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第132話 憧れの学生寮!?


「適性検査は終わったようだな。続いて、次のカリキュラムに進むぞ。」



 適正検査はあの後もいくつか行われ、先導役のラヴァンの元に戻ってきた。検査の結果、俺は魔法の才能が全くないことがわかってしまった。魔力が低いことに限らず、適正属性なし、魔法の耐性は特徴なし、といった感じで満遍なく何もいいところがなかった。わかりきっていたことだが、ガッカリである。



「次は何するでヤンスか?」



 タニシは俺と比べれば割とマシだった。でもこういう場所だ。魔術師からしたら、マジで才能無い判定である。多少、水属性に適性があるのがわかった程度である。耐性? そんなものはなかった。俺とおんなじだ。



「次は寮の案内だ。」


「ちょっと待って欲しいッスよ! 俺っちだけ消化不良ッス! つまんないことこの上ないッス!」


「しょうがないだろう。君は変に未知数な所多すぎるのだ。解析を待ち給え。」



 ゲイリーは……後日検査という結果になった。魔力測定器破壊したしな。残当である。原因もよくワカランのに他も壊されたらたまったモンじゃない。学院側も困るのだろうが、俺らも困るし……。



「さあ、行くぞ。」



 ゲイリーの件にはあまり触れたくないのだろう。ラヴァンが話を強引に打ち切り、前を進んでいった。そのまま校舎から出て、しばらくは学内をひたすら歩いた。結構、敷地がデカい。クルセイダーズ本部もそうだったが、割と大きめの町一つ分ぐらいはあるかもしれない。外観はとてもそんな風に見えなかったんだけどなぁ。



「ここが学生寮のある区画だ。寮は専攻学科や実力、家柄などでそれぞれの学生を振り分けている。」


「そんなんで分けられてんのか? 普段の生活くらい自由にさせりゃあいいのに。」



 色々と区分、区分か。もしかしたら、検査したのはそれが目的か? 今、専攻学科や実力で分かれている、って言ったよな? だとしたら俺らはどんな場所に振り分けられるのか? だんだん不安になってきた。



「きれいなところがいいでヤンスなぁ。寝泊まりするところくらい充実していて欲しいヤンス。」



 俺もそれを願いたい所だが、ラヴァンの足が一向に止まることはなかった。綺麗そうな所はどんどん通り過ぎていく。ヤヴァイかも……。そして、敷地も広い。果てが中々見えてこない。なんなん、ここ!



「一向に着かないけど、どこまで行くつもり?不安になってくるんだけど?」


「つべこべ言わずに付いて来給え。私とて、なるべくなら案内などしたくはなかったのだ。口頭で説明するだけでも良かったとも思う。あまり君らを雑に扱うとエレオノーラの機嫌を損ねる事になるのでな。」


「え~? エルの機嫌取りかよ! 俺らの機嫌はどうでもいいんかい?」


「知らんな。そんなものは。私は感知しない。」


「ナニソレ!」



 とまあ、その後もつまらん事をしゃべりながらひたすら歩いた結果、とうとう果てまでやってきた。何? コレ? 壁際過ぎない? 建物自体も外側を見る限りではそんなに綺麗くない。ヤバい匂いがプンプンするぜぇ?



「ここか? だいぶ端っこのようだが……?」


「オンボロいでヤンスぅ! オバケでも出てきそうな雰囲気でヤンスぅ!」


「勘違いをしているようだが、そちらは君たちの寮ではない。」


「……?」



 ここでなければ、どこだというのか? ここはどう見たって、学院の敷地の端っこ。もう、この先は外壁しかない。何かの謎かけみたいなモンなんじゃないかと疑いたくなる。「この端、渡るべからず」みたいな?



「この問答自体、入学試験みたいな物だったりするんか?」


「なぜそういう発想になるんだ……。足りない知恵で変な勘ぐりはやめ給え。」


「悪かったな! 知恵が足りなくて!」


「ああ、もう、うるさいな! 君たちの寮はここだ!」



 俺らのコミュニケーションを遮り、とある場所を指し示した。指差しているが、そこには何も無い。……ほら、やっぱり、謎かけじゃないか!



「何も無いじゃない? 俺たちをおちょくってんの?」


「そんなことはしていない。あくまでそこは君たちが使っていい場所にすぎない。正確にはこれだ!」



 謎空間から袋詰めされた何かを取り出した。アレ? これって俺ら旅人の必需品……、



「コレ、テントじゃないの?」


「そうだが?」


「いや! そうだが、じゃないだろ!」



 いやいやいやいやいや! ないない! 絶対ない! そんなのありえんて! テントっておかしいにも程があるだろ! 認めんぞ、こんな理不尽! 絶対、後で訴えてやるからな!

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