもしれませんよ? 他も見て回りましょう!」



 唯一、パーティーの中でまともそうなジムが他の異変の調査に乗り出していた。おとなしくて、自信なさげな少年ではあるが、やるべき事はキチッとやってくれるので助かる。俺らみたいな変人ばかりだと、非常に助かる。



「これはどうでしょう?」



 ジムが見つけたのは謎のダンスをする人食い箱だった。虫みたいに六本の足が付いてて後ろの二本の足で立って踊っている。ナニコレ? ダンジョン定番のトラップがこんなおおっぴらにはっちゃけてていいんだろうか? とてつもなくシュールな光景である。



「いやそれは普通だな。踊るミミック自体、七不思議の一つだからな。ちなみに、№4。」


「ありなんか!? 普通なんか!?」



 踊る人食い箱からふと目を離したとき、別のおかしな物を発見してしまった! エレベーターだ! それだけならまだいいが、扉に書かれている行き先がおかしい。



「なんか書いてある…『最下層、ラスボス行き』どういうこと? 絶対嘘じゃん!」



 よくもまあ見え透いた嘘を……。明らかに罠じゃないか。しかも、ダンジョンに入ってすぐだぞ! これに引っかかるヤツはダンジョンを舐めているし、このトラップを作ったヤツも冒険者を舐めているとしか思えない。



「レアトラップに遭遇だな。七不思議№5! “ラスボス行きエレベーター”。入ったヤツは二度と戻ってこれないとか、異空間に放り込まれるとか、“いしのなか”に放り込まれるなんて噂もある。」


「ダンジョンの倫理観が! 様式美が崩れていくでヤンスぅ!」



 タニシは異常な光景を目にしすぎて、発狂しかけていた。壁にガンガンと頭を打ち付けている。通常のダンジョンのお約束を崩壊させかねない事象ばっかりで、気が触れてしまったのだろう。



「レアって事は? これが“異変”と考えていいんだな?」


「さあ、どうだろうな? ここの場合は異変ではないのかもしれんぞ?」


「何だよ、その微妙な返答は? いいや、とりあえず一回目だから、判別する前に戻らずに進んでみよう!」



 とりあえず、進む! 何が通常で、何が異変かはわからない。今後の参考にするために前へ進んでみよう! 悩んでても始まらないからな!



「おや? 最初のとこにあった注意書きのところだな? 戻ってきたのか?」


「あの表示は次に進む度に書いてある。問題はその上にある数値だ。そこに注目しろ。」



 表示の上に“0”と書かれている。さっきも0になっていたような気が?



「これは失敗だな。ということは何らかの異変があったってことだ。」


「何ぃ!?」



 俺は急いで通路を突き進み、様子を見た。そこには変わりない風景が広がっていた。カフェもあるし、オッサン、人食い箱もいるし、エレベーターもある。さっきとおんなじじゃないか! さっきはどこが違ってたんだよ!



「これだ! コレに間違いない!」



 トニヤはカフェのメニュー表を持ってきた。見せられても違いはわからない。それ以前に俺はメニュー表まで目を通していなかった。



「ここを見ろ。期間限定メニューだ!」


「ん? レインボー・フラペチーノ? これがどうした?」


「さっきは違ったんだ! さっきはクリーピングコイン・チョコだったんだよ!」


「んなアホな!!??」



 こ、細かすぎる! 明らかにおかしいところはフェイントだったんだ! くそう、騙された! 死にはしないとはいえ、厄介なトラップだな。下手に普通のトラップよりも厄介なんじゃなかろうか?

「何だよ、その微妙な返答は? いいや、とりあえず一回目だから、判別する前に戻らずに進んでみよう!」



 とりあえず、進む! 何が通常で、何が異変かはわからない。今後の参考にするために前へ進んでみよう! 悩んでても始まらないからな!



「おや? 最初のとこにあった注意書きのところだな? 戻ってきたのか?」


「あの表示は次に進む度に書いてある。問題はその上にある数値だ。そこに注目しろ。」



 表示の上に“0”と書かれている。さっきも0になっていたような気が?



「これは失敗だな。ということは何らかの異変があったってことだ。」


「何ぃ!?」



 俺は急いで通路を突き進み、様子を見た。そこには変わりない風景が広がっていた。カフェもあるし、オッサン、人食い箱もいるし、エレベーターもある。さっきとおんなじじゃないか! さっきはどこが違ってたんだよ!



「これだ! コレに間違いない!」



 トニヤはカフェのメニュー表を持ってきた。見せられても違いはわからない。それ以前に俺はメニュー表まで目を通していなかった。



「ここを見ろ。期間限定メニューだ!」


「ん? レインボー・フラペチーノ? これがどうした?」


「さっきは違ったんだ! さっきはクリーピングコイン・チョコだったんだよ!」


「んなアホな!!??」



 こ、細かすぎる! 明らかにおかしいところはフェイントだったんだ! くそう、騙された! 死にはしないとはいえ、厄介なトラップだな。下手に普通のトラップよりも厄介なんじゃなかろうか?んじゃなかろうか?

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