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第157話 懲りない奴ら


「ええっ!? また決闘を申し込まれたの?」



 今日の授業も全て終わり、俺らはちゃーしゅー販売を再開した。とりあえず作った分はキレイに売り切りたいし。



「うん。昨日の決闘の後、掲示板に決闘申し込みが殺到してたらしいな? とはいえ先客がいたから、ソイツらのは全部無効になったけどな。」


「掲示板の前が賑わっていると思ったら、そういう理由だったのね。」



 今の放課後の時間にはエルが訪ねてきていた。それとお友達らしき女の子がついてきてる。でも、その子は使用人の様な服装を着ている。何者なのだろう?



「その先客ってのが、同じクラスのトニヤ・アーチボルトとかいうヤツで、初日から絡まれてたりしてたと思ったら……決闘を申し込んできやがったんだ。」


「アーチボルト……?」



 切っ掛けはセクシー先輩と同様、ゲイリーに原因があったりするんだが……。昨日の朝以降はおとなしく引き下がったのかと思いきや、決闘を挑んできた。決闘の前なんかは協力を申し出てくるくらいだから、和解できていたものと勘違いしていたのだが、実際は違ったのである。



「その名前がどうかした?」



 アーチボルトの名前を聞いてエルは少し考え込んでいた。何か情報を思い出そうとしているのかもしれない。ここの学生は代々魔術師の一族の出身が多いみたいだから、そういう情報はそこらに転がっているようだ。



「アーチボルトっていったら、確か雷の属性を研究していることで有名な一族よ。あなたも見たことあると思うけど、雷の力をつかって引力を発生させたりとかの魔術は、その一族が体系を作ったの。」



 見たことのある雷魔法。しかも魔術師ではない使い手が魔術師以上に使いこなしていた。コタロウ・サザ。ダンジョンに百年籠もった末に雷・地属性魔法を極めてしまった強者。雷魔法といえば、俺にとっては使い手と言えば、まずアイツが頭に浮かぶ。



「でも、あなたと同じクラス……? あそこは結構名家なはずだから、上級のクラスにいてもおかしくないはず? どうしてだろう?」


「素性がわかると、そんな名家のヤツが俺らと同じクラスというのは違和感があるな?」



 なぜなのか? その辺は勝ったときに聞いてみるとしよう。決闘に関して、何か運営の動きが気になっているようだったので、その辺が鍵になっているのかもしれない。



「あーっ!? メイドさんがいるでヤンス!」



 俺らが話し込んでいる間にちゃーしゅうを完売したらしく、エルの連れの子を目聡く見つけ、食いついている。確かにいかにもタニシが食いつきそうな美少女である。その子はそんなタニシの反応にそわそわしている。見た目通り、おとなしく真面目な性格なのだろう。



「そういえば、その子は? 友達?」


「ええ。新しくできたお友達。ローレッタ・アンブラさん。訳あってラヴァン先生の家で使用人をしてるそうだけど、魔術の才能を認められて学院に入学させてもらったそうなの。」


「ローレッタと申します。あなたがお姉様の旦那様のロア様ですね?」


「だ、だんな様!?」


「やだもう、ローレッタさんたら!」



 だんな様って、そんな呼ばれ方をしたら……。まあ、それは置いといて、ラヴァンの家の人だったとは。相変わらず才能ある異性には目がないようだな。これがいわゆる、フェチとか言うヤツなのかもしれない。



「うへへ~! メイドさんとお近づきになれるなんて夢みたいでヤンス! 色々、あんなことやこんなことをしたいでヤンス!」



 アイツめ、またよからぬことを企んでやがるな? 昨日の先輩へのセクハラといい、懲りないヤツだ。また、ミヤコにお仕置きを……、



「コルァー!! エロ犬!! またオイタをしでかそうとしてるな!」


「ぶげしっ!?」


(……バシャーン!!!)



 された! どこからともなくやってきたミヤコがダッシュからの跳び蹴りを喰らわせたのだ! タニシは派手に吹っ飛び、その先にあった噴水の中に着水した! あれ……? たしかあの噴水に落ちたり入ったりしたら、罰金を取られるとかいう罰則があったような……?

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